【モスクワ=小野田雄一】ロシア軍は19日、核ミサイルを運用する陸海空の戦力による大規模演習を実施した。プーチン大統領は前日に会談した隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領とともにモスクワの大統領府から演習を監督。ロシアは核戦力を誇示し、ウクライナ情勢で対立する米欧側に圧力をかける思惑とみられる。
露大統領府によると、航空宇宙軍は航空機発射型の極超音速巡航ミサイル「キンジャール」を発射。海軍の艦艇と潜水艦が極超音速巡航ミサイル「ツィルコン」などを、地上からは弾道ミサイル「イスカンダル」や同「ヤルス」などを発射した。全てのミサイルが目標に命中したという。
演習に先立つ18日、露国防省や露大統領府は「事前に計画されていた演習だ」などと説明。ウクライナや米欧への威嚇だとする観測を事実上、否定している。
ロシアはウクライナ国境付近での軍備増強や、ウクライナに接するベラルーシ南部などで行っている同国軍との合同演習について、北大西洋条約機構(NATO)の敵対的活動の増加に対応した措置だと主張。ウクライナ侵攻に備えたものだとする米欧側の見方を否定している。
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