北方領土の国後島から来たというロシア人男性が北海道東部の標津町で発見された問題で新たな動きです。
男性が入管当局に難民申請を希望し、その審査に入るということです。
8月19日午前8時ごろ、北海道東部の標津町内の防犯カメラの映像です。上下青い服に帽子をかぶった男性。北方領土の国後島から来たロシア人とみられています。関係者によりますと男性は「亡命するため国後島から泳いできた」と話していて、札幌出入国在留管理局で事情を聴かれています。
ロシア国営テレビ「ロシア24」:「ロシア人の男性が日本の北海道で入管当局に拘束されました。男性は亡命するために国後島から泳いで渡ったということです」
ロシアメディアによりますと、男性はロシア中部のイジェフスクから国後島に移住した38歳。標津町で発見された2日前の8月17日から行方が分からなくなっていました。
ロシア国営テレビ「ロシア24」:「国後島の泊村の近くにある男性の家では、日本のポスターが見つかっている」
国後島の男性の自宅の壁には日本語とみられる文字が。「人は意思と良心」、「雌竜を探している」などと読めます。男性は2011年、2か月半にわたって日本を訪れるなど日本の文化に興味を持っていたとみられます。男性は在札幌ロシア総領事館との面会を拒否していました。
モスクワ支局 関根 弘貴 記者:「一部ロシアメディアは男性は日本への亡命が認められず、9月初旬にもロシア側に引き渡される見通しだと伝えましたが、新たな動きが出てきました」
入管当局によりますと、これまで男性は特例的に上陸を認める「一時庇護上陸」を申請していましたが、これを取りやめ難民申請を希望しているということです。
これからその審査に入り、男性の身柄が今後どうなるか今のところ見通しは立っていないといいます。
今回の問題を複雑にしているのが、ロシア人男性が北方領土の国後島から北海道標津町にやって来たということです。
日本側にしてみれば「北方領土は我が国固有の領土」という立場ですから、男性は国内を移動したに過ぎないということになります。
もし仮に難民申請が認められず、ロシア側に送還するということになれば、どんな対応が取られるのでしょうか?
日露関係に詳しい北海道大学の岩下明裕教授はこう解説します。
・国後島に送還するとロシア領だと認めてしまうことになる
・男性はどこから来たのか不明のまま領土問題と切り離して対応するのでは
どのような決着を見るのでしょうか?
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