攻撃には“肯定的”意見も?ロシア国内・アメリカの反応 専門家・記者解説(2022年2月24日)

ロシア軍がウクライナへの侵攻を開始しました。各地でミサイル攻撃や空爆などが行われ、ロシア側は「ウクライナの防空システムを無力化した」と発表しています。

ロシア軍のウクライナへの侵攻は、ロシア国内でどのように受け止められているのでしょうか。

◆前田洋平モスクワ支局長の報告です。
プーチン大統領は、“保護”が目的だと言っていますが、今になって、ツイッターのトレンドで『反戦』という言葉が1位になったり、「馬鹿げた選択だ」「プーチン大統領は裸の王様だ」など、批判的な声が出てきています。一部のジャーナリストは、反対声明を発表し「ロシアの世界からの孤立は我が国の文化的、技術的劣化を意味する。ウクライナとの戦争は闇への第一歩だ」と痛烈に批判しています。ただ、街に出て話を聞いてみますと、プーチン大統領を支持する人も多く、根強い“反米感情”があります。

ロシア政府は、今回の軍事作戦について報じる場合、ロシア政府の公式発表に基づいてのみ報道するように要求しています。

24日に放送されたプーチン大統領の演説は、恐らく過去に撮影されたものです。それは、21日にドネツク・ルガンスクの独立を承認した日と全く同じ服装をしていて、その同じタイミングで撮影されたのではないかと早くもメディアで報じられるようになってきています。撮影した日がわかると、プーチン大統領の考え、決断の背景がわかることになります。今後の戦況を見極めるうえでも重要なカギとなってくるかもしれません。

アメリカ国内の反応はどうでしょうか。

◆布施哲ワシントン支局長の報告です。
アメリカの議会からは、民主党、共和党問わず、強い経済制裁の発動を求める声が出ていて、プーチン大統領への批判の声は非常に高まっています。

アメリカは、ロシア軍の動きは正確に把握していたので、そういう意味では予想の範囲内だったかもしれません。去年12月3日のワシントンポストでは、今回の攻撃を正確に予測したアメリカの情報機関の分析が掲載されていましたし、今回の攻撃の直前にもアメリカ政府からウクライナ政府に対して、警告が出されていました。ただ、アメリカとしては、まさか本当にやるとはという思いはあるかもしれません。

◆ロシアの軍事・安全保障政策が専門の小泉悠さん、ロシア情勢に詳しい防衛省防衛研究所の兵頭慎治さんに聞きます。

(Q.広範囲で早いウクライナへの侵攻、兵頭さんの想定より早かったのはないでしょうか?)
兵頭慎治さん:この10日間くらいで、事態が急展開して、あっという間に軍事侵攻するという最悪のシナリオがオリンピック終了後に実現してしまった。今から考えると、東部ドネツク州、ルガンスク州の独立承認が、侵攻する大きな口実になっています。かなり前の段階で、最後のシナリオを実現するとプーチン大統領は腹をくくったのだと思います。

(Q.ロシアの動きをどう見ますか)
小泉悠さん:ロシアを主に軍事面から見ていますので、ウクライナ周辺に集まったロシア軍の動きを細かく見ていました。プーチン大統領が命令すれば、これくらいの軍作戦はできるだろうと頭ではわかっていましたが、どこかで、ここまでやらないと思いました。しかし、夜が明けてみて、大規模な空爆が行われて、広い地域で地上戦に発展していました。ロシアが集めてきた軍事力をフルに投入しているのだなと。正直、ここまでやると頭でわかっていましたが、信じきれないことが起こっているという感じです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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