【解説】PCR検査と抗原検査の違いとは? 無料検査を東京で受ける方法

私たちの身近に迫ってきているオミクロン株。急にコロナの検査を受けたいと思ったとき、どうしたらよいのでしょうか。検査会場の調べ方、検査の際の注意点など、東京都が実施している無料検査について詳しくお伝えします。またPCR検査と抗原検査では何が違うのか、その精度・対象・検査体制・所要時間について、専門家とともに比較します。

■都内274か所で無料検査可能

井上貴博キャスター:
発症した人が速やかに検査を受けられる体制が大前提にはなりますが、検査体制はどうなっているのでしょうか。
東京では開始から約1か月が経った無料検査ですが、受ける方法はというと・・・。

▼対象者:発熱など症状なし、感染の可能性に不安を抱える都民など
▼検査:PCR検査と抗原定性検査の2種類
▼期間:2月13日まで(一部対象者は3月31日まで)

東京都のホームページでは一覧でとてもクリアに見られます。場所は「薬局・民間検査施設など274か所」(1月24日時点)です。検査ができる場所も増えていっています。地図上のチェックがついた箇所にカーソルを合わせると「どういう状況なのか、何時から何時までやっているか」等詳細が出てくるという形です。

検査の注意点としては、
▼場所によっては要予約・土日祝休み
▼身分証明書の提示が必要
▼30分前から飲食・うがい・歯磨きは禁止
▼結果は数日後の場合も
などがありますが、検査機関によっても変わってきます。

この無料検査を利用した方の声を一部抜粋しました。

「当日昼に予約して検査。深夜には結果がわかった。思ったより楽でスムーズ」
「どこも予約でいっぱい。結局有料の検査を受けることに。痛い出費」
「東京都のホームページを頼りに数軒回ったがどこも抗原検査キット在庫切れ」

薬局でも抗原検査キットの在庫がないというところもかなり出てきているようです。

■自治体でも無料の検査場を開設

自治体ごと、例えば東京都杉並区が1月24日に無料のPCR検査場を開設しました。「桃井原っぱ公園 仮設会場」です。1月24日から2月20日まで無料でPCR検査を受けられるということです。このプレハブの施設は元々何のために作られたのかというと、ワクチン接種会場でした。2021年はここでワクチン接種を行いました。そして2022年3月以降に3回目の接種会場になるのですが、空いた期間を検査場として活用していきます。検査対象は都民で1日100件を予定しています。専用サイトより事前予約が必要です。

他の場所でも動きが出てきています。東京都世田谷区での抗原検査キット無料配布には行列ができています。期間は1月21日から2月22日。二子玉川公園など3か所で無料配布しています。ここの対象は区内在住・在勤・在学の人、あとは同居家族分含め1人上限3個まで。配布時間前に整理券がなくなることもあるということですが、期間中に4万キットを配布する予定です。2月1日から28日に区内の薬局でも20万キット配布予定ということです。

基本的に東京を中心に伝えてしまいましたが、それぞれの区・市で様々な対応が行われていますので、情報を取っていただければと思います。

■PCR検査と抗原定性検査の違いは?

▼PCR検査
・精度が高い
・無症状でも使用可
・検査に機器等が必要
・所要時間は1時間といわれているが2~3時間かかることも

▼抗原検査(定性)
・体内ウイルス量が多い場合は精度が高い
・無症状者には推奨されず
・簡易キット等を使用
・所要時間は15~30分

より精度の高いしっかりとした検査はPCR検査。広く網の目をかけるということであれば抗原定性検査と言われています。また無症状者がどれだけ検査を受けるべきなのか、どこまで掘り起こすべきなのか、症状がある方の検査体制を構築していくためにどうすればいいのか、そういった議論にもなっていきそうですね。

ホラン千秋キャスター:
もちろんPCR検査の方が精度が高いということで体調に異変を感じたときにPCR検査を受けたいなと思っても、例えば予約が取れなかったり、どこに行っても「もう受けられません」と言われてしまったりということもあると思います。そういった場合はどうしたらいいんでしょうか。

東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科部長 寺嶋毅 医師:
症状がある場合は抗原定性検査のキットが手に入ればそれを用いていち早く、万が一コロナの場合は、診断がつくのでいいのかなと思います。

ホランキャスター:
自分に何か症状があると感じても、検査をやっている時間帯にそういう異変を感じるとも限りませんので、それぞれの自治体、住んでいるところがどのような検査の対応をしているのか予め確認しておくことは大切ですね。

田中ウルヴェ京 メンタルトレーニング指導士:
本当にその通りで、PCR検査がベターではありますよね、特に無症状のときにはPCR検査の方がわかりやすいということですから。今後濃厚接触者の対応をどうするかということにはなろうかと思いますが、このシステムが変化していくはずなので、随時それをしっかり見ていかないと、本当の意味での予防ができないなと感じます。

井上キャスター:
無症状者の掘り起こしも大切で、でもこれに躍起になりすぎると、本来必要な症状のある方の検査体制が回らなくなって本末転倒ではないかとも言われています。無症状者の検査について寺嶋先生はどんなご意見ですか。

寺嶋医師:
おっしゃる通りです。優先順位は症状のある人、次に濃厚接触者、その次に濃厚ではないが接触したり、会合に参加した人、そして経済を回すためやイベント前の検査、となると思います。特に無症状の人の検査をどこまで、というのは、例えば濃厚接触者は陽性の確率が高いですし、そこからまた連鎖ということがありえますから、そこまでは(やりたいところです)。もちろん本当は全ての検査ができるぐらい拡充し、いろんなところで取れれば良いですが、今は陽性者が増えていますから、きちんと優先順位をしっかりして、より必要な人が検査を受けられるようにすることが大事だと思います。
(24日17:51)

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