小野寺五典 元防衛相/長島昭久 元防衛副大臣 「北朝鮮の核とミサイル」(6) 2017.5.17

Itsunori Onodera, former Defense Minister / Akihisa Nagashima, former Deputy Defense MInister

司会 倉重篤郎 日本記者クラブ企画委員(毎日新聞)
https://www.jnpc.or.jp/archive/conferences/34833/report

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記者による会見リポート

敵基地反撃能力は必要か?

朝鮮半島情勢についての会見シリーズ6回目。安全保障問題に詳しい国会議員2人に来ていただいた。

両氏共に5月連休にワシントンのCSIS(戦略国際問題研究所)で米国側と情報交換してきたばかり。長島氏は、米国の対北戦略について、日中韓など周辺諸国との協力で北への資金を封じ込め兵糧攻めすることによって、外交的に譲歩を求めていくのではないか、との見通しを述べた。小野寺氏は、なお米国は全ての選択肢をテーブルの上に置いており、最終的にはオバマ政権とは異なる対応をする公算が高く、状況を甘く見るべきではない、と語った。

日本側の対応としては、小野寺氏が外交努力の重要性について言及する一方、「北側のミサイル発射能力の向上(同時発射、着弾精度、超射程)により、イージス艦や陸上から迎え撃つ従来的な弾道ミサイル防備(BMD)装備では対応が困難になってきた」として、発射される前のミサイルを撃つために日本は敵基地反撃能力を持つべきだ、との考えを強調。法的、技術的にも問題はなく、むしろ費用は迎撃方式よりも安く済み、米国側も日米同盟の枠内で実施することを歓迎している、と述べた。長島氏もこれに賛同し、同時にそれはあくまでも短期的な課題であって、中長期的には、中国の台頭を念頭に弾道ミサイルだけでなく巡航ミサイル対応や東シナ海でのグレーゾーン対策も検討すべきだ、とし、それらのために防衛費も対GDPで1.2%程度が望ましい、とした。

会場からは、敵基地反撃能力を持つことがむしろ北側の暴走を呼び状況をより悪化させることにならないか、などの質問が出た。

安倍晋三首相の憲法9条3項加憲論については、長島氏が2項(戦力不保持)に手を付けないのであれば改憲の意味がないと批判した。

企画委員 毎日新聞社論説室専門編集委員
倉重 篤郎

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