立憲デモクラシー講座も第7回。講師は、東京大学で記号論とメディアを研究する石田英敬教授。
これが、予想外の大講義となりました。一挙公開します!
啓蒙思想の普及をささえた印刷術の紙の時代は、20世紀初頭の大型輪転機と電信の普及によって変容し、政治が、活字と映像の影響力を駆使しメディアを利用する時代となった。そして、1990年代以降のコンピューター、インターネットの普及によって、デジタルメディアの網の目にすべての人々が繋がれる世界が生まれた。
メディアを利用した人々の意識への働きかけ、利用の技術は、アメリカを第一次大戦参戦を誘導したようなプロパガンダから、PRと名を変えさらにマーケティングへと変貌した。
今、資本主義を支えるに至ったマーケティングが政治に活用される時代である。デジタルメディアの時代には、ひとりひとりにカスタマイズされた情報が届けられる。そういう時代に、私たちの意識は、ほんとうに私たちが自ら形成した意識と言えるのか。
現代では、ネットを通じて利用者が無意識のうちに提供する情報を大量に収集し、それぞれの利用者にカスタマイズした情報を効率よく提供できる。ネットを利用する私たちは私たち自身の言葉を持つことになるのだろうか。
いま、改憲という国民の選択が問題となる。政治とメディアの関係、デジタルメディアが選択に与える影響を十分検討したとは思われない国民投票法は、改正が必要だ。
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