医療崩壊の危機が迫る東京では、新型コロナウイルスによる入院患者のうち、軽症者などのホテルへの移送が始まった。
7日朝、東京都内のホテルに止められた自衛隊の車両。
そこから運び出される段ボール。
見ると、「チキントマト煮」に「肉じゃが」などの食料品。
さらに、医療品のようなものも運び込まれている。
実はこのホテル、軽症の患者、症状のない患者が療養する宿泊施設。
東京都が借り上げ、滞在費用は公費で賄われる。
そして、7日午後。
患者が到着し、徒歩でホテルに入っていった。
症状が出ていないからか、見た目には、健康な人と全く変わらない人もいる。
これが、新型コロナウイルスの怖いところ。
ホテルも、入念な感染防止策がとられていた。
患者は通常、1つのエレベーターしか使うことができず、右側にある「使用不可」と書かれたエレベーターは、スタッフが利用するという。
ロビーには、部屋で過ごし、出歩かないようお願いする貼り紙も貼られている。
病院から移動してきた患者は、客室とフロアへの移動しか許可されないことになる。
決して広いとは言えず、かなり制限された生活となってしまう。
ホテルには、都の職員と看護師、2人が24時間態勢で待機。
日中は医師も1人いて、サポートのため、自衛隊員も派遣される。
都の担当者「医療機関ではないといっても、きちんと健康管理をすることで、より患者がきちんと健康管理をできるようなお手伝いをしたり、健康の回復に努めていただけるよう、都としても精いっぱいの支援をしたい」
患者は、順次ホテルに移動し、あわせて100人ほどが療養する予定。
これによって、重症患者を病院で治療できる体制を維持する。
患者急増で心配される医療崩壊。
こうしたこともあり、緊急事態宣言を行う。
安倍首相「本日夕刻、政府対策本部を開催し、緊急事態宣言を発出したい」
対象は、東京や大阪など7都府県。
これについては、小池知事も登庁すると、まず記者の取材に応じ、都民へ理解を求めた。
小池百合子都知事「この闘いにみんなで勝ち抜いていきたいと思いますので、ご協力よろしくお願いします」
また、都では市区町村や業界団体とテレビ会議を通じてヒアリングを行った。
そこでの議題の1つが、学校でのオンライン授業。
文京区長「インターネット事業団体に対して、都から一定期間、学校のオンライン教育に使うためのポケットWi-Fiの通信料については、緊急の定額料金の制度を統一して行うよう申し入れていただきたい」
では、実際学校に通う子を持つ家族は、緊急事態宣言をどう迎えるのか。
東京都内に暮らす森田さん一家。
感染予防のため、不要不急の外出は控えていたが、これから1カ月に及ぶガマンの生活に、早くも「本当にどこにも出かけられないというのを経験したことがないので」などと話した。
2人の子どもを持つ森田琴星さん(41)「親にも、孫連れておいでと言われているけど、親にうつしたら怖いので、行けなくなった」
そこへ緊急事態宣言。
この先1カ月に及び、さまざまな行動に自粛が求められる。
森田さんは、「これでさらにこれ以上となると、もう一歩も家から出られないのかな」と、不安を募らせた。
関係者によると、東京都の案では、基本的に休業を要請するのは、カラオケ、パチンコ店などの娯楽施設、ショッピングモールなどの商業施設、大学・専修学校などの教育施設、体育館などの運動施設が挙げられている。
ただし、ショッピングモールでも、生活必需品売り場は営業することが可能。
そんな中、休業の判断に迷っていたのが、この美容院。
都内を中心に8店舗展開している。
7日午前に取材した時、オーナーは、休業する店舗としない店舗に分けると説明していた。
オーナー・井口智明さん「3店舗に、アシスタントは休みにして、スタイリストのみ集めて、お客さんの数を制限して、営業を考えている」
理由は、都が休業を要請する見通しとして、床面積100平方メートル以上の大型店を挙げていたため。
店は、これに該当しない3つの店舗を、予防対策を徹底し営業したいという。
オーナー・井口さん「2月~3月の売り上げは、この2カ月間で約2,000万円(減っている)。あと1カ月続いたら、4,000万円以上の売り上げ減」
もし、美容院を利用できなくなると、客にとっても深刻。
常連客「わたしたちの世代になると白髪が出てきちゃうので、本当は3週間くらいで(白髪が)出てくるものを、我慢して1カ月で来てるから。1カ月休みは結構きつい」
しかし、この取材を終えた午後0時40分すぎ、西村経済再生相が、理容室や美容院について、「町の小規模の理容室・散髪屋は、利用制限の対象には考えていない。美容室はそもそも対象に入っていないし、加えることも考えていない」という見解を示した。
一方、休業を要請されないのは、生活するうえで必要な施設。
スーパーマーケットやコンビニエンスストア、病院や薬局、交通機関に銀行などは、通常通りの営業となる。
飲食店については、営業時間の短縮などで調整されているが、居酒屋については休業要請する方向で検討されている。
東京のJR大井町駅近くで営業しているそば店、「寿得廣」。
7日も、ランチタイムにそばをすする客の姿があった。
訪れた客「お店がこの間閉まってたので、きょうはやっているかなと心配になって来た。(営業してて)うれしかった」
飲食店は休業要請の対象外。
しかし、店にとっては気がかりなことがあった。
「寿得廣」田中良宗さんは、「お食事する際に、ビール1本飲むのは居酒屋さんになるのか、何本から居酒屋さんになるんだろうか、その辺の線引きが難しいです。日々悩んでいます」と、複雑な胸の内を明かした。
一体、休業要請の線引きはどのように行われるのか。
それによって、わたしたちの暮らしには、どのような影響があるのか。
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