バイデン米大統領とプーチン露大統領は7日、オンライン形式で会談し、ロシア軍による侵攻の懸念が強まるウクライナ情勢などを協議した。米ホワイトハウスの発表などによるとバイデン氏は、ロシアがウクライナ周辺での軍事行動を強化していることに「深い懸念」を表明して緊張緩和を呼びかけ、ロシアが侵攻に踏み切れば同盟国とともに強力な経済制裁などを科すと明言。両首脳は、それぞれの外交・安保チームが協議を継続することで一致した。
会談は約2時間に及んだ。バイデン氏はウクライナの主権と領土保全への支持を改めて強調し、ロシアは外交的な解決に立ち戻るべきだと主張。プーチン氏は事態悪化の原因は北大西洋条約機構(NATO)にあるとの立場を崩さず、議論は平行線をたどったもようだ。
会談を受けてサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は7日、ロシアがウクライナに侵攻した場合の措置として、経済制裁のほかに、ロシアに近接するポーランドやルーマニア、バルト3国などのNATO加盟国への米軍追加配備や、ウクライナへの防衛装備の追加供与を検討していると説明した。
バイデン氏は会談後、前日に続いて英仏独伊の首脳と電話会談し、今後の対応を協議。9日にはウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行う予定だ。
露政府の発表によると、プーチン氏は会談で、NATOのさらなる東方拡大や露国境付近への兵器配備を行わないとの保証を要求。これについてサリバン氏は「バイデン氏は譲歩や妥協はしなかった」と述べた。
両首脳はこのほか、核軍備管理などを協議する米露の「戦略的安定対話」や、露ハッカー集団によるランサムウェアを用いたサイバー攻撃、核問題をめぐる協議が続くイランなどの地域情勢についても協議した。
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