キエフは今どうなっている?市民の動きは?在住男性に聞く(2022年2月24日)

 ウクライナの首都キエフ在住の市民、パルホメンコ・ボグダンさん(35)から報告です。

(Q.戒厳令で街の様子は?)
 1、2時間前とほぼ変わらないです。ただ、戒厳令が出たことで、どのような対応の仕方をすればいいか分からなかったのですが、だんだん指示が出てきたようで、一部のスーパーなどがまたオープンし出して、そこで食料や医薬品などを買っている人たちが街に出てる状況です。

 今のところキエフの中心部はすごく平和で、何も起きていない状況になります。

 ただ、ニュースで色々、空爆されたりとか、戦車が動いていたりという情報が入ってきているので、国民同士で携帯電話やソーシャルメディアで連絡を取り合いながらパニックにならないように自宅待機しているという状況です。

 (Q.ボグダンさんも今、自宅で待機か?)
 自宅にいます。古いアパートで、100年前くらいのものです。この地下に防空壕があるので、もしミサイルなんかが来ることがあれば、そこに避難するためのパスポートやお金、食べ物などを用意して、そこに下りられるようにしています。

 ただ、街からは出るかというのは、ウクライナ全土が攻められているので今、逃げる場所がほぼないです。

 ポーランドの国境も封鎖されているという話が国民の間で出ていて、そこに行ったところで出られるという保証がないので、むやみやたらに移動するのではなくて今の場所にいるというのが最善策かなということで、移動はしていません。

 (Q.避難先は見つからないが、避難をしようとしている人たちもいる?)
 パニックになっている住民が場所が分からないけれど、とりあえず出ようという人たちもいます。

 その一方で、避難した人は23日、22日の時点で出ている人もいます。例えば親戚や家族のもとに戻っている状況の人たちもいます。

 私の場合は家族全員がみんなキエフの中心地にいますので、そこで色々なアパートに住んでいる親戚が集まって今、一つのところで避難というか、待っているという状況です。

 もし、安全な方法が出てきて避難できる状況にあれば避難しますが、今、移動するからといって安全ではないし、どういう状況が起きるか分からないので、パニックになるよりはここで自分たちの荷物をまとめたりとか、精神を落ち着かせて親戚を落ち着かせたり・・・。

 ロシアにも多く親戚がいますので、親戚と連絡を取って自分たちが生きているよと、安全だよと伝えたり。

 逆に、軍隊で戦っている人たちと連絡を取っているウクライナ人もいます。そのような情報をまとめて(伝えたい)。

 こちらにいると何が正しくて、何が正しくないのか、よく分からないんです。変にパニックを起こすと状況が悪化するばかりなので、パニックを起こさずにどれだけ周りを落ち着かせるかが今、ウクライナ人の大きな課題です。それを政府もお願いをしています。

 (Q.ボグダンさんが今、一番伝えたいことは?)
 私はウクライナ人ですが、1994年にウクライナは核放棄をしました。日本でいう第9条のような形で、我々は戦争をしません、核を放棄しますと。

 第三国、アメリカ、ロシアに次ぐウクライナというのは核を持っていた国ですが、それを放棄したことで、今のロシアに攻められる。つまりアメリカ、イギリス、ロシアが平和と安全を保障すると言っていましたが、結局、それがされずに今の戦争になっているということなので、やっぱりこの世界というのはすごく理不尽だなと。

 武力による力だけで何でも解決できるんだな、なんでもオッケーするんだな、世界はそれを許可するんだなという気持ちがあり、歯がゆいというか、痛いというか、すごく嫌な気持ちではあります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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