緊張するウクライナ情勢をめぐりロシアは部隊の一部撤収を発表しましたが、アメリカやNATOは警戒を緩めない姿勢を強調し、ロシアへの圧力を継続する構えです。
アメリカ バイデン大統領
「ロシア軍部隊が本拠地に戻る動きは、まだ確かめられていない」
ロシア国防省は15日、軍事演習を終えた部隊の一部が撤収を開始したと発表。しかし、アメリカのバイデン大統領は、「今も15万人以上の部隊がウクライナを取り囲んでいて、侵攻ははっきりと可能だ」として、警戒を緩めない姿勢を示しました。また、NATO=北大西洋条約機構のストルテンベルグ事務総長も、「ロシア軍の減少の兆候は何もみられない」として、慎重な姿勢を崩していません。
一方、ウクライナのゼレンスキ―大統領はビデオ演説で、「2月16日が侵攻の日だとの情報を得た」と述べていて、首都では緊張が続いています。
記者
「キエフの日本大使館です。すでに大使館員の退避が始まっているということです」
こうした中、ウクライナ東部を実効支配する親ロシア派勢力に関する情報が相次いでいます。ロシア下院は15日、ウクライナ東部の親ロシア派が主張する「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」を独立国家として承認するようプーチン大統領に求める決議案を採択しました。
一方、ドイツのショルツ首相はモスクワでプーチン大統領と会談。タス通信によると、ショルツ氏は、会談後の会見で親ロシア派が実効支配する東部地域に「特別の地位」を付与するため、ゼレンスキー大統領が憲法の改正などについて、国内で議論することを約束したと述べたということです。
(16日11:18)
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