医療ひっ迫 仮設のコロナ病棟 重症患者を移動 緊張の現場

埼玉県で、新型コロナウイルス患者の治療にあたる羽生総合病院。

羽生総合病院・高橋暁行副院長「こちらが1月1日から稼働しております、感染症病棟です。コロナ専用の病棟となっております」

病院の駐車場にずらりと並んだプレハブの建物は、全て新たに設けられたコロナ患者専用病棟。

元日に行われたのは、一般病棟に入院するコロナ患者を、専用病棟に移す作業。

入院中の患者をこうして移動させるのは、異例のことだという。

ベッドの上で、ぐったりとする重症患者。
人工呼吸器などを着けたまま、エレベーターで1階に向かう。

1人の患者に対し、医療スタッフは5人がかり。

エレベーター内には、患者の命をつなぐ医療機器の作動音が響く。

一般病棟の廊下を抜け、外に出たその時、機器のアラームが鳴り、急きょ、移動を停止。

アラームが鳴り続ける中、スタッフが冷静に対応する。

確認作業を無事に終え、移動再開。

駐車場を抜けた先が、新設された専用病棟。

作業開始から、およそ7分で、移動は完了した。

この日、専用病棟に移った患者は、重症者4人を含む26人。

この専用病棟の新設で、病院のコロナ患者病床は、28床から80床に大幅に増えた。

院内感染などのリスクを、最小限に抑えながら行われた異例の移動措置。

無事に終えたことによる意義は、極めて大きいという。

羽生総合病院・高橋副院長「28床だったときは、通常に医療を必要としている方が押し出されてしまう。病院の外にベッドを出して数を広げてあげないと、両方見ることはできない。両方とも救わなければいけない。医療崩壊を絶対、防がなくてはいけない」

東京都で新たに確認された感染者は、過去2番目に多い1,278人。

医療崩壊への危機感は、コロナ患者の搬送現場でも高まっている。

民間救急サービスでは、年明け以降、連日、8人から9人のコロナ患者を搬送。

この日、都内の住宅街から乗り込んだのは、20代の男性。

20代男性「まさか身内で、自分が最初に出るとは思ってなかった。祖父母たちと集まる予定はあったんですけど、報告してすぐ(集まりが)なくなったので良かったですよ」

コロナ患者の搬送にあたる運転手は、日々の業務を通して、医療危機の広がりを実感していた。

民間救急フィール・齊藤学代表「今までであれば比較的、自宅近くの病院に収容できていたものが、最近はそういうところも埋まってきているのか、多摩地区から23区内への移動というのもかなり増えてきているので、病院のひっ迫というのは身近に感じているところです」

(2021/01/05)

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