京王線 乗客切りつけ車内に火 17人けが 1人重体 容疑者逮捕 2021年10月31日 22時55分

31日午後8時ごろ、東京 調布市を走行中の京王線の車内で男が刃物を振り回して周りの乗客に切りつけ、さらに液体をまいて車内に火をつけました。

これまでに17人がけがをして、このうち1人は意識不明の重体だということで、警視庁が20代の容疑者を殺人未遂の疑いで逮捕して詳しい状況を調べています。

警視庁などによりますと、31日午後8時ごろ東京 調布市の国領駅近くを走行していた京王線の車内で、男が刃物を振り回して周りの乗客に切りつけました。

捜査関係者によりますと、男はさらに油のような液体をまいて火をつけたということで、先頭から6両目の5号車付近で一時、大きな炎が上がりシートの一部が焼けました。

電車は新宿行きの上りの特急電車で、本来は止まらない国領駅に緊急停車し、乗客はホームに降りて避難しました。

容疑者は年齢が20代で、緑色のシャツにネクタイをして青っぽいスーツとコートのような服を着ていて、駆けつけた警察官にまもなく取り押さえられて殺人未遂の疑いで逮捕されました。

捜査関係者によりますと、調べに対して自分の名前などを名乗らず事件についてもほとんど話していないということです。

また、警視庁などによりますとこれまでにけが人が17人いて、このうち60代くらいの男性が刃物で刺されて意識不明の重体だということです。

警視庁が当時の詳しい状況を調べています。
容疑者 米映画などのキャラクターの格好か
現場にいた人の目撃情報などから逮捕された容疑者は髪は短く、眼鏡をかけていたということです。また、緑色のシャツにネクタイをして、青色の上下のスーツに紫色っぽいコートを着ていたということです。

この格好はアメリカの映画やコミックスに登場する有名なキャラクターに似ていて、現場にいた人の中には「ハロウィーンの仮装かと思った」と話す人もいたということです。
京王電鉄 国領駅に緊急停車
京王電鉄によりますと、国領駅付近で京王線の上りの新宿行き特急電車の車掌から「車内に刃物を持った男がいる」と連絡があったということです。

このため本来は止まらない国領駅に緊急停車し、乗客はホームから降りて避難したということです。

特急電車は調布駅を午後7時54分に出発し、次の停車駅の明大前駅に向かっていました。

また逮捕された男が進行方向の前から8両目の3号車で刃物を持っていたという情報があるほか、前から6両目の5号車では座席が燃えた跡が確認されたということです。
京王線 運転再開の見込みたたず
京王電鉄によりますと、事件のあと
▽京王線はつつじヶ丘駅と飛田給駅の間
▽相模原線は調布駅と若葉台駅の間の
いずれも上下線で運転を見合わせています。

事件が起きた電車は国領駅の上りホームに停車し警察が現場検証をしているため、運転再開の見込みは今のところたっていないということです。

このため、京王電鉄ではJRや私鉄各社に依頼し振り替え輸送を行っていて「ホームページなどで確認してほしい」と話しています。
ツイッターに動画や画像の投稿
事件があった京王線の車両に乗り合わせていた男性は、夜8時すぎに撮影した動画とともにツイッターに投稿していました。

動画には京王線の火災で逃げる人たちという内容の文章とともに、停車した事件があった車両の窓から乗客たちが次々に脱出する様子が映されています。

乗客たちが互いに手を取って助け合いながら車両から脱出し、ホームに降り立っている姿も見られました。
NHKが撮影した映像では
午後8時半すぎにNHKのカメラマンが撮影した映像では、京王線国領駅の駅前では大勢の警察官や消防隊員が集まっている様子を確認できました。

また、改札口は緑色のシートで覆われていて外からは中が確認できない状況になっていました。周辺には大勢の人が集まり、心配そうに様子を見守っていました。
午後8時50分ごろNHKのヘリコプターが国領駅前の様子を撮影した映像では、駅の目の前の屋外で救急隊員とみられる人たちが緑色のシートで通行する人たちから見えないようにしながら、救急用のストレッチャーを並べて作業にあたっていました。

駅の目の前の道路には警察や消防の車両が何台も止められ、規制線の外ではたくさんの人が集まっている様子が確認できました。
動画撮影の乗客「命からがら窓から逃げた」
事件があった京王線の車両に乗り合わせていた木村俊介さん(32)は夜8時ごろに車内で火が出ている様子や、窓から脱出する様子などを撮影した動画をツイッターに投稿しました。

木村さんは当時の状況について「真ん中あたりの車両に乗っていたら後ろ側の車両から多くの人が走って来て、何だろうと思っていたら『ポン』という音とともに炎と煙が見えた。これはまずいと思って前の車両のほうに逃げようとしたが、車両の連結部分で多くの人が詰まってしまって移動できないような状況になった。隣の車両からオレンジの炎が見えて煙も迫っていたのでまずいと思い、窓から飛び降りた。その際、肩から落ちてしまい肩をけがした。ほかにもけがをしている人やガソリンをかけられたという人もいた。車内で何が起きているのか分からない状態でドアもすぐに開かないし、命からがら窓から逃げた。こわかった」と話していました。
乗客の女性「震えが止まりません」
同じ列車に乗っていたという50代の会社員の女性は「2両めか3両めにいたところ後ろのほうから人が一斉に押し寄せてきた。『やばい男がいる』という声が聞こえて、私も含めて皆あわてて車両の窓を開けて逃げました。逃げている途中に『刃物を振り回している』という声も聞こえました。とても恐ろしくて震えが止まりませんでした」と話していました。
乗客の女性「目の前で容器に入った液体をまき始めた」
事件が起きた電車に夫と一緒に乗っていたという40代の女性は「たくさんの人が逃げながら私たちのいた車両に来たので、何かあったのかと思ったらすぐに刃物を持った男が来て、私と主人の座る目の前でペットボトルのような容器に入った液体をまき始めました。男が液体をまく瞬間に逃げて主人のひざには液体がかかりましたが、今のところは大丈夫なようです。すごい刺激臭のようなものが車内に充満したので、みんな逃げ惑うような状況でした。車両から降りたあとで火の手が上がっていることに気がついて、煙もかなり充満していました。男はほぼ無表情で淡々と犯行におよんでいて、それが怖かったです。全く想像もしなかったことで、けがをした人もたくさんいるようなのでとても心配です」と話していました。
乗客の女性「死ぬかと思った」
事件が起きた電車に乗っていたという20代の女性は「犯人らしき人物は大きめの刃物を持ちガソリンのような液体をペットボトルに入れ、乗客に向かってかけていた。死ぬかと思った」と話していました。
会社員の女性「みんなパニック状態」
事件が起きた列車に乗っていた50代の会社員の女性は「車内で携帯電話を見ていたところ、後ろの車両から乗客が次々に『やばい』とか『変な人がいる』などと言いながら、早足でこちらの車両に移動してきたので、自分も逃げました。列車のドアも開かずみんなパニック状態になっていて、窓から駅のホームに降りました。怖いというより何が起きたのか分からず、とにかく早く逃げたいという気持ちでした」と話していました。

引用:NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211031/k10013329401000.html?utm_int=all_side_ranking-social_003

powered by Auto Youtube Summarize

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事