【ウクライナ情勢まとめ】交渉”継続”で合意も… ロシア“より攻撃的”になる恐れ

ロシアのウクライナ侵攻後、初めて両国の代表団が集まり、停戦協議が行われました。両国は交渉を継続することで合意しました。一方、ロシア軍はウクライナ軍の善戦によってキエフ侵攻に時間がかかっていて、今後、より攻撃的になる恐れもあるということです。

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ウクライナ第2の都市ハリコフで1日、ロシアのミサイルが州の庁舎に向かって撃ち込まれました。非常事態庁がフェイスブックで公開した映像では、庁舎が爆撃されて大きな赤い炎が上がり、黒い煙に包まれる様子が映し出されていました。攻撃を受けた庁舎付近では、がれきが散乱していました。

激しさを増すロシアによるウクライナ侵攻。

この前日の先月28日には、カメラがハリコフの住宅街に数々の砲弾が撃ち込まれる様子を収めていました。映像には「ターゲット我々ですね。我々に(砲撃)やっている。先に行って。私すぐに追いかけるから」と話す緊迫した様子も記録されていました。

また別のカメラ映像には、次のような住民の悲痛な声も収められていました。

子供
「ママ!ママ!」

母親
「早く!早く行って!」

ハリコフでは28日、少なくとも11人が犠牲になったということです。

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ウクライナのゼレンスキー大統領は声明で「砲撃と交渉が同時進行で起きているようだ」と述べ、停戦協議当日にも“攻撃し圧力をかけている”とロシアを非難しました。

その停戦協議は、ロシアのウクライナ侵攻後、初めて両国の代表団が集まり、会談は5時間以上にわたって行われました。

終了後、ロシアの代表団は「いくつか要求に対して、同意することは可能だと思います」と述べ、一方、ウクライナの代表団は「いくつかの重要な問題に対して、解決は可能かと思います」と述べました。

即時停戦などを求めるウクライナと、非武装化などを求めるロシアとの溝は深いものの、両国の代表団は交渉を継続することで合意しました。

次回の会談は数日中に行われる予定ですが、交渉の行方は依然、不透明となっています。

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ロシアは、その交渉中にも攻撃を続けています。ウクライナの北部、チェルニーヒウでは、スーパーが攻撃を受け黒煙が上がっていました。

ロシア軍は、ウクライナに対し、北、東、南から侵攻を続けています。アメリカのシンクタンクによると、一部の地域をロシアが支配したということです。首都キエフにも徐々に迫り、近郊では銃撃戦が行われ、町の至るところにその痕跡が残っていました。

ウクライナ市民は、がれきを指さしながら、「このような行動は人間の行動ではありません。(プーチンは)テロリストです」と嘆きました。

先月28日の夜には、キエフ近郊の軍事基地が空爆され、燃えさかる様子も見られました。

侵攻から5日目にキエフの北方をとらえた衛星写真には、道路を埋め尽くすほどの長い車列が写っていました。ロイター通信によると、ロシア軍の地上部隊の車列が約64キロにわたっているということです。

アメリカ国防総省の高官によると、ロシア軍は数日以内にキエフを包囲しようと進軍を続けていて、キエフから約25キロの地点にいるとしています。

しかし、国防総省のカービー報道官は「ウクライナ軍が非常に粘り強く抵抗して、キエフを守っていて、ロシア軍の前進が困難になっている」との見方を示しました。

ウクライナ軍の善戦でキエフ侵攻に時間がかかっているロシア軍は、いらだちを募らせていて、今後、より攻撃的になる恐れがあるということです。

ロシアの“侵略”に徹底抗戦を続けるウクライナ。

ゼレンスキー大統領も、ロシアに対抗するためEU(=ヨーロッパ連合)に正式に加盟を申請し、自身のツイッターに「実現すると信じています」と投稿しました。欧米へ働きかけることで、支援を最大限に引き出したい考えです。

欧米などからの制裁が日に日に強まっているロシアのプーチン大統領は「私はあの制裁を出した国々を『ウソの帝国』と呼んでいるよ」と発言しました。

そのプーチン大統領が先月27日、核戦力を念頭にロシア軍の戦力を特別警戒態勢にするよう命じていたことに対し、アメリカのバイデン大統領は記者から「アメリカ国民は核戦争を懸念するべきですか?」と問われました。

バイデン大統領はこの質問に対し「ノー」と答え、核戦争への懸念を否定しましたが、ロシア国防省は、核戦力を含む警戒態勢を強化したとプーチン大統領に報告。プーチン大統領の指示があれば、すぐに核戦力の使用が可能な状態となりました。

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ウクライナ情勢をめぐる動きは刻一刻と変わっています。

日本時間午後3時すぎ、首都キエフで避難生活を強いられている日本育ちのウクライナ人住民に話を聞きました。

日本育ちのウクライナ人 パルホメンコ・ボグダンさん
「銃声と爆発音が夜中に聞こえました。この5日間で一番近かったと思います」
(2022年3月1日放送「news every.」より)

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