台湾の科学アカデミーに相当する中央研究院はこのほど、新型コロナウイルス感染の治療薬として有効だと考えられている抗ウイルス剤の「レムデシビル」の合成に成功したと発表しました。「レムデシビル」の合成成功は、台湾では医薬・衛生の研究機関で、政府の外郭団体である財団法人国家衛生研究院に次ぐものです。中央研究院か合成した100ミリグラム・レベルの「レムデシビル」は、純度が97%に達しています。レムデシビルは、抗ウイルス薬の一種で、アメリカのバイオ・製薬会社、ギリアド・サイエンシズ社が開発したもので、エボラ出血熱とマールブルグウイルス感染症の治療薬として開発されましたが、新型コロナウイルス感染による肺炎の治療にも効果があるとの可能性が報告されています。ただし、現在はまだ臨床試験が始まった段階で、効果は明確に証明されていません。しかし、将来、世界で品不足となることが予測されており、今回の中央研究院などによる合成の成功で、台湾での自給が可能となります。ただし、「レムデシビル」を量産する場合、ギリアド・サイエンシズ社からライセンスを獲得する必要があります。
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