出典:EPGの番組情報
ガイアの夜明け【ワクチンの真実3 独占取材!“国産開発”の全貌】[字]
日本でワクチンを接種した人が1億人を突破。期待された国産ワクチン・治療薬開発はどうなっているのか?来年以降、日本経済の浮沈のカギを握る製薬会社を独占取材!
詳細情報
番組内容
新型コロナウイルス征圧の闘いに挑み続けているニッポンの製薬メーカーや開発者たち。
ガイアはパンデミックが始まった当初から追い続けてきた。第5波が収束、第6波への備えが求められる中、国産ワクチン・治療薬の実用化に向けた大きなステップが年末にやってくる。最前線の開発状況を独占取材で伝える。世界各国でワクチンの需要が高まる中、今後も海外から安定的に供給され続けられる保証はない。
続き
ワクチン・治療薬の開発能力がその国の経済活動を左右する時代に突入したのだ。「国産」の開発・実用化はニッポン経済を大きくチェンジする切り札となるのか?拡大版で送る。
出演者
【案内人】松下奈緒【ナレーター】眞島秀和
音楽
【音楽】
新井誠志
【テーマ曲】
◆オープニング曲
「鼓動~ガイアの夜明け」(作曲/岸利至)
◆エンディング曲
「夜明けのうた」(宮本浩次)
「ガイア」とは
ギリシャ神話に登場する「大地の女神」を意味し、後にノーベル賞作家のウィリアム・ゴールディングが「地球」を指して“ガイア”と呼んだことから「ガイア=地球」という解釈が定着している。「ガイアの夜明け」という番組タイトルには、地球規模で経済事象を捉えることで21世紀の新たな日本像を模索すること、そして低迷する経済状況からの再生=「夜明け」を目指す現在の日本を描くという意味合いが込められている。
関連情報
◆ホームページ
www.tv-tokyo.co.jp/gaia/
◆公式Twitter
@gaia_no_yoakeジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
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- 赤畑
- オミクロン株
- ガイア
- コロナ
- コロナウイルス
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
テレ東経済WEEKの
『ガイアの夜明け』は
日本人の1億人近くが接種した
新型コロナワクチン。
しかし 打っているのは
いまだ 外国産のワクチン。
いったい いつになったら
国産を打てるのか?
「ガイア」は 現在開発を進める
日本のワクチンメーカー全社を緊急取材。
ワクチン開発は 今どの段階で
有効性は どれくらいなのか。
入った チューブになります。
一方 次々と突然変異を繰り返す
コロナウイルス。
今 オミクロン株の脅威が。
「ガイア」独占! アメリカで
ファイザーの最高幹部を直撃。
そして 重症者 死者を
増やさないために必要な
治療薬も取材。
天才科学者が動き出していた。
10月下旬 ここは
宮崎県にある コールセンター。
聞き耳を立ててみると…。
(呼び出し音)
国産ワクチン試験の
事前募集ということで
すでに 満席のためということで。
東京のほうが 今 もう
満席になってしまいまして。
すみません ちょっと 今回も
何万人という方から
応募がありまして。
ん? なになに?
もう1回 聞いてみましょう。
国産ワクチン試験の事前募集と
言っていますね。
そう 実は これ
コロナの国産ワクチンの臨床試験に
参加したいという人からの電話。
薬の承認を得るには
人に投与して 試すことが必要で
これを 治験と呼びます。
多い日には 1日70件以上もの
問い合わせがあるといいます。
こちら 田中秀昭さんも
国産ワクチンを希望する 1人。
その訳は?
ついていってみると
病院に入っていきました。
奥のところですね
掛けて お待ちください。
田中さんの他にも
待っている人たちが
たくさんいます。
皆さん 目的は一緒。
この日は ある 国産ワクチンの
治験の初回。
打ってみて どうですか?
これがね きちっとね
田中さんが 治験に
参加するために応募したのが
この 生活向上WEBというサイト。
96万人以上 会員がいます。
不眠症や便秘の治療薬といった
治験の募集もありますが…。
なかでも 今
応募者が殺到していたのが
国産コロナワクチンの治験でした。
負担軽減費という名目で
1回につき 7, 000円から1万円が
支払われます。
この募集サイトを運営するのが
創業16年の こちらの会社。
国産ワクチンを待つ人々の反響に
代表者は驚いていました。
さて 国産のコロナワクチンの治験に
参加している
田中秀昭さんに お話を
伺いたいと思います。
田中さん
よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
実は 田中さん もう 本当
ついさっきですか?
今日が その
治験の2回目の接種を
終えたばかりという
ことなんですけれども
体調のほうは いかがでしょうか?
はい 今日…。
あっ そうですか
その 接種以外で 何か
検査とかっていうのも
されたんですか?
はい 接種前にですね
しっかりと
やっぱり いちばん気になるのは
田中さんが どうして
この治験に参加されようと
思われたのかなっていう
ところなんですね。
はい。
えっとですね 自分はですね
すごく
本当に生死をさまようような
ところで
搬送された病院のほうが
非常に医療設備が充実してた
っていうふうなところもあって
ちょっと
っていうふうな
感じなんですけどね。
現在 開発中の国産ワクチンは
主に5つ。
実は 作り方も それぞれ違い
しのぎを削っています。
赤畑さんは
京都大学大学院を卒業後
アメリカへ。
国立衛生研究所で
最先端のワクチンを
研究していました。
そして その後
現地でワクチンベンチャーを立ち上げ
新しい技術を使い
がんやマラリアのワクチンを
手がけていましたが…。
今回 コロナワクチン開発のために
日本法人を立ち上げました。
なぜ そうしたのかというと…。
やっぱ
赤畑さんが作った ワクチンは
最大の特徴は この
ペットボトルの水と ほぼ同じ量
127グラムあれば
日本人全員に接種できるのです。
通常 ワクチンは
体の中に入ってきた異物を
除去する 抗体を作ります。
しかし レプリコンは
抗体を作るだけでなく
体の中で ワクチンそのものが
増える機能を
持っているのです。
ワクチンが増えるということは
多くの抗体を
作り出せるということ。
これにより 接種する量が
少なくて済み
副反応の恐れも低くなるのです。
また 自己増殖したワクチンは
およそ1ヵ月で
体内から消えるため
いつまでも増え続けるという
危険もありません。
頑張ってます。
赤畑さんは 厚生労働省へ
頻繁に足を運んでいます。
国も この レプリコンワクチンに注目。
この夏 厚労省は
赤畑さんの会社 VLPTジャパンに
143億円の支援を決定。
開発を後押ししています。
すでに 富山県に
ワクチンの生産工場を確保しました。
ありがとうございます。
早朝の都心を走る
赤畑さんの姿がありました。
このころ ランニングの途中に
日課となっていることが。
10日後に迫っていた
レプリコンワクチンの治験。
その成功を祈っていたのです。
あんまり その べつに…。
治験は 専門の施設を持つ
大分の大学病院で行われることが
決まっていました。
病院では…。
(スタッフ)このメールは
なんのメールなんですか?
なんと 問い合わせが100件以上も。
東京や大阪からも
希望者がいました。
ワクチンの治験は
承認までに3段階あり
これをクリアしていかなければ
なりません。 VLPTジャパンは
最初の治験を
始めようとしていました。
10月12日 治験当日。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
赤畑さんも到着。
いよいよ レプリコンワクチンが
初めて人に打たれます。
しかし…。
すみません…。
治験は 準備段階から
すべて撮影は禁止。
取材クルーはおろか 赤畑さんでさえ
現場には立ち会えません。
成功を祈って待つのみです。
5 4 3 2 1…。
はい。
この日 選ばれた2人の治験者に
レプリコンが接種されたのです。
気分 悪くないですか?
ありがとうございました。
あっ よかったです。
重篤な副反応は見られず
ひと安心の赤畑さん。
次世代国産ワクチン 一歩前進です。
大分大学病院では その後
およそ40人に
レプリコンが接種されました。
これまでに体調不良など
重大な影響は報告されていません。
治験の結果は現在
専門機関で解析されています。
日本のワクチン開発拠点の1つ
医薬基盤研究所。
ここで詳しく調べているのが…。
この 先のほうに溜まった白い塊。
レプリコンを打った人の免疫細胞
白血球の塊です。
来年の春には 海外も含めて
3, 000人規模の治験が
予定されています。
国内では 東京や大阪などで
行われる予定です。
10月27日。
東京で
感染症について話し合う会議が
開かれていました。
出席者の中には
塩野義製薬の手代木社長。
そして
国産ワクチンの開発をけん引する
大手製薬会社のトップたち。
なかでも 気を吐いていたのが…。
「ガイア」は 塩野義のワクチン開発を
当初から追い続けてきました。
去年7月
塩野義が初めて明かした映像。
開発中の組換えタンパクワクチンです。
これは
コロナウイルスの遺伝子の一部をもとに
昆虫の細胞で
タンパク質を培養するもの。
インフルエンザワクチンなどで
すでに実績がある手法です。
塩野義は 年内に
3段階目の最終治験に入り
来年3月までの供給開始を
目指しています。
国産ワクチン第1号の有望株。
手代木社長は
「ファイザーやモデルナほどの
高い効果があるかは分からない」
としつつも
自信を示しました。
塩野義に負けじと
強い決意で取り組んでいるのが
KMバイオロジクス。
インフルエンザワクチンで
トップシェアを誇る この会社。
ワクチン開発には
経験と実績があります。
着手しているのは
ウイルスをもとに作る不活化ワクチンです。
これは 培養槽と呼ばれる大型タンク。
中には
動物由来の細胞が入っています。
この細胞にコロナウイルスを感染させ
大量に増やしていくのです。
そうして増やしたウイルスを
薬剤で無毒化。
不純物を取り除く
精製の工程を経て
ワクチンにします。
人に投与すると
体の中で抗体が作られ
ウイルスへの感染を
防ぐことができるのです。
そういう意味からすると…。
ワクチン開発の知られざる裏側。
「ガイア」は
10ヵ月におよぶ密着取材で
それを つぶさに見てきました。
KMバイオは 去年5月に
コロナワクチンの開発を発表。
それから10ヵ月で
治験用の不活化ワクチンを
完成させたのです。
それを使い…。
4月20日
人に初めて投与する
第1/2相と呼ばれる治験を
取材しました。
場所は
熊本市内にある治験専門施設。
この日は
高齢者を含む成人11人に
ワクチンを投与しました。
治験では 本物のワクチンと
成分が入ってないプラセボと呼ばれる
偽薬を使用します。
有効性や副反応を
比較するために
このような方法をとるのです。
じゃ お薬 入れていきますね。
はい はい…。
どちらを打たれるかは
被験者はもとより
医師にも知らされません。
5月21日。
治験と同時平行で
工場の建設も始まりました。
この日
現場の視察に訪れた 永里社長。
工事の進捗が気になっていました。
ワクチンの承認前にも関わらず
生産設備を前倒しで進める
異例のスケジュール。
そして 6月下旬。
KMバイオの本社では
ワクチンの職場接種が
行われていました。
使われていたのは
アメリカのモデルナ社製ワクチン。
永里さん 自社のワクチンは
まだ承認前のため
打つことができません。
思わずもれた 本音。
永里さん
決意を新たにしていました。
私自身も。
二の矢 三の矢を放って…。
そう思ってます。
3月から始まった
第1/2相の治験。
その半年後に分析結果が出ました。
果たして
どうだったのでしょうか。
210人に対して行われた治験で
開発中のワクチンの一定の有効性と
安全性が確認されたのです。
これでも 普通では
ありえない速さでの開発スピードです。
KMバイオでは 更に規模を拡大して
第2/3相の治験に進みます。
そして 10月29日 その当日。
治験が行われる病院では
薬剤師が準備に追われていました。
今回は 偽薬は使わないで
開発中のワクチンを
参加者全員に投与するといいます。
熊本をはじめ…。
参加者の1人…。
市内で飲食店を営んでいます。
自治体での接種の予約が
殺到するなか…。
KMバイオの治験が始まるのを
待っていたのです。
そして いよいよ…。
手先 しびれたりしてないですか?
大丈夫です。
じゃあ 薬入れていきますね。
はい。
この日 中野さんを含め
接種した人に
熊本市内にある飲食店。
中野さんのお店です。
実は 中野さん…。
体調は どうでしょう?
実用化まで あと1歩。
ここで あの人が動きました。
10月25日 この日
記者説明会の壇上に 永里社長が。
発表されたのは…。
やはり
それは…。
ワクチン承認までの
新たなロードマップも発表。
他社にはない 大胆な
戦略を打ち出した 永里さん。
国民 接種する側もされる側も
その やっぱり…。
そんなさなか 新たな脅威となる
変異ウイルスが 出現しました。
今や 世界中で急速に
感染が拡大する
日本国内でも 11月末に…。
オミクロン株は 新型コロナウイルスの感染に
関わる部分に
30ヵ所以上の変異があるもので
現在 世界各国で
分析が進められています。
すでに 日本人の8割が
接種したワクチン。
オミクロン株には
効果はあるのでしょうか。
多くの日本人が打つ ファイザー。
その最高幹部が
「ガイア」の独占取材に応じました。
♬~<先進国の中でも
人口に対する医師の数が少ないこの国>
<増え続ける高度な医療へのニーズに
どうすれば応えられるか>
<キヤノンの医療AI技術は
検査画像のノイズを低減し
短時間で高精度の診断をサポートする>
<患者はもちろん
働く医師の負担をへらしていく>
<ひろげよう まだない視界を>
世界中で感染が拡大する オミクロン株。
多くの日本人が
すでに接種したワクチンは
オミクロン株に
効果はあるのでしょうか。
新型コロナのワクチン開発で
トップを走る製薬大手
その研究部門の最高責任者に
「ガイア」が直撃しました。
ファイザーは このインタビューの直後…。
発表しました。
そんな ファイザーやモデルナ
アストラゼネカなど
欧米企業のメーカーが作った
ワクチンが有名ですが
実は 他にも
いろいろ出てきているんです。
いち早く作ったのは 中国。
先ほどのKMバイオと同じ
不活化で ワクチンを製造。
そして その他では
カリブ海に浮かぶ国
1959年の革命以降
アメリカからの経済制裁で
医薬品の入手が困難となりました。
そのため 長年 医療や
保健の分野に
力を注いできたのです。
新型コロナウイルスのワクチンも 自国で開発。
WHO=世界保健機関には
まだ承認されていませんが…。
中東のイラン ここもキューバ同様
アメリカとの関係が悪いことから
ワクチン調達が
困難な状況となっています。
それもあり イランは
ワクチンの開発を独自に進め
6月には 接種を開始しました。
最高指導者 ハメネイ師も進んで受け
自国ワクチンの安全性を
アピールしたのです。
日本をはじめ 世界各国で進む
ワクチン開発。
その裏側には どんな意図が
あるのか
『日経バイオテク』の坂田編集長に
お伺いします。
よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
まず こちらをご覧ください。
お隣の中国ですけれども
その意味では
ワクチン外交と
いわれていますけれども…。
一方のロシアはですね
どこか 国民の間に
本当に安全なのか
有効性があるのかという
疑念を持たれていてですね
国内での接種率は35%に
留まっておりまして
今も感染者数は 増えていますし
死者も50万人を超えた
というふうに言われております。
ロシア産のワクチンについては
今までのところ
あまり思いどおりには
進んでないということが
いえるんではないでしょうか。
中国とか ロシア
こういう大きな大国ですよね。
それが
ワクチン開発を行うというのは
なんとなく
理解できるんですけれども
キューバとか ベトナムとか
イランといった自国製作の
開発をしていた
ということですよね。
これだけ 各国が自国でワクチン開発も
していくっていうことは
ある意味 この安全保障の
武器というか
いつでもウイルスが来ても闘えるぞ
という その準備段階に
もうすでに入っているっていう
ことですよね。
はい。
この新興国が開発する
そのワクチンの
有効性とか安全性というものは
どれくらいの
ものなんでしょうか?
はい コロナに対する
ワクチンに関しては
こちらは
今年3月から5月にかけ
感染第2波が襲ったインド。
(咳き込む声)
新規感染者が
1日 40万人を超えるなど
医療体制が崩壊しました。
そんなインドですが
実は 今年1月から
国内で製造する
2つの新型コロナワクチンの
接種を始めています。
1つは…。
もう1つは
インドの製薬会社が開発した
純国産のコバクシンです。
これも 中国と同様 不活化ワクチンで
予防の有効性は およそ78%。
どちらも摂氏2℃から8℃で
長期保管できるのが特徴です。
現在 世界で使われている
さまざまな感染症のワクチン。
実は インドは
その6割以上を製造する
ワクチン製造大国。
新型コロナに対しても早い段階で
ワクチン開発に着手していたのです。
国産ワクチンを求め こんな行列が。
10月。
インド北東部の とある街では
建物の外に
長い列ができていました。
新型コロナワクチンの
接種に並ぶ人たちです。
インドには 一部外国製の
新型コロナワクチンも
入ってきていますが
国産が圧倒的に人気です。
11月下旬。
デリーの市場には大勢の人の姿が。
マスクをしていない人も目立ちます。
インドでは現在 新規感染者が
1日 1万人以下まで減少し
街にも活気が戻ってきました。
しかし 人口13億人のインドでは
2回の接種を終えた人は
3分の1程度。
インドならではの課題があります。
ここは ヒマラヤ山脈の麓にある村。
ワクチン接種を行うため
医療従事者たちが
険しい道を進んでいきます。
ワクチンは 荷物運搬用のケーブルで
先に村に送り
人は歩いて谷を渡ります。
こうして
やっと接種ができるのです。
道路や交通機関が
整備されていないインドでは
超低温での管理 運搬がいらない
国産ワクチンが必要でした。
こうしたなか WHOは
インドの純国産ワクチン コバクシンの
緊急使用を承認しました。
すでに 2歳以上への接種に向けた
治験も始まっています。
日本より先行して実用化した
ワクチン製造大国 インド。
国の事情に合わせた
ワクチン開発を進め
コロナの制圧を目指しています。
日本の
その国産ワクチンっていうものが
ちょっと出遅れてしまって
いるんじゃないかなという
指摘もありますけれども それでも
このまま開発をし続けていく。
そこには
どんな意図があるんでしょうか?
はい。
今 足もとのコロナに対して
国産のワクチンが
使えるかどうかというところは
わかりませんけれども おそらく
日本の国内で
大事なことだと思います。
それこそ もうホントに
安全保障の武器というか
その闘うっていうのが コロナと
闘うための武器になるっていう。
とはいえ 国産ワクチンの開発は
容易なことではありません。
当初 日本で
開発のトップを走っていたアンジェス。
開発しているのは ウイルスの
遺伝情報を体内に送るDNAワクチン。
安全性が高く
保管が簡単なことが特徴ですが
日本で承認された
DNAワクチンは まだありません。
ですが 治験で
満足な結果を得ることができず
スケジュールを延期。
現在 ワクチンの使用量を変え
一度 行った治験を
やり直しています。
実用化は 2年ほど遅れる見込み。
これは ある意味ですね…。
一方 今 世界で
一番使われているmRNAワクチン。
実は これと同じ手法で
ワクチンを作っている会社が日本にも。
製薬大手 第一三共です。
極めて今後大きいと思うんですね。
ここは 東京 品川区にある
第一三共の研究施設。
初公開 第一三共のワクチン開発現場。
画面に現れた
なんと これがワクチンの正体!?
(息子)
父さん 引っ越しくらい プロに頼めよな。
(母親)また出掛けちゃったのよ。
これが父さんのお宝…。
あんたのカメラ好きは父さん譲りね。
しかし 風景写真ばっか。
家族でいるより
一人で風景撮りたい人だもんな。
そうでもないのよ。
<かけがえのない「時」を描き出したとき
「EOS」はただひとつの存在として完成する>
<その「EOS」は 世界にひとつだ>
父さん 写真うまいじゃん。
国産ワクチンの開発に取り組む
第一三共。
日本人が一番打っているmRNAワクチン。
その国産の原液です。
ないですね はい。
更に このワクチンを詳しく見ると…。
この赤い粒1つ1つが
mRNAワクチンの粒子。
これが コロナウイルスから
人を守ってくれるんですね。
mRNAを簡単に
おさらいしておきましょう。
直訳すると…。
なんとも難しい言葉ですが
要は設計図です。
コロナウイルスの突起した部分
スパイクタンパク質。
これに
人の細胞が触れると感染します。
mRNAは 毒気のない
スパイクタンパク質を作るための設計図。
注射器を使い
これを体内に入れると
害のないスパイクタンパク質が作られ
人間の体は
これに反応して抗体を作ります。
この抗体が 本物のコロナウイルスが
体に入ってきた際にも働いて
感染を
防いでくれるというわけです。
ここは
埼玉にあるグループ会社の工場。
すでに
生産の準備が始まっていました。
生産拠点の最重要エリア。
企業秘密満載のため この先は
撮影が許されませんでした。
第一三共のトップ 眞鍋淳社長。
同じ mRNAワクチンなのに
なぜ ファイザーやモデルナに
遅れをとったのでしょうか?
中東で流行した MERS。
これも コロナウイルスの一種です。
実は 2016年当時
第一三共は東大と共同で
mRNAワクチンの開発を進めていました。
しかし…。
じくじたる思い。
第一三共は
その当時確立した技術を
今回のワクチン開発に
生かしているといいます。
更に 後発ならではの戦略も
練っていました。
取り扱いがね。
ファイザーやモデルナの場合
超低温で冷凍された状態での
輸送や保管が必要です。
それが現場の大きな負担に
なっていました。
そこで…。
第一三共では 通常のワクチンと同じ
2℃から8℃の温度帯で
取り扱えるよう
目指しているといいます。
今年3月から
第1・2相の治験を開始。
現在は
次の段階へと駒を進めています。
11月下旬
福岡市内の治験専門施設では
第一三共の第2相の治験が
始まっていました。
この日は 3人の被験者に
国産のmRNAワクチンが接種され
重篤な副反応もなく終了しました。
順調に進んでいたプロジェクト
ところが!
現場のリーダーに聞いてみると…。
私たちは…。
オミクロン株の出現で
最終治験に大きな影響が。
海外での実施を
予定していましたが
感染拡大で
不透明になったというのです。
第一三共が総力を挙げるワクチン。
今が踏ん張り時です。
続いては 日本で
第1・2相の治験に臨んでいる
田辺三菱製薬。
しかし このワクチン 実は
カナダで最終段階の
治験に入っているのです。
カナダ東部 ケベック州の州都 ケベックシティー。
カナダは 新型コロナワクチンの接種で
先行している国の一つです。
拠点としているのが
バイオテクノロジー企業 メディカゴ。
2013年に
田辺三菱が子会社化しました。
ここを率いているのが
長尾隆さんです。
ワクチン開発の現場を
案内してもらうと…。
なぜか 植物を栽培する温室に。
育てていたのは タバコの仲間
ニコチアナ・ベンザミアナという植物です。
実用化されれば 世界初となる
植物由来の新型コロナワクチンを
作っているというのです。
まずは この葉っぱで
ワクチンのもとになる物質を作ります。
その物質は 新型コロナウイルスと
形が非常によく似た ウイルス様粒子。
いわば そっくりさん。
ただ 中身は空っぽなので
病原性はありません。
これを 体内に投与することで
新型コロナに対する
免疫反応を引き出すのです。
この葉っぱの中に
新型コロナウイルスの
そっくりさんを作り出すのが
独自技術。
その開発を主導したのが
メディカゴの研究開発部門トップ
ダウスト博士です。
ワクチン開発は ウイルスと外見がよく似た
そっくりさん
ウイルス様粒子の遺伝子を
複製することから始めます。
次に その遺伝子を含んだ液体を
ニコチアナ・ベンザミアナの葉に吸収させます。
この植物には 別の遺伝子を
組み込みやすいという
特徴があるのです。
液体を吸収した葉の細胞に
遺伝子が組み込まれ
その遺伝情報により
新型コロナウイルスのそっくりさんが
作り出されるのです。
研究室には 大量の葉っぱが
運び込まれていました。
研究室で その作り方を
わかりやすく見せてくれました。
切った葉を酵素に浸します。
こうすることで 葉っぱから
新型コロナのそっくりさんだけを
抽出するといいます。
酵素を使って抽出した
そっくりさんを
更に精製すれば
植物由来の
新型コロナワクチンが完成するのです。
植物が ワクチンを
大量に増やしてくれるため
生産コストが比較的安いことも
大きな特徴です。
カナダ政府と 最大7, 600万回分を
供給する契約を結んでいて
すでに
ワクチンの製造も始まっています。
このワクチン
2℃から8℃で管理できるため
保管や輸送がしやすいのも
特徴です。
ワクチンの最終段階の治験は
今年の3月から
カナダやアメリカなど
6ヵ国で実施されました。
そして
そこには 変異株が優勢な環境で
実施した治験で
デルタ株 ガンマ株に対し
それぞれ 75.3% 88.6%の
有効性が認められたと
記されていました。
カナダでは年内に
日本では来年春に
ワクチンの承認を申請する計画で
日本で初めて承認されるワクチンに
なるかもしれません。
そして 国産で期待されるのは
ワクチンだけではありません。
こちらは川崎市の とある会社。
ここで開発されていたのは…。
でかいね。
でかいです。
まあまあ でかいね。
こういうことね。
(スタッフ)これ 何ですか?
そのもの。
日本の切り札となりうる
治療薬。
ワクチン同様
国産が期待されているのが
コロナの治療薬です。
日本では主に
重症者向けのレムデシビルなど
外国産の治療薬に
頼っているのが現状です。
国産があれば 供給されるかどうか
考えなくてすみます。
国内でも開発中ですが
軽症や中等症の人に向けた
飲み薬で
承認されたものは
まだありません。
そんななか 新たな治療薬の
開発を進めているのが…。
設立15年のバイオベンチャーです。
副社長の舛屋圭一さん。
実は 世界的にも
有名な化学者です。
舛屋さんが これまでに作った
薬のひとつが
肺がんの抗がん剤 ジカディア。
日本をはじめ 80か国以上で
承認されていて
何万人もの命を救ってきました。
デスクの横には 科学者として
表彰を受けたものがずらり。
(スタッフ)チャンピオン?
舛屋さんは
東京工業大学大学院を卒業後
日本の化学メーカーを経て
スイスの大手製薬会社に
ヘッドハンティングされました。
肺がん以外にも いくつもの
抗がん剤を開発したのです。
一生に1つ 薬を出せれば
大成功といわれる創薬の世界。
舛屋さんは 日本が誇る
化学者なのです。
新たなチャレンジがしたいと
入社しました。
はいはい。
(ノック)
失礼します。
秘書が持ってきたのは
舛屋さんのお昼。
えっ これですか?
そうですね。
夜まで 何も食べられない日も
多いといいます。
大事なプロジェクトが
佳境を迎えているためです。
(舛屋さん)開けて出して。
見せてくれたのは…。
でかいね。
でかいです。
まあまあでかいね。
(スタッフ)これなんですか?
これ その…。
治療薬の原薬 ということは?
開発中の薬は
ペプチドとは 大豆や
魚などに含まれるタンパク質のもと。
ペプチドをもとにした治療薬は
前立腺がんに効果のあるもの
などが実用化されています。
副作用が少ないうえに 安く
大量生産できることから
今 製薬業界では注目の的です。
ペプチドリームの治療薬は
スパイクタンパク質の真ん中から
根元のあたりに付着させ
ウイルスの動きを止めます。
これにより ウイルスが
細胞に刺さるのを防ぐのです。
いわゆる
今 流行しつつある オミクロン株は
スパイクタンパク質の先端が 30か所以上
変異を起こしています。
既存のワクチンの抗体は
この変異の多さに対応できず
感染を防げないのではと
危惧されているのです。
しかし ペプチドリームの治療薬は
変異を起こしていない
根元にアプローチするため
効果が期待できるといいます。
舛屋さんが 2020年に
コロナ治療薬開発のため
立ち上げた関連会社が ペプチエイド。
この会社 竹中工務店や
富士通など
民間企業5社の出資で
作られました。
本来 薬とは関係のない企業も
舛屋さんに期待して
出資したのです。
自分が これまで培ってきた
ノウハウ 時間 資金。
舛屋さんは コロナ治療薬の開発に
すべてを
注ぎ込んでいるといいます。
お疲れさまです。
お疲れさまです。
この日 開かれた会議で
舛屋さんから
あることが発表されました。
どうも…。
実は ペプチドリームのコロナ治療薬は当初
注射による
投与を想定していました。
しかし 開発の途中で
飲み薬としても 効果があるのでは
というデータが出てきたのです。
飲み薬にできれば
入院しなくても
家で多くの人に
使ってもらえるはず。
更に。
このとき 治療薬は
フランスで動物実験を行っていました。
ここに ペプチドリーム傘下の製薬工場
ペプチスターがあります。
舛屋さんは 治療薬をこの工場で
量産することに決めていました。
ただ そこには大きなリスクも。
工場へやってきた舛屋さん。
現場のスタッフを集めました。
もし治療薬の承認が遅れれば
その分だけ
工場は無駄になります。
舛屋さん 経営者としての
決断を迫られていました。
この日 舛屋さんは
ある知らせを待っていました。
これです。
フランスから動物実験の結果が
届いたのです。
コロナの治療薬を開発している
ペプチドリーム。
11月26日 今後を占う
運命の日を迎えていました。
これです。
舛屋さんのもとに
ちゃんと…。
企業秘密なので
見せられませんが
ここには開発した飲み薬が
体の中に吸収され
効果があったことを示す
データが 記されていました。
新型コロナを駆逐する切り札。
日本の反転攻勢が始まります。
海外と同じように
半年くらい ずれてまた
何かやってくるだろうっていう
なかで株が変わっても
たぶん この薬は効くはずなので。
まぁ おもしろいことに
なるんじゃないかなと…。
(スタッフ)期待していいですか?
期待してください。
うん うまく仕上げます。 はい。
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