“クラスター発生”榛原総合病院のいま

12月7日、クラスターが発生したと発表した牧之原市の榛原総合病院。数々の対策を施しても侵入してくる新型コロナウイルス。病院では地域の医療を守るため、医療従事者が奮闘しています。

<榛原総合病院 森田信敏院長>「地域の医療を担う病院が感染を出したことについて深くおわび申し上げます。申し訳ありませんでした」
 7日、緊急の記者会見を開いた榛原総合病院。12月に入ってリハビリテーション病棟の入院患者8人が新型コロナに感染し、クラスターが発生しました。院内で初めて陽性が確認された患者は無症状で、リハビリ病棟から介護施設に転院する際のPCR検査で陽性が確認されました。
<榛原総合病院 森田信敏院長>「反省しつつ悩んでいるというのが正直なところです」
 病院側は「院内感染を封じ込めた」とは言えないと明かし、緊急性の高い患者の搬送を除き受け入れ制限などの対策を講じています。一体、病院ではいま何が起きているのでしょうか?私たちはクラスターが発生する前の12月4日、榛原総合病院を訪れました。そこで明らかになったのは、病院が数々の対策を施していることでした。
<検査科 永谷道一臨床検査技師>「こちらで遺伝子検査のLAMP法をやっています。患者さんの検体は感染性がありますので、こちらの安全キャビネットの中で処理をします」
 対策の一つはLAMP法の導入です。よく耳にするPCR検査と同じでウイルスの遺伝子を検出する方法ですが、PCR検査と比べると比較的短時間で結果がわかり、多くの検査結果をスピーディーに判定することができます。今回、院内で陽性患者が確認された際も榛原総合病院では、LAMP法を使って素早く検査を進めました。さらに一般の人たちが検査を受けやすくする方法も考えています。
 ドライブスルー方式の検査です。現在も、1日約50人の検体採取を行っていて、取材に伺ったこの日も事前に予約をしていた患者が訪れていました。
<榛原総合病院新型コロナウイルス感染症対策チーム長 金憲徳医師>「気をつけていても入ってくる。目に見えない相手(コロナ)との戦いですので、そこが難しい戦いで、このコロナウイルスの感染症対策というのは、そういう宿命づけられた戦いというんでしょうか」
 医療従事者が細心の注意を払っても病院内に侵入する新型コロナ。今回、榛原総合病院ではクラスターが発生してしまいました。こうなると懸念されるのが、頑張った医療従事者に対する差別の問題です。
<榛原総合病院新型コロナウイルス感染症対策チーム長 金憲徳医師>「いわゆる幼稚園とか学校などで、来ないでほしいというようなことを言われるようなんですけど、実際に言われていることはよく聞きます」
 これまでクラスターが発生した県内の病院などでは、病院に勤める職員やその家族に対し、自宅マンションで使うエレベーターを制限されるなど偏見や差別があったと報告されています。
<榛原総合病院新型コロナウイルス感染症対策チーム長 金憲徳医師>「私たち病院は看護師さんたちも全部調べている。陰性であることは確認している。この看護師さんは安心なんだよっていうことを検査によって証明する以外にはないと思います」
 病院でクラスターが発生することはもちろん避けなければなりません。しかし、それでも感染が発覚した場合、できるだけ情報を明らかにし、真摯に向き合うしか病院に方法はないのです。
<病院の近所の住民>「(榛原総合)病院を使わないことはない。地域の病院だから。絶対に必要な病院ですから。(新型コロナが発生し)心配ではありますが、用事があれば行きます」

#オレンジ6 12月8日放送

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