ウクライナで、初めて人道回廊を使っておよそ5,000人が避難する中、新たに人道回廊を10ルート設置することが決まった。
首都キエフ郊外の町・イルピンでは、父親との別れを嫌がる子どもの泣き声が響きわたっていた。
父親「泣かないで泣かないで。これをもらって」
母親「たたかないで、パパはすぐ来るよ」
ふるさとを追われ、家族と離ればなれになりながら、国外へ避難を行う子どもたち。
写真の中でピースサインをしている11歳の少年は、原発が占拠された町・ザポリージャから、たった1人で列車に乗り、1,000kmも離れたスロバキアに避難してきた。
母親は、看病が必要な家族がいるため、少年を1人で送り出した。
母親「わたしたちのウクライナの子どもを守ってください」
ウクライナ第2の都市・ハリコフの病院では、子どもの負傷者があとを絶たない。
医者「今まで、地雷・手りゅう弾で負傷した4人の子どもを手術した。拳銃でやられた子どももいる。きのうの夜に、1人の女の子が亡くなった」
国連によると、軍事侵攻が始まって以来、民間人474人が犠牲となり、このうち29人が子どもだという。
アメリカのCIA長官は、軍事侵攻がさらに激化し、今後数週間で、民間人の犠牲が倍増するとの見方を示している。
こうした中、ウクライナの北東部・スムイでは8日、民間人のための避難ルート「人道回廊」が初めて行われ、市民や外国人留学生およそ5,000人が、南にあるポルタワに避難した。
また、ウクライナの副首相は、日本時間の9日午後4時から10日午前4時まで、人道回廊を新たに10ルート設置することでロシア側と合意したと発表。
この10のルートは、全ての行き先がウクライナ国内となっていて、マリウポリから南部のザポリージャ行きのルートや、近隣都市から首都キエフに向かうルートなど。
イルピンでは、すでに避難が始まっていて、市民がバスに続々と乗り込んでいる。
ウクライナ側は、今まで人道回廊を実施している中でもロシア軍の攻撃があったことから、停戦の合意を守るよう呼びかけている。
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