現地では“食料”奪い合いも・・・ロシアは中国に“支援要請”か ウクライナ侵攻20日目(2022年3月15日)

全面的な侵略が始まって20日目。ロシア軍の攻撃はウクライナ各地で続いています。

ロシア軍の攻撃は一見、無差別にも思えますが、分析機関によりますと、学校や病院などが集中的に狙われれているとされています。がれきの下には2000以上の遺体が埋まっていると言われていて、そのほとんどは民間人です。

マリウポリ市民:「ここは小学校で、1年生から4年生が勉強していました。学校に軍隊はいません。なぜ砲撃されたのか分かりません」

包囲されているマリウポリでは、いまだ40万人が支援物資もないなか、電気もガスも通信も止まった生活を強いられています。AFPが「住民同士による食料品の奪い合いが起きている」と伝えるほど、現地の状況は最悪です。

ICRC(赤十字国際委員会)マリウポリ地域、ボルコフ副代表:「商店、薬局は4~5日前にすべて略奪されました。食料を蓄えている人もいますが、いつまで持つか。子どもに与える食料がない人も多い。食料のために争いだしています。ガソリンを抜き取るために車の破壊も起きています」

兵力で圧倒的に劣るウクライナ軍は、数少ない武器や資源を駆使し、ギリギリのところでロシア軍の侵攻を食い止めています。ウクライナ側の発表では、ロシア側の損耗は兵士1万3500人、戦車404両、装甲戦闘車両1279両、固定翼機81機、ヘリ95機になるといいます。

ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ウクライナ領土に侵入したロシア兵に話しかけたい。今からウクライナに対して戦闘準備をしている兵にも。ロシアの徴集兵もよく聞いてください。何のために死んでいるのですか?だから、あなたたちにウクライナ国民から選択肢を与えたい。これは生還するチャンスです。ウクライナ軍に降伏すれば、人間として扱われるように公平に扱う」

一方、ロシア軍はシリア人の手を借りることにしました。

ロシア24:「シリアの人々は2国のリーダー、ウラジーミル・プーチンとバシャール・アサドの肖像画を掲げて、ロシアのウクライナにおける軍事作戦を支持しています。シリア人たちは口だけでなく、行動でもロシアをサポートするつもりです」

これまでに4万人が申し込んだといいますが「理由は生活苦のため」と言われています。

NGO『シリア人権監視団』アブドルラフマン代表:「給料は1カ月あたり1000ユーロ、重傷を負うと7000ユーロ、死亡すると1万5000ユーロ支払われ、ロシアが遺族の面倒を見るという契約。パンを買うお金もなく、電気も一日に2時間しか使えない。経済状況がシリア人たちを戦地へと向かわせている」

フィナンシャル・タイムズなどによりますと、ロシアは中国にも支援を要請しています。言われているのは地対空ミサイル、装甲車、ドローン、諜報関連機器、そして食料です。

ロシア国防省は、快適な食事が提供されていると動画でアピールしていますが、兵站は滞り「略奪によって食いつないでいる」との報告が相次いでいます。

アメリカCNN:「ロシアが要請した支援のなかには、MREと呼ばれる戦闘糧食が含まれる。基本的な兵站上の問題を抱えていることを如実に示す」

中国国内では、ロシアに追随することに疑問の声も上がっていますが、中国共産党の対応はというと。

中国外務省、趙立堅副報道局長:「アメリカは時々、嘘の情報を作り、まき散らしている。きちんとやっていないし、道徳的でない。無責任でもある。彼らがそうするなら、アメリカは世界からさらに信用を失うことになる」

ロシアのウクライナ侵攻を中国が支援するとなると、情勢は一気に動く可能性が出てきます。こうしたなか、ローマでは14日、米中の高官が会談を行いました。アメリカ側は安全保障を担当するサリバン大統領補佐官。中国は外交を統括する楊潔チ政治局委員です。2人の会談は7時間に及びました。

中国CCTV:「楊潔チ政治局委員は、ウクライナ情勢について中国の立場を表明しました。『ウクライナ情勢は、中国が見たくないところまで進んできた』」

ホワイトハウス、サキ報道官:「(Q.中国がロシアを支援したらどうなるか)具体的に言及するつもりはありません。ただし、サリバン大統領補佐官は『中国は軍事的その他あらゆる支援をすれば、制裁違反・戦闘支援にあたり、深刻な結果を招く』と伝えています」

ウクライナメディアによりますと、ロシアとウクライナの代表団は日本時間の15日午後8時ごろ、4回目の停戦協議を再開しました。14日の協議は、ウクライナ代表団トップのポドリャク大統領顧問によりますと、技術的な理由で中断を余儀なくされていました。

一口に停戦協議といっても、どのように軍を撤退させるかや、今後の政治運営をどうするかなど、いくつもの議題が存在します。そのため、今回の交渉では、テーマごとに作業部会が設けられ“地ならし”をしたうえで代表団が全体の交渉に臨むとみられます。技術的な中断とは、この“地ならし”すら困難な状況にあったことを示唆しています。また、協議の土台となる言葉の定義をめぐっても、隔たりがあったようです。

今後、両者の溝は埋まるのか。アメリカ国防総省のカービー報道官は悲観的な見通しを示しています。

アメリカ国防総省、カービー報道官:「プーチン大統領は本気でウクライナを占領するつもりだ。外交の道は確実に残っているが、それを選択するつもりはないらしい」

この発言を裏付けるかのように、ロシアのラブロフ外相は停戦協議について、こう強調しました。

ロシア、ラブロフ外相:「停戦協議は、ウクライナの中立化を確実なものとするため、関係者の安全保障、ウクライナの非武装化という文脈で行われている。これはロシアへの脅威を取り除くためのものであり、言うまでもなくウクライナの“ナチ化”に終止符を打つためのものだ」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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