【熱中症】後遺症が残るケースも 治療の基本は体の冷却と補液

▼熱中症情報
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熱中症で救急搬送される人が増えています。医療機関で点滴を受ければ回復する人もいますが、後遺症に苦しむ人も少なくないのです。熱中症をあなどってはなりません。

■治療の基本は体の冷却と補液
「熱中症の重症度分類は、応急処置と見守りが必要なⅠ度(軽症)、医療機関の治療が必要なⅡ度(中等症)、入院加療が必要なⅢ度(重症)があります」と語るのは、横浜相原病院(神奈川県横浜市)の吉田勝明院長です。

東京消防庁が昨年6月から9月に、熱中症で救急搬送した患者5634人のうち、Ⅰ度が59%、Ⅱ度が37%、Ⅲ度が4%でした。

「大半がⅠ度とⅡ度ですが、治療の基本は体の冷却と補液です。Ⅱ度は口から水分を摂取できないことがあるので、点滴で水分とミネラルを補給します。これで大半は改善します」(吉田院長)

■パーキンソン症状が出ることも
「問題なのはⅢ度の患者さんです。臓器がゆで卵の白身のように固まって機能が低下している人もいます。体外からの冷却に加えて、胃や膀胱に管を入れて生理食塩水を注入・排出したり、血液透析のように血液を体外の管にくぐらせて冷却しますが、手遅れになると多臓器不全で亡くなる人もいます」(吉田院長)

幸い助かっても後遺症が残る人は少なくありません。深部体温が40℃を超えると全身の臓器が不可逆的な傷害を受けるのです。その結果、めまいやうまく歩けないなどの小脳の異常、手が震えたり筋肉がこわばって動かなくなるパーキンソン症状が出ることがあります。記憶量の低下や腎機能障害に苦しむ人もいます。

「熱中症は体温が高くなるほど後遺症をもたらします。『いつもと違うな』と思ったらすぐに医療機関行けばⅠ度程度ですむ病気なので、すみやかに受診してください」(吉田院長)

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