旧ソ連邦(ソヴィエト社会主義共和国連邦)の構成国のひとつ、アルメニア=ソヴィエト社会主義共和国の国歌を和訳して動画にしました。
なおアルメニア語はわからないのでWikipedia英語版・ロシア語版の英訳と露訳を照らし合わせ、必要に応じてWiktionaryを用いてアルメニア語の語義を調べた上でなるべくアルメニア語原詩に忠実になるように訳しています。
歌詞について
2番の「不滅のレーニン」とは当然ですがレーニン本人ではなくレーニンの教え(レーニン主義)や功績を指しているものと思われます。そのあとの「十月」は十月革命のこと。
また、「共産主義へ導く」や「革命が我々を照らした」、「人民の連合」など全体的にソ連国歌に歌詞が似ているような気がします。
アルメニアに限った話ではありませんが、3番でロシアについて言及されているのも特徴で、他にもベラルーシ=ソヴィエト共和国やタジク=ソヴィエト共和国などの国歌にもロシアが登場します。ロシア=ソヴィエト連邦社会主義共和国には独自の国歌がなく、事実上ソ連国歌がロシア共和国の国歌を兼ねていたことや、ソ連国歌の1番にルーシ(ロシアの雅称。日本でいう大和みたいなもの)が現れることから、ソ連におけるロシア共和国の主導的な存在感が伺えます(今更ですけどね笑)。
カナ転写・ラテン文字表記について
アルメニア文字は世間一般では馴染みがないので興味を持たれた方が歌詞を見ながら歌えるようにカナ転写とラテン文字転写を載せております。アルメニア語は子音が多く、日本語のカナでは区別ができない発音が多く存在するためカナ表記はあくまでも参考程度です。
それを補うためにラテン文字表記も併記していますが、あくまでも動画作者である私が独自の転写法なのでアルメニア本国でアルメニア語がラテン文字転写される場合の慣習・慣例とは異なります。
以下にラテン文字転写における主な註釈を載せます。
ë – 曖昧母音[ə]。アルメニア文字 ը に対応。
‘(アポストロフィ) – 有気音。有気音とは中国語などにもある音で、子音を発するときに同時に空気を伴うもの。t’ k’ p’ などとあればそれぞれ t k p の有気音であることを表します。
ž – 摩擦音[ʒ]。アルメニア文字 ժ に対応。カナ表記ではジャ行。
dž – 破擦音[dʒ]。アルメニア文字 ջ に対応。カナ表記ではヂャ行。
x – 摩擦音[χ]。アルメニア文字 խ に対応。カナ表記ではハ行。
c – 破擦音[ts]。アルメニア文字 ծ に対応。カナ表記ではツァ行。
ğ – 摩擦音[ʁ]。アルメニア文字 ղ に対応。アラビア語 غ やフランス語 r などと同じ。カナ表記ではガ行(苦肉の策)。
ŕ – はじき音[ɾ]。アルメニア文字 ր に対応。アメリカ英語 better や get up の t に相当。カナ表記ではラ行。
r – 震え音[r]。いわゆる巻き舌のRでロシア語р、スペイン語rrなどに相当。
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