アフガン自爆テロ・・・犯行声明の『ISIS-K』とは(2021年8月27日)

アフガニスタンの首都・カブールで起きた大規模な爆発で、多くの犠牲者が出ました。

爆発が起きたのは、カブール空港周辺の2カ所。空港のゲート付近と、そこから100メートルあまり離れたホテルのゲート付近です。国外への脱出を望む大勢の人が詰めかけていました。犠牲となったのは、そうした人たちです。空港ゲート付近では、爆発の後、市民や兵士が銃撃されたといいます。亡くなったアフガニスタン人は90人以上。そして、アメリカ兵13人も犠牲となりました。アメリカ軍にとって、過去10年で最悪の被害です。
バイデン大統領:「実行犯とアメリカの不幸を願う者に告ぐ。我々は許さず、決して忘れない。必ず捕まえ、代償を払わせる」

過激派組織『イスラム国』の分派組織『ISIS-K』が、犯行声明を出しています。
ISIS-K:「殉教者アブドルラフマン・ロガリ同志は、アメリカ軍兵士、その通訳、スパイ及び協力者が多数集まっていた場所へ突入し、自爆用ベルトを爆発させた」

『ISIS-K』は、2015年に設立され、アフガニスタンやパキスタンで活動する組織です。同じイスラム主義勢力でも、タリバンとは敵対関係にあります。
IEEJ中東研究センター・保坂修司センター長:「ここのところ『ISIS-K』がよく使う言葉。タリバンのことをアラビア語で“ムルタッド”と呼んでいる。“ムルタッド”とは、アラビア語で“背教者”という意味で、最もキツイ言葉で批判している。天敵同士ということがいえる」

『ISIS-K』は、数々のテロを繰り返してきました。タリバンは穏健すぎるとして離脱した元戦闘員を取り込んできました。タリバンがアメリカと結んだ和平合意についてもジハードや戦闘を放棄し、「きらびやかなホテル」で応じたと非難しました。

敵対するタリバンが、新たに国を作ろうというタイミングでの犯行。その意図は何なのでしょうか。
IEEJ中東研究センター・保坂修司センター長:「タリバンが大きな勝利を、あっという間に収めて、世界中の過激な思想を持った組織が祝福をしているなかで、IS(イスラム国)の存在感は徐々に下がってきていた。それに対して一矢報いる。彼らのロジックから言えば、大きな意味を持っていると思う」

テロはいつ起きてもおかしくない状況です。ただ、アメリカ軍の撤退期限は、今月31日で変わりありません。この撤退期限が、現地に残る日本人らの退避に影を落としています。テロが発生したのは、日本人や大使館などの現地人スタッフら数百人がバスに分乗し、空港に向かっていたときでした。しかし、テロで移動を断念し、引き返したそうです。
岸防衛大臣:「アメリカ軍が撤退の期限までに撤収するということを考えると、我々の活動できる範囲も限られてくる。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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