米が石油備蓄放出発表も原油価格は上昇

 アメリカのバイデン大統領は日本時間24日未明、高騰が続く原油価格を引き下げるため、主要国と協調して石油備蓄の一部を放出すると発表しました。主要国が原油高に対応するため協調放出するのは初めてです。

アメリカ バイデン大統領
 「石油供給を手助けするため、戦略石油備蓄からの過去最大の放出を行うことを発表します」

 今回、アメリカは、戦略石油備蓄から5000万バレルを市場に放出します。バイデン大統領は、日本やイギリスなども同様の措置を取ることで合意したと強調、ガソリン価格が下がることに期待感を示しました。

記者
 「感謝祭を前にガソリンを給油しておこうと、多くの客が訪れています」

 東部バージニア州のこちらのガソリンスタンドでは、店頭価格が1リットルあたり110円と、日本と比べれば安いものの7年ぶりの高値が続いています。アメリカでは歴史的な物価高に対する国民の不満が高まっていて、今回の措置は支持率低迷にあえぐバイデン政権が対策を迫られていたことが背景にあります。

ガソリンスタンド利用客
 「(放出は)正しいと思う。ガソリン価格は高騰していて、休暇シーズンが来るので」

ガソリンスタンド利用客
 「助けになるなら良いけど、どれだけガソリン価格に違いをもたらすかはわからない」

 アメリカの市場では、産油国がこれに対抗し原油の生産を抑えるとの観測から、原油先物価格は値上がりしていて、ガソリン価格への影響は限定的との見方も広がっています。(24日16:58)

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