安倍総理は28日の記者会見で、総理大臣を辞任する意向を表明しました。辞任の理由については、今月上旬に持病の潰瘍(かいよう)性大腸炎の再発が確認され、継続的な投薬が必要で、予断を許さない健康状態であると説明。最終的な辞任の判断は、2回目に病院に行った24日にしたといいます。
安倍総理:「病気と治療を抱え、体力が万全でないという苦痛のなか、大切な政治判断を誤ること、結果を出せないことがあってはならない。国民のみなさまの負託に自信を持って応えられる状態でなくなった以上、総理大臣の地位にあり続けるべきではないと判断した。秋から冬に向けての、コロナ対策の取りまとめをしなければならない。この取りまとめをしっかりとする。そして、その実行のめどを立てる。それがきょうの日となった」
この7年8カ月という長期政権について振り返り、内政では、雇用の改善や幼児教育の無償化などの実績を強調。一方で、“やり残したこと”として挙げたのは拉致問題などでした。
安倍総理:「拉致問題をこの手で解決できなかったことは痛恨の極みである。ロシアとの平和条約、また憲法改正、志半ばで職を去ることは、断腸の思いである」
安倍総理は、臨時代理は置かず、後任の総理大臣が選ばれるまで執務に当たるとしています。
政界の反応です。
自民党の二階幹事長:「自民党総裁として、総理として、立派な実績を上げてこられた。自民党の長い歴史のなかに輝かしい1ページを残された」
公明党の山口代表:「7年8カ月、続いたということ自体が大きな功績だと思っている。ともに政権を担う。そういう責任感のもと、率直に意見の交換ができたと思うし、いずれにしても、この連立政権の構造は変わらない」
自民党・片山前地方創生担当大臣:「完璧ではないなら、お退きになるという一つの武士の身の処し方かなと。全身全霊を尽くして、ベストコンディションでやれないと、総理は無理だと思っておられるので、そこが強く出たなと思う」
今後の焦点は“ポスト安倍”の総裁選びとなります。自民党幹部によりますと、次の総裁を選ぶ際には、党員投票は行わず、両院議員総会を開いて決める方針を固めたということです。9月1日の総務会で正式に決定されます。“ポスト安倍”に名前が挙がっている議員の声です。
石破元幹事長:「20人推してくれないと、そもそも出られない。こういう事態を、突発的な事態を受けてとはいえ、国民がどのように考えておられるか。それと、かい離するようなことがあってはならないということです」
岸田政調会長:「先ほど、総裁が無念の思いで退陣を表明された直後なので、まずは敬意と感謝を申し上げること。これが先ではないかと申し上げたうえで、この強い思いは変わらないという形で、『立候補するのか』という質問にも答えたいと思っている」
小泉環境大臣:「総理とは一人でできる仕事ではない。仲間が必要。そういう仲間が支えてくれなければ、スタート地点には立てない。そのうえで、次の総裁、総理が誰であっても、私は全党員に投票の機会があることが一番いいと思う」
日米防衛大臣会談のため、29日からグアムに出張する河野防衛大臣は、何も語りませんでした。
安倍総理の突然の辞意表明に、列島各地から「驚いた」「不信だらけだったから内心はホッとした」「続けてほしい」など、様々な声が上がっています。株式市場も、すぐに反応。日経平均株価は、一時600円以上値下がりしました。拉致被害者の家族からは、失望の声が上がっています。
有本恵子さんの父親・明弘さん:「今まで思っていたことが、いっぺんに崩れ去った。もう一息なのに、何で辞めるの」
横田めぐみさんの母親・早紀江さん:「主人も、長く待って、待って、待って、待ち続けても解決ができなかった悔しさで逝ってしまった。安倍さんも早く回復してもらって、色んな知恵を持っている方だから、みなさんと一緒に頑張っていただける日が早く来るようにと願っている」
都道府県のトップの声です。
東京都・小池知事:「コロナ対策、オリンピック・パラリンピックなど、国と連携して取り組みを進めなければいけないテーマが多々ある。今後どのような形になるのか、報道の中身なども確認しながら、国と連携取ることは変わらない」
大阪府・吉村知事:「民主党政権でズタズタになった経済も立て直され、僕にとっても素晴らしい総理だと思う。メディア等々のご批判、僕もある。総理も、すごく批判もされているが、僕の中では本当に優しい総理」
神奈川県・黒岩知事:「長期に安定した政権、それだけでも歴史的な大きな成果。第2期安倍政権の安定感、それは弁慶。弁慶がしっかりと周りを支える。
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