緊張が高まるウクライナ情勢。ロシアによる侵攻が16日にも行われるという情報もあり、現地で暮らす日本人にも大きな影響が出ています。
ウクライナの首都・キエフに住む寺田宜弘さん。いま決断を迫られています。
ウクライナ・キエフ在住 寺田宜弘さん
「私は戦争は始まらないと祈っているが、日本の外務省、日本大使館からできるだけ早くウクライナの国を出てほしいと」
バレエに携わり、30年以上暮らしたウクライナですが、一時的に国外への退避を決めました。
ウクライナ・キエフ在住 寺田宜弘さん
「私にとっては非常に悲しい出来事。本当のことを言うと今のような政治は8年間続いている」
ずらりと並ぶ軍用車両。ロシア軍は、ウクライナ国境周辺に部隊を集結させ、圧力を高めています。
ウクライナ ゼレンスキー大統領
「私たちは2月16日が侵攻の日だとの情報を得ています」
緊張が高まる現地では。
記者
「キエフの中心街です。車は普通に走っているようにみえますが、ここ数日で交通量はずいぶん減ったということです。そして警察官の数が増えています」
日本政府は、およそ150人の在留邦人に国外退避を強く呼びかけていて、大使館の職員もすでに退避を開始しています。
キエフ市民(65)「怖いですが、ウクライナ軍に期待しています」
キエフ市民(19)「侵攻の恐れはないと思います。侵攻したいならもっと前にしていたはずです」
15日夜、岸田総理はウクライナの大統領と電話で会談。ロシアがウクライナに侵攻した場合は、「ロシアへの制裁も含め、国際社会と連携して適切に対応していく」考えを示しました。
ロシアの動きにアメリカが警戒を強めていますが、プーチン大統領は欧米との協議を現段階では続ける構えです。そして、ロシアは15日、軍事演習を行っていた部隊の一部を撤収させることを発表しました。
ロシアの侵攻が懸念される中、複雑な思いを抱える元兵士の女性がいます。3年前、ウクライナ東部の紛争で夫は戦死しました。
元兵士の女性(36)
「ごめんなさい。夫が亡くなったことを信じられませんでした」
当時、女性は妊娠4か月。夫は子どもの誕生を心待ちにしていたといいます。
夫の死後、娘を出産。女性は妊娠を機に兵士をやめましたが、いま軍に戻ることを考えています。
元兵士の女性
「ロシアは侵攻するかも知れません。望まれれば娘を預けてでも戦闘に参加します」
現在3歳の娘はおしゃれ好きで、元気いっぱいの子に育っています。女性は娘の幸せのためにもロシアが侵攻しないことを願っています。
元兵士の女性「娘はパパはどこってよく聞きます。パパはどこ? パパはお空だね。誰と一緒?」
娘「天使と一緒」
(15日23:52)
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