「いつ誰が感染してもおかしくない」と言われる新型コロナのオミクロン株は、子どもたちの間にも広がっています。濃厚接触者に認定されただけでも保育園に預けられなくなり、保護者にも大きな影響が出てきます。子どもたちの異変に気付くためにはどうすれば良いのか。また、感染後に自宅療養になった場合にどう備えれば良いのか、専門家に聞きます。
■10歳未満の新規陽性者が増加
井上貴博キャスター:
今年の1月1日から26日までの10歳未満の新型コロナウイルス新規陽性者数です(都HPより)。1月1日は6人でしたが26日には1829人まで増えています。全体の陽性者数が増えれば10歳未満の陽性者数も増えていく。そしてこの年代が増えると濃厚接触者認定で保育園で働く方がなかなか出勤できないということになって、1月20日時点で全国の全面休園の保育所等が327か所となっています。子どもを預けられないと親御さんも仕事に出られない。やはり社会的な影響が大きいわけです。
■子どもの症状は?
オミクロン株疑いの12歳未満の軽症状者110人について調べた福井県のデータです(1月24日発表)。
発熱(37.5度以上) 34.7%
せき 15.7%
頭痛 12.8%
のどの痛み 鼻水・鼻づまり 11.6%
全身けん怠感 6.6%
味覚障害 0.0%
発熱が多いです。せき、頭痛、喉、鼻水。大人の症状と近いのかなという気がします。味覚障害は110人の中では1人もいなかったということがわかっています。
小児感染専門医で国立病院機構三重病院院長の谷口清洲医師に話を伺うと「子どもは軽症が多い。しかし中には食事ができないほどののどの痛みが3日程度続くケースもある」ということで、このあたりも大人と近い症状ということがわかってきています。
ホラン千秋キャスター:
保護者が子どもたちの異変に気付くためには、どんなところを敏感に感じ取ったらいいと思われますか?
国際医療福祉大学 感染症学講座主任教授 松本哲哉医師:
一言で言うなら“いつもと違うということ”ですよね。もちろん熱が出たりなどの何か具合が悪そうな症状がはっきりわかっていたらそれはもう“検査を受けた方がいいだろうな”と思うかもしれませんが、本当に軽い場合はそこまではっきりした症状が出ない。例えば熱もあまり出ていないけど、なんとなく普段よりもあんまり食べないとか、少しぼーっとしているとか。本当にはっきりしないような症状でも、親から見たらなんとなく普段と違うな、ということを捉えて、それが最初の気づく段階だったりすることはあると思います。
ホランキャスター:
軽症が多いとはいえ、子どもだからこそ気をつけなければならないというところもありますか。
松本医師:
お子さんといっても、やっぱり中には持病がある方もおられます。そういう持病が悪化する場合もあるわけですね。特に呼吸器系のぜんそくだとか、いろいろあったりしますので、持病があるお子さんは特に注意深く、慎重に見てあげた方がいいと思います。
■家族や自分が自宅療養者になったら
井上キャスター:
自宅療養についてです。
東京の療養者数(1月25日時点・都HPより)は
宿泊療養 2566人
自宅療養 3万8312人(過去最多)
調整中 3万1030人
となっています。検査陽性者が増え、入院基準にならない方は自宅で療養していただくということになりますので、自宅療養者が増えていくのは当然なんですが、いつなってもおかしくないということでどんなことを心がけておくべきなんでしょうか。
<家族や自分が自宅療養者になったら(都の自宅療養者向けハンドブックより)>
・全員マスクを着用し部屋を分ける
・看病する人は1人に限定
・こまめに手洗い・換気
・タオルや食器など共用は避ける
理想論はわかっていてもなかなかこれを実行するのは難しそうです。しかも感染者の場合は発症から最短10日で復帰可能ですが、家族など隔離が難しい同居者が発症した場合、最大20日の隔離期間が求められます。
■自宅療養に備えて何を準備?
ではどのように備えておくべきなのでしょうか。
東京都はホームページで「事前に最低1週間分の食料品&日用品を準備してください」と呼びかけています。具体的には、
【食料品】
・水分補給ができるもの(経口補水液、ゼリー飲料など)
・体調がすぐれないときでも食べやすいもの(レトルトおかゆ、パックごはんなど)
・調理不要で簡単に食べられるもの(レトルト食品、缶詰、インスタントみそ汁など)
【日用品】
・ティッシュペーパー
・ごみ袋
・トイレットペーパー
・常備薬
・解熱鎮痛薬
・洗剤、手洗いせっけん
など。食料品は1週間分を、日用品は2週間分を目安に、ということです。
■無症状者向けの宿泊療養施設が開設
東京では無症状者向けの宿泊療養施設が開設されました。25日、東京・千代田区に開設されたこの施設は無症状で家庭内感染の可能性がある人が対象となります。トレーニングルームやテレワークができる個室ブースなどの設備があります。規模は約350床、26日時点ですでに16人入所しています。希望者は、保健所の聞き取りをもとに東京都が調整を行います。ですが、今保健所がなかなか繋がりにくい状況になっていますので、ここも時間がかかってしまうのかな、と想像できます。小池知事によりますと、立川にも同様のスペースを作っているとのことで、無症状者向け施設は合わせて1000床程度にはなるとのことです。
こういったところもお子さんがいる家庭だと、子どもを置いて自分だけ入ることは難しいですので、使い勝手が良い方とそうではない方にはわかれそうです。
■事前に家族で話し合うことも大切
ホランキャスター:
1週間分用意した方がいいものリストの中で、これ意外とないなあというものはありましたか?
食べチョク代表 秋元里奈さん:
ティッシュペーパーとかはあるんですけど、水分補給ができるようなものや、いわゆる風邪のときに食べるようなものは都度都度買いに行っているので意外とないかなというのがあるので、こういったものは買っておく必要があるかと思います。
本当にいつなってもおかしくないので、自分がいつなっても大丈夫なように用意するのもそうですし、ご家族と実際なったときにどうするかといった話もしておく必要があるのかなというのを感じますね。
ホランキャスター:
その時が来たときにいろいろ話し合うのでは、もしかしたら遅い可能性があるということで、日頃から家族で話し合うことも大事ですね。
松本医師:
準備をしておくということが大事だと思います。誰が感染してしまうかわからない状況の中で、例えばご家庭の中でも重症化しやすいリスクを持っている方はきちんとその人を守らなきゃいけないし、あるいはそれ以外にもどうしても仕事で出ていってる人たちの方がリスクが高いかもしれません。
もし感染したらどうするか。部屋を分けるんだったらどういうふうにするかといったことなどは、ある程度話し合っておく。また、必要なものを準備しておくということが大事だと思います。
(26日17:42)
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