会社員の夫が亡くなった場合の遺族年金のイメージ 結局、もらえる金額はどうなるの?

遺族年金はとても複雑な制度ですので、一度にすべての内容を説明することはできません。、

なので今回は、会社員の夫が亡くなった場合に、トータルで受給する遺族年金額がどのように変化するのか、ということを一つのケースを見ながら、解説したいと思います。

で、今回のモデルケースですが、亡くなった会社員の夫の年齢は35歳、妻は専業主婦で32歳、子供は1人で8歳という想定です。

このケースでは、遺族年金の種類が時間の経過と共に変わってきますので、その結果、毎年トータルで受け取る金額も変わってくるという事になります。

ざっくり説明しますと、遺族厚生年金は妻が死ぬまで一生受取ることができます。

ですが遺族基礎年金は、一生もらえるわけではなくて、途中で終わります。

その代わりに、中高齢寡婦加算というものを受け取ることができます。

ところがこの中高齢寡婦加算も、妻が65歳になるとうちきられ、その後は、妻自身の老齢基礎年金(年間約78万円)を死ぬまで受け取ることになります。

もう少し詳しく説明しますと、まず、会社員の夫が亡くなった場合、子供がいれば遺族厚生年金と遺族基礎年金の両方が支給されることになっています。

逆に言えば、子供がいない場合は遺族基礎年金は支給されないという事になります。

またたとえ子供がいても、子供の年齢が18歳を超えている場合は、遺族基礎年金は支給されないということになっています。

さらに遺族厚生年金には、特殊なルールがあって、夫死亡時に妻の年齢が30歳未満で、なおかつ18歳未満の子供がいない場合は、遺族厚生年金はたったの5年間のみの支給になっています。

しかし、妻の年齢が30歳未満でも子供がいる場合は、遺族厚生年金は一生支給されるということになっています。

つまり若い妻の場合、子供の有無が将来受け取る年金額を大きく左右するということになっているんですね。

次遺族基礎年金の金額ですが、これは子供の人数によって変わってきます。

基本額は年間で78万円ですが、これに子供の加算があります。

但し遺族基礎年金は、子どもが18歳到達年度の末日に達した時に終了することになっています。

その後は、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算を受け取ることになりますが、その金額は年間で約59万円となっています

但し、中高齢寡婦加算は、妻の年齢が40歳を超えている事が条件になっていて、妻が65歳になると加算は停止します。

なお、中高齢寡婦加算は、夫の死亡時に子どものいない40歳~65歳の妻も一定の要件を満たしていれば、加算されることになっています。

最後に遺族厚生年金ですが、これの金額は、亡くなった夫が受け取るはずだった老齢厚生年金の約4分の3ということになっています。

夫が受け取るはずだった老齢厚生年金の金額というのは、給与や賞与の金額及び勤続年数で計算されるので、当然のことながら年収が高く、長く働いた方の方が、遺族厚生年金の金額が多くなるということになります。

なお、若い年齢の夫が亡くなった場合は、勤続年数が短いので、当然、老齢厚生年金を計算すると、金額が少なくなるのですが、実はこんな決まりがあります。

それは、「厚生年金の被保険者期間が300月に満たない場合は300月とみなして計算する」ということです。

つまり、夫が会社員として勤務した期間が25年未満の場合は、25年間勤務したものとして、老齢厚生年金を計算するということですね。

ですから、勤務期間が短い人が亡くなった場合でも遺族厚生年金の金額はそれなりにもらえるということなります。

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