タクシーのドアに挟まれ高級ブランドの靴が傷ついたと言い現金を要求する、通称“挟まれ屋”と呼ばれる男の続報です。
TNCは、この男の連絡先を独自に入手、男への取材を試みました。
これは、TNCが新たに入手したあの迷惑な男の映像です。
2021年12月15日の未明、福岡市博多区を走っていたタクシー。
するとー
スーツ姿の男がタクシーを止めました。
◆運転手
「はい こんばんは どうも」
◆“挟まれ屋”
「こんばんは」
◆運転手
「ご乗車ありがとうございます」
◆“挟まれ屋”
「クレジットカード使えます?」
◆運転手
「ご利用いただけます。ドア閉めても大丈夫ですか?」
◆“挟まれ屋”
「おっちゃん、足挟まってる、レバーに」
◆運転手
「あっ!」
◆“挟まれ屋”
「開けんな!痛い痛い痛い足挟まってるちょっと待って」
◆運転手
「すみませんどうも」
◆“挟まれ屋”
「ちょっと待って、どうしたらいいレバーに」
タクシーのドアが閉まるとすぐ「挟まってる!」と騒ぎだした、関西弁の男。
福岡市内のタクシーで被害が続出している、通称“挟まれ屋”です。
その手口はワンパターン。
タクシーに乗り込んだ際、ドアの開閉で「高級ブランドの靴が傷ついた」などと言いがかりをつけ、運転手に現金を要求するのです。
◆“挟まれ屋”
「おっちゃん足挟まってる、レバーに」
◆運転手
「あっ!」
◆“挟まれ屋”
「開けんな!痛い痛い痛い足挟まってるちょっと待って」
運転手はこの男が”挟まれ屋”とは知らず、タクシーに乗せてしまったのです。
ところが…
◆“挟まれ屋”
「靴破れたで、おとうちゃん」
◆運転手
「う~んちょっと警察・・」
◆“挟まれ屋”
「そんな言うつもりないし」
◆運転手
「はい」
運転手が警察に事故として届けを出そうとすると、挟まれ屋の男は態度を一変。
それまでのドアに挟まれたとのアピールを、一気にトーンダウンさせました。
そしてー
◆“挟まれ屋”
「気い悪いからええわ」
◆運転手
「ああ、すみません、どうも失礼しました」
◆“挟まれ屋”
「「ドア開けます」「閉めます」くらいちゃんと言って」
◆運転手
「はい、ああすみませんね」
“挟まれ屋”の男は、タクシーに乗り込んでからわずか1分ほどで退散しました。
男を撃退した運転手は…
◆運転手
「絶対これ金にしようとしていて、ははは、甘いですね。絶対これまともなヤツじゃないな」
TNCの取材では、“挟まれ屋”の男は2021年の秋から福岡市内に出没。
2021年11月27日ー
◆“挟まれ屋”
「ドア閉まっ」
「おっさんドア挟まってんねん」
◆運転手
「挟まってます?」
◆“挟まれ屋”
「挟まってたで」
同一人物とみられる男による現金の要求は、未遂も含めると2021年10月から確認できただけで7件にものぼっています。
中には、1万円を男に渡してしまった運転手もいます。
2021年12月15日ー
◆“挟まれ屋”
「痛いってもう…」
「ハァ~大名」
◆運転手
「大名、はい」
◆“挟まれ屋”
「おっちゃん挟まってたで今」
◆運転手
「あっ、すみません」
◆“挟まれ屋”
「閉めて」
◆運転手
「いいですか、閉めますよ」
◆“挟まれ屋”
「ばりばり挟まってるやん、おっちゃん」
「どないしていただけるんですか」
◆運転手
「逆にどうしたらいいですか」
◆“挟まれ屋”
「どないか修理かなんかしてよ」
◆運転手
「5000円じゃだめですか?」
◆“挟まれ屋”
「5000円で直る訳ないやん、定価10万円くらいすんねんから」
◆運転手
「10万円するんですか」
“挟まれ屋”は、一体どんな人物なのか。
TNCでは、この男をよく知るという人物から話を聞くことができました。
◆“挟まれ屋”を知る男性
「あの男は関西出身の20代で名前をAという」
「口が上手く全国各地に出没してはいろんな詐欺行為を繰り返している」
さらにTNCでは、視聴者から情報を得て男の携帯電話番号を独自に入手。
一連の行為について、直接、問いただすことにしました。
しかしー
◆記者
「通話中だ、着信拒否しているかもしれませんね」
携帯電話のアドレス帳に登録されていない番号を、着信拒否しているのでしょうか。
ところが、その8分後ー
◆記者
「今ちょうどショートメッセージが来て『どちら様ですか?』というメッセージがきました。かなり用心深いですね」
男にメッセージを送り取材を申し込むも、男からの返信はありませんでした。
一方、TNCは男の父親に接触することに成功しました。
Qお父さんから見て息子さんはどういう方ですか?
◆“挟まれ屋”の父親
「いいやつはいいやつですけど、ダメと言えばダメです」
Qどういったところがダメ?
「だからそういったことですわな、詐欺まがいなことを、詐欺って言っていいんですか…」
父親も頭を痛める、息子の行為。
息子が金に執着するようになったのは、大学に通い始めた頃からだと明かしました。
Qたとえばお父さんお母さんにお金を貸してほしいとか?
◆父親
「それはありましたよ、大学行き始めたころはね、それからですわ…」
Qそのあたりからなんですね、お金に執着するといいますか。
「そうですね。大学は途中でやめてるんでね」
時には、息子の被害にあったという人が実家に押しかけてくることもあるといいます。
Q被害者が直接実家に?
◆父親
「そうです。私らもどうすることもできへんし、(私が)罵声を浴びて、帰らはる人もおるし、そらいろいろですわ」
Q改心してほしい?
「それはね、どないかしてでも更生できればいいんですけどね、でもできないでしょうね…」
2021年12月15日ー
◆“挟まれ屋”
「おっちゃん、足挟まってる、レバーに」
◆運転手
「あっ!」
◆“挟まれ屋”
「開けんな!痛い痛い痛い」
一体この男、どれほどの詐欺行為を重ねてきたのか…
福岡市内で相次いでいる“挟まれ屋”被害は、氷山の一角なのかもしれません。
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