ロシア軍による侵攻で、焦り始めているとも言われるロシア・プーチン大統領。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領の支持率は91%に急上昇しています。SNSで団結を促し、ロシア国民や世界にも訴えます。ヨーロッパ各国でも連帯が強まっています。
■避難の一方で…帰国する人で行列
24日に始まったウクライナへの侵攻。
ウクライナ側の徹底抗戦に、ロシアのプーチン大統領は27日、「ロシア軍の(核)抑止力を今からすぐに使えるよう命令する」と残虐性の高い核の存在をちらつかせました。
25日には「ウクライナ軍の軍人に呼びかける。自分の手で政権を取りなさい」と、声明でクーデターを促しました。アメリカのワシントン外交筋によると、焦り始めているとの指摘も出ています。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、「ウクライナに帰れる人は、国を守るために帰国してください」と改めて国民に団結して戦うよう、呼びかけました。
ポーランドの国境付近に位置するメディカでは26日、これからウクライナに向かう人たちの行列ができていました。避難してくる人がいる一方、戻ろうとする多くの人の姿がありました。ウクライナに戻る男性は「ウクライナを守らなければならない」と話しました。
ポーランド・プシェミシルでも27日、ウクライナへ帰国する男性が「武器の支援があれば、自分たちの国は自分たちで守ります」と決意を語りました。
■自国民、ロシア、世界へ…発信重ねる
国民の心をつかむため、ゼレンスキー大統領が行っているのが、SNSでの呼びかけです。25日はテレグラムで「首相はここ、大統領上級顧問はここ、大統領(私)はここ。みんなここにいます」と、側近と一緒にキエフで撮影した動画を投稿しました。
26日はツイッターで「私はここにいる。降伏するつもりはない」「母国の領土、真実、われわれの子どもたちを守り続ける」「ウクライナに栄光あれ!」と訴えました。
軍事侵攻が始まる前の2月11~18日には41%だった支持率は、26~27日には91%となり、驚異の上昇を見せています(レイティング調べ)。
時にはロシア国民にロシア語で「ロシアの皆さんは戦争を望んでいますか?」「答えはあなたたちの行動にかかっています」と語りかけました。
英語の字幕をつけ、「これはただのロシアによるウクライナの侵攻ではない。ヨーロッパに対しての戦争の始まりです」と世界に向けても支援を求めました。
■スイスもドイツも…欧州で支援広がる
こうした中、ヨーロッパ各国で支援の動きが広がっています。
ウクライナの地元メディアによると、クロアチアからは志願兵らがウクライナに向かっているといい、ラトビアでも国民がウクライナで戦うことを全会一致で議会が認めたといいます。
これまで軍事支援に慎重だったドイツも、武器を提供する方針に転じました。ロイター通信によると、永世中立国のスイスも、EUと歩調を合わせて国内のロシア資産の凍結など、制裁を発動することを明らかにしています。
ウクライナ国防省によると、既に5300人のロシア兵が死亡しているといい、ゼレンスキー大統領は、「ロシア兵はウクライナから立ち去り、命を大切に」するよう呼びかけています。
(2022年2月28日「news zero」より)
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