出典:EPGの番組情報
美の壺「いのち宿る 草木染め」[字]
大人気のアクセサリーから、草木染めライフ、紅花の魅惑の世界、伊勢神宮の御神宝、志村ふくみさん母娘のメッセージまで!植物による、めくるめく色の宇宙へようこそ!!
詳細情報
番組内容
セレクトショップで大人気の草木染めアクセサリー。作者は瀬戸内の島でほっこり草木染めライフ▽“魅惑の赤”紅花の染料作り。30年ものの“熟成糸”を大公開!▽伊勢神宮で秘やかに営まれる、草木染めの御神宝制作。百年前に神に捧げられた装束を、今回特別に撮影!▽石牟礼道子原作の新作能で、自然界の精霊が神秘性をたたえた紫をまとう▽“草木の声を聞く”染織家・志村ふくみさんこん身のメッセージ。<File552>
出演者
【出演】草刈正雄,志村ふくみ,志村洋子,山岸幸一,浅田真理子,【語り】木村多江ジャンル :
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
テキストマイニング結果
ワードクラウド
キーワード出現数ベスト20
- 草木
- 植物
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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
♬~
あ… いいね。
草刈さん 何してるんですか?
え? いや たまにはね 気分を変えようと
思いましてね。
ほら タペストリー。
いやね 蔵にあったものなんだけどね
いいんじゃない。
でも 何なんだろうね これね。
それ 草木染めじゃないですか?
えっ 草木染め?
植物が蓄える色を糸や布などに染める営み
「草木染め」。
草木染めに人生をささげる染織家。
その部屋には 時を重ねて深みを増す
草木の色が。
伊勢神宮の神に奉る 草木染めの織物。
それは恵みへの感謝と祈りの色。
今回 特別に テレビでの撮影が
許されました。
人間が植物に寄り添って初めて
この世に現れる色。
今日は「草木の色の宇宙」を巡ります。
瀬戸内海に浮かぶ 豊島の小さなアトリエ。
蔵をリノベーションした空間に
東京のセレクトショップでも大人気の
アクセサリーが並んでいます。
愛らしい花の姿をした 布のコサージュ。
全て草木で染めた材料で作られています。
草木の成長を見守るように
だんだん変わってゆく色を育てるのも
楽しみ方の一つだそう。
手がけたのはデザイナー 浅田真理子さん。
自然のそばで暮らし 色の世界を
広げたいと 豊島に移住しました。
中は ちょっと アクセントに…
材料となる布やフェルトのほか
リボン 糸などの細かいパーツまで
全てを豊島の植物で染めています。
本当 自然の中で 季節ごとに授かる恵みで
いろいろ染めるということで
色が強いというか これだけ…
極力 デザイン自体は
植物そのものだったりとか
自然そのものの存在が一番大きいから
それをそのまま身につけるのが
一番 つける方にも お守りにもなるし
癒やされるんじゃないかなと
思っています。
今日 最初のツボは…
浅田さん 制作以外の時間は
畑仕事で大忙し。
夫の美樹雄さんとともに
染料となる植物を育てています。
赤じそは真理子さんが
好きな染料の一つです。
染めるのは自宅の庭先。
足していきます。
草木によって色の取り出し方は さまざま。
赤じそは お湯で煮出します。
赤じそ そのままの 透明感ある赤紫。
これ 入れていきます。
これだけでも十分きれいな色
ですが…。
染めた素材をさらに発色させ
色を定着させる媒染という
工程によって
青みがかった紫が現れました。
草木の色とともにある浅田夫妻の暮らし。
実は2人の服も。
これ 栗の木で この時期になると
ちょっと風が強いと
勝手に こうやって落ちるんですよ。
これで染めたのが
このパンツが そうなんですけど。
古くなったり汚れたりした服も
草木の色で染め直せば生まれ変わる。
え~っ 靴も?
染めて まとって 色と一緒に存在する。
人のいのちも 草木のいのちも巡る
暮らしのすすめ。
こう… 色とりどりの花畑の向こう側に
青空が広がっていくようだね。
でも この青 何の色だろう?
藍に決まってるでしょ!
え? 布が しゃべった。
青は藍よりいでて 藍より青し。
え?
私は?
♬「おまえのような花だった」
あ くちなしじゃん。
ご名答。
花じゃなくて 実の部分だ・が・ね。
あ… そう。
ほんのりと不思議な光沢を放つ ピンク色。
紅花で染めた糸で織り上げた着物です。
この色は自然のタイミングを見計らい
とてつもない手間ひまをかけて
初めて生まれます。
早朝5時。
山形県米沢市 最上川の源流に程近い
紅花畑には 既に人の姿が。
紅花を摘むことができるのは
朝露にぬれて トゲが寝ている
日の出前の時間だけ。
そんな紅花の色に魅せられている染織家
山岸幸一さんです。
この白い部分
紅の色素をしっかり そこで保たれて
一番いい色素が とれるわけで。
ここからは太陽の出番。
花びらを むしろに広げて発酵させながら
だんだんと色を引き出してゆきます。
陰干しにして ゆっくり ゆっくり。
一日がかりです。
夕方 うすで つくことで
花弁を傷つけて酸化させ 赤みを出します。
玉虫色の輝きを見せるようになったら
完成間近。
染料として保存しやすいよう
平たいお餅のようにします。
これだけ時間をかけて ようやく紅花は
「紅餅」と呼ばれる染料に姿を変えます。
でも これらの紅餅が活躍するのは
しばらく先。
今日 二つ目のツボは…
山岸さんは もともと
織物業を営む家に生まれ
機械織と化学染料に携わっていました。
ある時 祖父の代の手機で
織ってみたところ
手織りの風合いに魅せられたという
山岸さん。
以来 半世紀 素材を生かし さまざまな
草木の色を生み出してきました。
実は ここにもね…。
この糸というのは
生きてるから捨てられないんですよ。
静かに呼吸しながら 出番を待つ糸たち。
冬から春の間に2~3回 染め重ね
次の冬まで糸を休ませる。
これを3年は繰り返し
あとは寝かせておきます。
糸も自らの手で作ることで ゆっくりと
芯まで色が染まってゆくといいます。
これは ちょっと… あまり人には
お見せしてないんですけども。
これは 10年くらいになってますよね。
これなんか ほら 真綿で
こんな色してるの ないよね。
あめ色っていうかね。
さらに とてつもない糸が。
時をかけて熟成させることで
深みを増す色。
天然染料で染めたものは 時間がかかる。
かかるんだけども 出来上がったものが
全く生きてるんですよね。
植物 あるいは素材 それに合わせた
やり方をしていくことによって
今までにない価値観が感じられたんです
私はね。
自然と時間の力を借りて
山岸さんが目指す色。
人と自然が呼吸を合わせて
重ねていく「時」が
まだ見ぬ色を育んでいきます。
いや~ 植物に すてきな色が
隠れてるなんて
今まで気付かなかったね。
柿の木のカキちゃん
君は どんな色をしてるの?
槇の木のマキちゃん 君は?
えっ そうなの?
20年に一度 新しく社殿を建て替え
神様に お遷りいただく
式年遷宮が行われます。
1, 300年にわたり続いてきた
重要なお祭りです。
実は作り替えられるのは
社殿だけではありません。
神様が使う日用品 武具や楽器など
1, 576点に及ぶ御神宝も全て
式年遷宮のたびに
作り替えられてきました。
御神宝は いにしえに定められたとおりの
形と寸法
伝統的な材料や技法を尊重して
制作することが原則です。
制作に携わる職人は およそ2, 000人。
そのうち半数が
「染織」に関わるといいます。
武具や器物が要所にまとう
織物や組みひもは
その華麗かつ厳かな色彩で
日常の用具を超越した
御神宝にふさわしい
威厳をととのえます。
織物の染織には従来 紅花 茜 紫根
藍 黄蘗など
東北地方から沖縄地方に至る
全国各地の生産地から寄せられた
古代以来の植物染料が尊重されています。
これは式年遷宮のたびに作られる
裂の見本帳。
織物が いかに重要視されてきたかが
うかがえる史料です。
現存する最古のものは 江戸時代前期。
紋様や色彩を正確に再現するため
代々 残されてきました。
その時代ごとに自然の素材と向き合い
一番よいものを
神様へ ささげようとした
先人たちの手業と思いが
詰まっています。
現存する御神宝の中でも
「最高水準の色」と伝えられるのが
昭和4年の式年遷宮で奉納された織物。
神様の最もそば近くに まつることから
御神宝を代表する品目とされる装束。
今回 特別に テレビでの撮影が
許されました。
100年近い時を経てなお
鮮やかな緋色の装束。
鬱金で下染めをしたあと
紅花で重ね染めをしています。
つがいのセキレイの紋様は
鬱金の黄色で織り出されています。
御神宝の図案も 式年遷宮のたびごとに
写されてきました。
手から手へつながる 美のバトン。
こちらは繧繝と呼ばれる
グラデーションを表す装束。
高度な手業が求められます。
藍と黄蘗で萌黄色。
蘇芳とヤマモモの皮で茶色。
さまざまな染料を組み合わせ
無数の色を生み出さなくてはなりません。
こうした織物を全て合わせると
長さは およそ14キロメートル
材料となる植物染料は
1トンに達するといいます。
装束の中で唯一 糸からではなく
裂の状態で染めるもの。
紫根や蘇芳 藍 黄蘗などによって
彩り豊かな花の紋様が表されています。
こうした御神宝を古式にのっとり
草木染めで制作することは
容易ではないといいます。
御神宝制作の基盤となる
旧来の染織工芸は
需要と担い手が減少する状況が続き
特に…
このような時代背景の中にあっても…
きたる式年遷宮に向けても
作り手の皆様とともに
その歩みは粛々と進められています。
現在 正殿に おさめられているのは
平成25年の式年遷宮の御神宝。
昭和4年以来 ほぼ全ての織物を
草木染めで仕上げることができたと
いいます。
四季折々 豊かな表情を見せる日本の風土。
その健やかさをうつしだす彩り。
恵みに感謝と祈りを込めて
神様にささげる草木の色。
今日 最後のツボは…
今年6月 石牟礼道子原作の
新作能「沖宮」が上演されました。
干ばつに苦しむ村のため
雨の神 竜神へのいけにえとなる少女。
天草四郎の亡霊が いのちの母なる神が
住まう沖宮へと少女をいざないます。
草木で染めた水縹色と
紅花で染めた緋色の衣が舞台を彩ります。
その衣装を監修したのは
染織家の人間国宝 志村ふくみさんです。
草木から いただく色で
豊かな情景を織り上げる志村さん。
これは むべですよ。
人生をかけて 植物の声に耳を傾け
色の向こうに広がる世界に
思いをはせてきました。
こんな時代になってね 植物がね
一生懸命ね
人間 人類に語りかけてるような
気がするのよね。
それなのにね 人間は ちっとも
それをね 耳を貸さないで
もう全く逆方向に向かって
進んでいるのがね
たまらないほど悲しいけど
でもね きっとね 草木のね そういう
本当のね 声はね
聞く人にはね 聞こえてくると思う。
受け止める人は受け止めると思う。
私は それを信じてます。
志村さんが思いを託した「沖宮」が
今年 再演されるにあたり
新しい登場人物が生まれました。
自然界の精霊である竜の女神
大妣君です。
この世ならざる存在には
どのような色が ふさわしいのか。
志村ふくみさんとともに監修を務めた
娘の洋子さんが中心となり
制作に取り組みました。
選んだのは紫根。
古来 高貴な色とされ 少しの温度の違いで
濁ってしまう 手ごわい色です。
染めます。
だいぶ濃くなってますね。
その場その場に定着しなくて
いつも あっち行ったり こっち行ったり…
わあ きれい。 大人の紫やね。
太陽の光で見たら全然違うね。
そうですね。
わあ きれい。
大いなる存在 竜の女神・大妣君がまとう
衣装です。
市松模様に配置された 存在感のある紫。
その紫を切り裂くように走るのは
たまねぎで染め出した金茶。
雷鳴とどろく中 竜の女神が現れた時の
稲妻を表現しました。
その稲妻とともに いけにえの少女は
海へと沈んでゆくのです。
大妣君が悲しみというものを表現する時に
その悲しみを引き出す時に
色が大変 お手伝いをして 紫と金色が
お互い光り合って
金色の涙が はらはらと こぼれて
落ちてるような 私は印象を受けました。
草木の精霊も そこにいるので
それと いろんな大いなる魂というのが
そこで また親和して
力を発揮するのではないですかね。
神様にささげるということだったので。
それをいつの間にか忘れてしまって
人間が楽しむという方向に
なってますけど
本来は神様に おささげする
ということだと思いますけど。
深えんな いのちの宇宙にいざなう
草木の色です。
そうか。
草木が見せてくれる色は…。
「いのちの色」だったんだね。
♬~
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