このビデオを初めてみる筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群患者さんへ:まず、担当の先生と相談して、アイソメトリックヨガを練習して良い状態かどうか、たずねてください。OKがでた場合、以下の点に注意してください。1回目は、区切りながらでいいので、ただ見て、大体の流れを理解してください。疲れるかもしれないので、見ながら練習しようとしないでください。およそのやり方がわかったところで、2回目以降に、パートごとに見ながら練習してください。膝を抱えるアイソメリックヨーガの練習から始めるのがやりやすいと思います。3回目で理解するくらいのつもりで考えてください。
 正しく練習できたら「体が温かくなる」、「頭の中が静かになる」と思います。この効果は一つのパートだけの練習でも得られます。こういう実感がえられない場合は、力の入れすぎ、呼吸が速くなりすぎ、注意が散漫になっている(今動かしている筋肉や呼吸の変化を感じながら、つまり今の体に注意を向けたまま練習してください。次のポーズのことや、心配事を考えながら行うと効果は少なくなります)、ポーズを作ることにしか注意が向いていない(血流が良くなって、リラックスできるのはポーズが終わった後です。ですからポーズが終わった後、普通の状態に戻す時の方が、もっと大切です。ゆったり、ゆっくり戻してください。そしてじわーっと血液が流れて温かくなる、ポーズをしていない反対側の手足よりも軽くなっている感じを味わいます。)、などの理由が考えられます。
 体を動かす元気もない日は、お腹か胸に手を当てて自然呼吸を感じながら、ゆっくりと呼吸を整えるだけでもよいです。呼吸を整えると自然に気持ちも整う(不快な感情にとらわれず、離れた気持ちになる。少しの良い変化に気付きやすくなる、注意が向くようになる。)と思います。
 このヨガは他の治療法と併用する形で、担当医の意見を聞きながら練習してください。

アイソメトリックヨガを効果的にするポイント(岡より患者さんへ)
 アイソメトリックヨガの練習を、より効果的なものにするために次の点に注意してください。
(1)腰の位置:最初に腰の上げ下ろしをします(2分頃)が、ここが最初のポイントです。腰をかかとに近づけるようにおろすのは、腰のそりをとるためです。腰がそったままねていると、背部の筋肉全体が緊張したままになります。効果を感じないという患者さんの中には、ここを修正してあげるだけで「今までより寝た姿勢が楽です」という患者さんもいらっしゃいます。
(2)力の入れ具合:どの程度の力の入れ具合が良いかをしるために、いくつかの方法があります。①まず、力を入れて練習してみて、そこから半分の力、さらにその半分の力。。。と、力を抜いて行ってみてください。その日、心地よい、無理なくできる、と感じる力加減で練習します。②有音(ウーと声をだして練習)を観察する。力を入れすぎると声はでません。スムーズに長く声が出せる力加減で練習するがベストです。無理で余分な力が抜けている証拠だからです。
(3)「気づき」を日常生活に応用する:毎日練習しても、20分か30分の練習です。これによって得られる効果はわずかです。より大切なのは、この練習を通して、自分を客観視できる時間を持つこと(例えば、今まで力が抜けていなかった、頭の中が忙しすぎた、リラックスしているつもりでもできていなかった、わけもわからずがむしゃらに生きてきた)、気づいたことを日常生活の中に生かすこと、特に限られたエネルギーの中でできる工夫のレパートリーをふやすこと、そして今の自分を愛おしいと思える時間を増やしてゆくことにあります。
(4)線維筋痛症を合併している患者さんへ:わずかな動作でも痛みが走る時には、動作はやっているつもりで呼吸だけ真似てください。自然呼吸を感じる、もしくは小さな声でウー、もしくはアーといいながらゆっくりと呼吸をする、そのときに自分の声と呼吸に注意をむける(そのことで、一瞬でも、痛みから注意が離れる)練習をしてみてください。
 今までの多くの患者さんの質問に答える形で、まとめてみました。

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