猛攻の中、ウクライナ側が徹底抗戦 原発“孤立”の危険度は・・・(2022年3月11日)

 ロシア軍はウクライナ首都への包囲を進め、アメリカの国防総省はロシア軍が首都キエフまで15キロの地点に迫っていると明らかにしました。一方、再び停戦し、避難ルートを設置するという報道もあります。

 ついにロシア軍の攻撃はウクライナの西部にまで広がったのでしょうか。地元メディアによりますと、11日、イワノ・フランコフスクで捉えられたという映像。

 西部ルーツクの映像でも飛行場の近くで爆発があったといいます。

 一方、ウクライナ南東部マリウポリ。ロシア軍に包囲され、攻撃を受ける街では銃声が鳴り響くなか、救助活動が行われています。

 がれきに生き埋めになった少年は重傷です。しかし、重機でなければ、がれきを取り除けません。

 マリウポリ当局は、これまでに少なくとも1300人が死亡したと発表しています。

 ウクライナ第2の都市ハリコフ。ロシア軍が撃ったミサイルを除去している場所は公園です。子どもたちが遊ぶ遊具の横にミサイルが撃ち込まれたということです。

 非常事態省職員:「ロシア軍の爆撃のロケット弾は大体ウクライナ軍の陣地で爆発したが、残った分は住宅や市街地も爆撃し、民間人にも当たった」

 民間人への攻撃を強めるロシア軍。事態は切迫しています。アメリカ国防総省の幹部はロシア軍がウクライナの首都キエフの中心部まで、わずか15キロの地点まで迫っていると明らかにしたのです。

 さらにキエフ中心部40キロの地点にも別の部隊が迫っているといいます。しかし、ウクライナ側は徹底抗戦を続けています。

 撮影者:「ウクライナに侵略すると、こんなことになるよ。こんなことになるよ」

 ウクライナ側が公開したドローン映像では、次々とロシア軍の戦車が破壊されていきます。戦車が退却する様子も捉えられています。

 この映像を見たCIA(米中央情報局)の元長官は、ロシア軍の隊列について「これでは攻撃されやすい」と指摘しました。

 元CIA長官:「このようなことが起きるとは・・・。ご覧のように1カ所に集まっています。本来はもっと距離を空けておくべき。停止したら道路上に、とどまってはいけない。見えたままの状態であってはいけない。何でもいいから、カバーするものを見つけるのです」

 CNNはロシア軍のミスに兵士の身体的、精神的な疲れがあるのではないかとしています。アメリカの情報機関トップのヘインズ国家情報長官はロシア軍に多数の死傷者が出ていることから、こう指摘しました。

 アメリカ、ヘインズ国家情報長官:「プーチンはいらだっていると、私たちは見ています。彼が被っている大きな代償を考えると、勝利として受け入れる条件が時間とともに変わってくる可能性がある」

 ウクライナ側の抗戦によっては譲歩もあるのでしょうか。しかし、停戦が期待された10日のウクライナとロシア外相会談では、ロシア側に譲歩の姿勢はみえませんでした。ロシアのラブロフ外相はウクライナ侵攻について、こう話したのです。

 ロシア、ラブロフ外相:「ウクライナを攻撃していない。ロシアの安全保障が脅威を受けている状況だ」

 「ウクライナを攻撃していない」。さらに、9日のマリウポリの産科小児科病院への攻撃についても病院はウクライナ軍の拠点になっていたと主張したのです。

 ロシア、ラブロフ外相:「この産科病院には女性も子どもも医療スタッフも、かなり前からいなかった」

 一方、IAEA(国際原子力機関)がチェルノブイリ原子力発電所とすべての通信が途絶えたと明らかにしました。

 ロシア軍が占拠しているチェルノブイリ原発は電力が止まっていて、放射性物質の放出につながる恐れがありますが、IAEAは安全性に問題はないとしています。しかし・・・。

 CNNキャスター:「IAEA側は重大事故が起きる可能性を低く見積もっている」

 原子力の専門家:「彼らは人々をパニックに陥らせたくないからです。だから最良のシナリオを出しているのです。しかし忘れてはならないのが、今は戦時であるということです。死者も出ています。火災も起きているし、砲弾や手投げ弾がチェルノブイリの近くで爆発しています。使用済み燃料プールのポンプが爆発したら、(冷却用の水が供給されなくなり)核廃棄物が放出してしまう」

 そんななか、事態がさらに大きく動く可能性があります。

 アメリカの研究機関が日本時間の12日午前5時までにロシア軍がキエフに総攻撃を掛けると分析したのです。

 事態は風雲急を告げているのでしょうか。

 アメリカの研究機関「戦争研究所」(7日):「ロシア軍は砲撃・空爆・ミサイル攻撃を行って相手の防御力をそぎ、恐怖を与えながら補給と増派を行い、それから攻撃を行おうとしている」

 アメリカの研究機関「戦争研究所」が7日、96時間以内にキエフへの“総攻撃”を行う可能性があると分析しているのです。

 このリポートが発表されたのは7日午後3時。96時間後といえば、11日午後3時。日本時間の12日午前5時になります。

 果たして、キエフへの総攻撃は近いのでしょうか。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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