【新型コロナ】医師に聞く 第6波死者急増の背景

第6波が猛威を振るう中、気がかりなのが亡くなった人の数が増えているという点です。こちらの画面は、1月下旬以降、新型コロナの感染者で死亡が確認された人の1日ごとのグラフです。2月15日も県内で5人の死亡が確認され、2月だけですでに58人にのぼっています。オミクロン株は軽症者が大半で重症化のリスクが低いと言われながら、死亡例が増えているのはなぜなのでしょうか。

 <中東遠総合医療センター 宮地正彦院長>「あっという間ですよ。3週間前は酸素投与する人って10~20人だったのが、あっという間に100人超すまでに増えています。酸素投与が必要でも、人工呼吸器が必要になるまでの人は第5波よりは少ない」
コロナ感染者を受け入れている中東遠総合医療センターの宮地正彦院長は、第6波は、2021年の第5波と様子が違うと話します。
 <中東遠総合医療センター 宮地正彦院長>「病院で亡くなってるよりも病院外で亡くなってる人が増えている」
 第6波では、なぜ、病院以外で亡くなる人が増えているのでしょうか。
 <中東遠総合医療センター 宮地正彦院長>「医療施設とか介護施設がクラスターを起こしてる。第5波まではデルタ株の時は、人工呼吸器をつけるか、その前の段階でも厳しいので、肺炎で亡くなってるんですけど、今はオミクロン株になってからは肺炎ではなくて基礎疾患プラスそこに感染とか発熱とか体力を奪う状況がきて、急に状態が悪化しいくということなので、亡くなり方が違ってます」
 新型コロナウイルスの感染というより「元々の基礎疾患」と発熱などでの「体力の消耗」で亡くなるケースが目立つといいます。
 <中東遠総合医療センター 宮地正彦院長>「今はもうほぼ全員感染してしまうので、誰を病院の中に入ていいのか難しいので、もうその施設で看てくださいと。難しい場合は病院でとるかもしれないが、そこの線引きが難しい。病院にとる人ととらない人で命の線引きをすることになるので」
 夏場だった第5波と違い、冬場は心筋梗塞や脳卒中などの急病患者などで病床がいっぱいになるため、コロナの病床だけを増やすことは難しいといいます。
 <中東遠総合医療センター 宮地正彦院長>「第5波はコロナのことでベッド増やしてなんとか助けにいくことができたんだけど、第6波はそこだけやってると、本当に他の私たちがやるべきことがおろそかになりがちになってしまう。本当に厳しいですよ、今の方が」

2月15日放送 SBSテレビ「ORANGE」
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