自死遺族会の手記

2012年09月25日 16:41現在
自死遺族会の手記

全国の自殺者は去年14年連続で3万人を上回りました。

家族を失ったことで心を痛める家族はその5倍に上ると言われています。

県内では年300人近い人が自殺で亡くなっていますが、ことし、県内のグループが遺族らの思いを1冊の手記にまとめました。

『私と結婚しなければ…私と出逢わなければ…大切なあなたは死なずにすんだかもしれない』

夫を亡くした50代の女性の手記です。

『私が妻でごめんね』『なぜ?どうして』どうしたら防げたのか。

混乱の中で、自分を責めていた体験がつづられています。

ことし3月、自殺によって家族や大切な人を亡くした人たちの体験記が文集になりました。

タイトルは「風のささやき」。

自死遺族の自助グループ「風の道富山」がまとめたものです。

【代表で精神科医の本田万知子さん】「亡くして一番早い方は一ヶ月ぐらいでお見えになってるし、長い方は本当、20年30年と言う方もいらっしゃるんですね」

このグループでは月に一度、第3土曜日に遺族たちの集まりの場を設けています。

語られるのは自殺で大切な人を失なった現実、悲しみ、自責の念、そして周囲からの偏見。

普段話せない気持ちを1人ずつ語ります。

「分かち合い」と呼ばれています。

(恋人を亡くした40代の女性)『傍目には、普通に日常生活を送らなくてはいけない』『朝、目覚めて生きていると実感するのも辛い』(夫を亡くした50代の女性)『まだまだ些細なきっかけから「あの日」へ逆戻りし、あなたを想い、涙する事も多々ある』

本田さん「ずっとその世界で留まっていることを、周りの人に話すことができないですよねやっぱり」「ここへ来ると、みなさんそうなんですけど、遠慮なく、お話ができるんだと思います」

去年の県内の自殺者は271人。

自死遺族の数は親や兄弟姉妹、配偶者など自殺者の5倍いると言われ、国や県も対策の柱の一つにしています。

理由は、自死遺族が「後を追う」気持ちを持つことが多いためです。

その思いは文集にも。(恋人を亡くした40代の女性)『早くあなたの傍に行きたくて、そればかり考えている』『一緒に連れていって欲しかった。なぜ一人でいってしまったの?』

本田万知子さん「自死遺族は、大切な自死を止められなかった人なんです。ですから、その人たちが自殺予防と言う言葉を聞くだけで、実は、自分たちを責めるんです」「でも、自死する人が少なくなったほうがいいということはもちろん私たちもそう」「ですから結果として(自死が)減ってくれることを、本当に祈ってますね」

風の道富山は「自殺対策」を活動内容に掲げていません。

ただ本田さんは、自死遺族に対し社会があたたかく寄り添う必要があると話しています。

風の道富山は、今月30日に自殺対策をテーマにした県主催の催しで活動を紹介するほか、希望者には25日紹介した文集を配布する予定です。

「つながろう、心と心。ファーラム」 9月30日(日)正午~午後4時半 サンシップとやま(富山市安住町) 

宮本亜門さんの講演、民間団体の紹介コーナー
http://www2.knb.ne.jp/news/20120925_33962.htm#

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