きょう発表された去年10月から12月のGDP成長率は2期ぶりのプラス成長となりました。ただ、新型コロナ感染の再拡大や”供給制約”が大きなハードルとなっています。
群馬県草津町にある動物園。去年、緊急事態宣言が全面解除されたことで草津温泉を訪れる観光客などが増加しました。
草津熱帯圏 今井敏夫園長
「大きな(コロナの)波は来ないだろうという期待感があったんだと思う。ですから、結構お客さんは動き始めていた」
きょう発表された去年10月から12月のGDP=国内総生産。こうした旅行や飲食などの個人消費が増えたことで、「実質」で前の3か月と比べて年率5.4%増加し、2期ぶりのプラス成長となりました。長引くコロナ禍で厳しい経営が続いてきましたが、今年1月は前の年の倍近い客が訪れたといいます。
草津熱帯圏 今井敏夫園長
「去年の状態から見たら同じようにどんどん減るかなと思ったら、そんなに極端でもないまま今きてるということじゃないか。ほっとしてますよ」
一方で、頭を悩ませている問題も・・・
草津熱帯圏 今井敏夫園長
「これがうちの心臓部といいますか、暖房用のボイラーです」
熱帯地域に生息する動物を多く飼育しているため暖房が不可欠で、一部、温泉熱も使っていますがほとんどは重油です。原油価格が高騰していることから、寒い日だと1日の売上の半分近くが暖房代に消えてしまうといいます。
草津熱帯圏 今井敏夫園長
「いやぁ困ってます、高くて」
次の1月から3月期のGDPは、オミクロン株の急拡大で大幅に減速するとの見通しも。原油高に加え、欲しくてもモノが手に入らない”供給制約”への懸念も広がっているのです。
山際大志郎経済再生相
「今後はオミクロン株の感染拡大や世界的な供給制約、資源原材料価格の高騰による下振れリスクに十分注意する必要がある」
なかでも、不足が深刻なのが給湯器です。去年12月の出荷数は過去10年間で最も低い水準に。給湯器の交換を行うこの会社では、取引先に依頼するなどしてなんとか確保していますが、メーカーによっては半年待ちだといいます。
給湯器交換などを行う C&E 宮崎浩二代表
「大打撃ですね。(売上は)前年対比とかを考えると見たくもないような落ち込み。設置件数自体も相当減っているのでなかなか苦しい」
原因となっているのが給湯器に使う半導体やケーブルなどの不足です。大手のノーリツは去年の夏、ベトナムでのロックダウンで部品工場が完全停止。半導体不足は乗り切ったものの納期の遅れに大きく影響したと話します。
ノーリツ コーポレートコミュニケーション部 桐野江朋子さん
「昨年弊社70周年を迎えたが、創業以来70年の中で一番大きな危機。1日も早く復旧に向けて全社取り組んでいる状況」
供給制約はゲーム機やタブレット端末など多岐に及んでいて、個人消費の足を引っ張っています。日本経済がV字回復するにはまだまだハードルがありそうです。
(15日16:50)
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