「パパも戦うことになるかも」別れを涙で耐える男の子 多くの子どもが犠牲になるウクライナの現在

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、市民に大きな影響を与えています。その中には、子どもたちの犠牲も…。JNNが現地入りし、今ウクライナで起きていることを取材しました。

■奮闘続けるウクライナ軍 激戦となったブチャ市長の訴え

ウクライナの首都・キエフの北西20kmに位置する都市ブチャでは、キエフを目指すロシア軍がウクライナ軍の反撃に遭いました。

ブチャ市長は破壊された戦闘車両など激戦の様子と自らを自撮りしながら「これはロシアの侵略と我らの軍隊の働きの結果だ。民間施設も被害を受けたが、全て再建する。私達は生き残って無事だ」とウクライナ軍の奮闘と街の惨状を訴えました。

■パパも戦うことになるかも…大粒の涙を流す男の子

首都キエフからポーランドとの国境に向かう道は、ウクライナから避難する車で渋滞していました。父親と離れ離れになった男の子は、母親と移動する車内で「パパはキエフに残っています。“僕たちの英雄・軍隊を助ける”って。ウクライナ軍を助けて、もしかしたら戦うことになるかもしれない…」と、涙ながらに話しました。

戦火が市民の日常を奪っています。

■高層マンションにミサイル直撃~戦闘が激化する首都キエフの様子

2月28日、JNNがウクライナ首都・キエフ中心部で取材を行いました。キエフ中心部の高層アパート上部にミサイルが命中した痕が見られます。高層階からは瓦礫が崩れ落ち、キーボードやリュックサック、絵本などがそのまま散乱していました。

取材に応じてくれた高齢の女性は「警報が鳴った時、家の風呂に隠れていた。飼っている小さい犬が緊張している。でも私たちは勝つ」と攻撃されたときの緊迫した様子を語ってくれました。

若い女性は「4日間よく眠れない。ドネツクに3年住んでいて、なんとかここに逃げられた」と、2014年に激しいデモが起こった地域から逃れてきたにもかかわらず、また同じような悲劇が起こっていることを訴えます。

キエフ在住の日本人、高垣典哉さんにも現在の状況を伺いました。高垣さんによると、キエフ市内の信号はすべて黄色で点滅したままで、2月27日夜から10~12時間程度は銃撃戦の音がなく、現在、町は静かな状況になっているものの、現地の混乱している様子を語ってくれました。

高垣典哉さん
「キエフ市内にはロシアからの工作員がたくさん潜入しています。私も一昨日、ビデオ撮影していた際に工作員と疑われて警察が後ろからつけてきたので振り向くと、拳銃をつきつけられて”止まれ”と制止させられました」

■徹底抗戦を見せるウクライナ国民

ウクライナ・ゼレンスキー大統領は「我々は武器を捨てない。国を防衛する」とウクライナ国民に抵抗を呼び掛けています。ロシア軍は”想定以上の抵抗”を受けているとみられ、隊列を組んで進行するロシア軍に対し、実際に国民が立ち向かう様子や、1人の男性が道路にひざまずいて行く手を阻み、侵攻を止めるよう訴える様子が撮影されています。

軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「ウクライナ軍の抵抗が強くて、ロシア軍が相当苦戦している。ロシア軍が入ってきたところで、潜んでいたウクライナ軍が一斉に襲い掛かる。さらに、アメリカを中心としてNATO加盟国から歩兵用武器の提供・補給があった。対戦車ミサイルが届き、それがかなり効果を上げている」と、NATO加盟国から提供を受けた武器の効果を指摘します。

■小さな女の子が犠牲に…激しく憤る医師

武器供給があったとしても、ウクライナ市民の犠牲は増え続けます。2月27日、南東側の町のマリウポリの病院に運ばれてきた6歳の女の子は、ロシア軍の攻撃で負傷し、心肺停止の状態。医師たちの懸命の治療もむなしく、女の子はその場で命を落としました。治療にあたっていた周りの大人達は涙を流し、担当医師は「この状況をプーチンに見せてやれ、この子どもの目と泣いている医師たちを!」と激しく憤ります。

ウクライナ政府は、2月27日までに子ども14人を含む市民352人が死亡したと発表しています。

■侵攻直前に日本へ避難してきたウクライナ人

2月28日、2週間前にウクライナから日本に避難してきたユリヤ・シドレンコさんと息子のアイキくん親子に話を伺いました。

ユリヤさんの母親は今もウクライナに残っています。頻繁に連絡を取り合っていますが、不安は募る一方だと言います。

ユリヤさんの母(電話で)
「私たちは戦争の怖さを思い知った。必要最低限のものしかなくて、この先どうなるか分からない」

ユリヤさんは家族の状況を聞き、思わず涙がこぼれます。日本への避難は数か月と考えていましたが、仮に停戦になってもすぐにはウクライナに帰れないと考えています。

息子アイキくん
「友達に”さよなら”言いたかったけれど、いつ帰れるか分かりません」

ユリヤさん
「友達と親戚は無事でいて欲しい。物はまた買ったり、建物も建て直したりできるが、人生失ったら、もう戻しようありません」

(28日23:17)

#ウクライナ #ロシア #軍事侵攻

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