【北京=桑村朋】4日夜に北京の国家体育場(通称「鳥の巣」)で開かれた北京冬季五輪の開会式で、クライマックスシーンである聖火リレーの最終走者を務めたのは、ともに中国代表選手のノルディック複合男子、趙嘉文(21)とクロスカントリースキー女子のウイグル族、ディニガル・イラムジャン(20)だった。
少数民族を起用することで国際社会からの人権問題批判を抑え、「民族融和」や「平和の祭典」をPRする狙いがあったとみられる。
会場に到着した聖火は、複数の中国人元アスリートらによってつながれた。「1960年代、70年代」という風に生まれが早い人から順番につなぎ、2000年代生まれの最終走者2人にバトンタッチ。会場中央で雪の結晶を模したモニュメント内で聖火が灯された。
聖火リレーは2日に北京市内を出発。世界遺産「万里の長城」で知られる「八達嶺長城」(北京市延慶区)や、五輪会場の河北省張家口市のスキー場などをめぐり、4日に開会式会場に到着していた。
開会式の演出は2008年の夏季五輪に続き、著名映画監督の張芸謀(チャン・イーモウ)氏が担当。中国メディアの取材に「点火方法や聖火台は、五輪史上で見たことがないものになる」と話していた。
最終走者をめぐっては、中国の元副首相に性的関係を強要されたと告発したプロテニス選手、彭帥(ほうすい)さんが担うとの噂も一部で飛び交ったが、起用はなかった。
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