ブレスト=リトフスク条約

ブレスト=リトフスク条約, by Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki?curid=194417 / CC BY SA 3.0

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ブレスト=リトフスク条約

ブレスト=リトフスク条約(リトフスクじょうやく、, , , , )は、第一次世界大戦の終結を巡り、ブレスト=リトフスク(現在のベラルーシのブレスト)で締結された講和条約である。条約は1つであるが、立場の異なる2者によって協議が行われたため、実質的に以下の2つの条約が存在している。
通常、ブレスト=リトフスク条約といって想定されるのは後者である。

なお、ウクライナやロシアではそれぞれこの時期にそれまでのユリウス暦からグレゴリオ暦への転換を行っており、表示される年月日に混乱が生じがちであるので注意。以下では原則として現代のグレゴリオ暦で表示することとする。

ロシア帝国では1917年3月(ユリウス暦2月)の二月革命でロマノフ朝の政府が倒され、政治・経済が大混乱に陥り戦争の継続が困難となっていた。こうした中でウラジーミル・レーニンが指導するボリシェヴィキ党は即時休戦を訴え、国民からの支持を拡大していった。特に、ドイツ・オーストリアの軍隊と対峙していた前線部隊は、挙ってボリシェヴィキ支持を表明した。

11月7日、ボリシェヴィキ政府は十月革命によって政権を奪取した。旧ロシア帝国領であったウクライナのキエフでは、11月10日にボリシェヴィキ派とロシア臨時政府派が軍事衝突を起こした。当時ウクライナで最大の勢力を持っていたウクライナ中央ラーダ政府はこの機会に2番手であった臨時政府の駆逐を狙い、ボリシェヴィキに加担して臨時政府派をウクライナから一掃した。この後、中央ラーダはボリシェヴィキの暴力的な革命を批判し、両政府は険悪な対立状態に入った。中央ラーダは11月20日にウクライナ人民共和国の成立を宣言し、これが事実上のウクライナの独立宣言となった。

ボリシェヴィキ政府は中央ラーダの乗っ取りを図ったが失敗、いよいよ武力による介入を図ることになった。しかし、12月11日にキエフで決行されたボリシェヴィキ派工作員による最初の武装蜂起は失敗に終わり、前線からキエフへ向かった増援部隊も途中でウクライナ軍によって武装解除され、ボリシェヴィキはロシアまで追放された。12月15日に急遽中央同盟国側と休戦したボリシェヴィキ政府は、12月17日、中央ラーダ政府に対し最後通牒を突きつけた。ウクライナにとって到底呑むことのできない条件を並べた通告により、即刻、ウクライナ・ソヴィエト戦争が開戦された。

旧ロシア帝国領内における混乱から、ドイツなど強国がウクライナ問題へ干渉することは不可避であると予想された。ロシアの生命線であったウクライナの喪失を阻止するため、ボリシェヴィキは早急なる講和条約の締結に迫られた。ロシアと中央同盟国との和平交渉は12月22日、ボリシェヴィキ政府と同盟国側との休戦の1週間後にブレスト=リトフスクにおいて始められた。レフ・トロツキー外相を代表とする交渉団は、まず初めにベラルーシとポーランドの国境の画定を議題とした。中央同盟国側の代表は、ドイツのマックス・ホフマンであった。これに、エーリヒ・ルーデンドルフやトルコのリヒャルト・フォン・キュールマン()、オーストリア=ハンガリーのオットカル・チェルニン()らが加わっていた。しかし、ロシア側が「賠償金や領土併合なしの和平」を要求し、交渉はすぐに頓挫した。

12月25日にはハルキウにてボリシェヴィキ派のウクライナ人民共和国の成立が宣言され、ウクライナにおけるボリシェヴィキの新たな拠点となった。同日、ロシアの赤軍はウクライナ領内への侵攻を開始、1月初旬までの間に東ウクライナの大半の地域を占領した。ウクライナ側の守りは、ボリシェヴィキのプロパガンダ工作とスパイによる武装蜂起などによって脆くも崩れ去った。

一方、中央ラーダはウセーヴォロド・ホルボーヴィチ首相を長とする代表団をブレストへ送った。交渉団は、ムィコーラ・レヴィーツィクィイ、ムィコーラ・リュブィーンシクィイ、ムィハーイロ・ポーロズ、オレクサーンドル・セウリュークら政府の重役によってなっていた。1月1日にブレストへ到着した交渉団は、ロシアとは別に中央同盟国側との交渉を開始した。

トロツキーらは、ウクライナと中央同盟国との交渉の妨害を図った。しかし、ドイツ軍の武力を必要とするウクライ…

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