【独自】犯罪組織が利用「闇名簿」の実態 個人情報を名寄せし作成“若年層に拡大”か(2023年1月29日)

強盗事件をめぐり、次々と明らかになる犯罪組織の実態。
番組は組織が利用する“闇の名簿”を追跡しました。
なぜ知らない間に個人情報がリスト化されるのか。そこにはコロナ禍の思わぬ影響も…

▽【独自】犯罪組織の“闇名簿”追跡…周囲で窃盗頻発
(詐欺組織の内情に詳しい人物)「(今回の事件で)想像できるのは下の連中、簡単にいうとバカなグループが手短なところでやった。コントロールしきれないのでタチが悪い」
広範囲に渡り多発する強盗事件、被害に遭った家は何故狙われたのでしょうか。番組は犯罪組織の内情に詳しい人物を取材。犯罪組織が名簿リストからターゲットを定める意外な視点が明らかになりました。
(詐欺組織の内情に詳しい人物)「一番ベースとなるのが基本情報。名前・住所・電話番号の基本がおよそ300万件、家族構成とか勤め先とかそういった情報が48万件あります。(ターゲットは)年齢が65歳以上、退職金とかあるので資産が多いとか、その情報(名簿)が要求される。」
名簿には勤務先や年収。会社役員、俳優など多種多様な肩書が並んでいます。さらに…
(詐欺組織の内情に詳しい人物)「これがクレジットカード情報です。これでネットで買い物できる」
Q. この情報で?
「できます」
この人物によると名簿は主に大手企業などの個人情報流出リストなどが元になっているといいます。さらに卒業名簿など種類の違う複数の名簿の中から同一の名前や電話番号などで同じ人物をまとめる「名寄せ(なよせ)」という作業を行い、より詳細な情報が追加された名簿になっていくといいます。
(詐欺組織の内情に詳しい人物)「より精度が高くて確実にお金がとれる情報を(買い手から)要求されるので、その情報になると一番お金になりますね」

すでに出回っているという名簿には、実際、被害に遭った栃木県足利市の住所と茨城県つくば市の住所が記載されていました。この情報を元に周辺を取材すると…
(名簿に情報が載っていた人)「“オレオレ詐欺”みたいな…おばあちゃんが電話にでて、おばあちゃんは軽く機転を利かせて『今はいません』と切ったらしい」
名簿に載っていたこの家は数年前に“オレオレ詐欺”の電話もかかっていました。さらに最近不審な電話が頻繁にかかって来るといいます。
(名簿に情報が載っていた人)「廃品回収、リサイクルありませんかという(電話は)何度もあります。宝石とか金とかもし使わないのがあったらいくらでもいいのでどうですかと。この辺廃品回収の車はしょっちゅう回ってます」
周辺では車の窃盗事件も頻発しているといいます。
(名簿に情報が載っていた人)「車と機材とそっくり朝無くなっていた。向こう2km先の所でも盗まれた。」
名簿情報を元に、ある地域を取材したところおよそ6割の家で不審な電話などが掛かっていました。この名簿について、ある想定ができるといいます。
(詐欺組織の内情に詳しい人物)「もともと古くあった振り込めアポ電の時に使われた名簿が使われたケースが考えられる。高額金額が入ったデータは暴力的な詐欺をやる人たちのところには一切出回ってない。想像できるのは(組織の)下の連中」
暴力的な犯罪グループに渡っている可能性があるという名簿…犯罪組織はどの様な視点でターゲットを定めているのでしょうか…

(詐欺組織の内情に詳しい人物)「廃品回収としてターゲットの地区を回ってその家においてある車の種類といった情報を集める。ワゴンタイプなのかセダンタイプなのかなんですよ。車の後ろか前に老人マークがついていると、この家は老人がいる。大型ワゴンの場合にはお子さんやお孫さんを乗せる機会が多いので2世帯住宅じゃないかと想定できる。高級車の場合はそれだけのお金があると考えられる」
高級車などの情報は車両窃盗グループ等にも共有されているといいます。さらに在宅率が上がったコロナ禍で名簿の精度を上げる方法がありました。
(詐欺組織の内情に詳しい人物)「情報を集めるための電話なんですけどアンケートなんですよ。例えばアンケートにしろ、投資にしろ、(電話で)ある金額をいいます。100万円という金額を話した時に驚かれた『え!そんな高額ですか!』というところと『100万円ぐらいなら何とかなります』というのと2つに分かれるわけです。そこで線引きできるわけですよ。コロナ禍で在宅で家にいる時間が多かったので、話される方がすごく多かったんです。びっくりするほど」
こうして集められた名簿は高値で取引されているといいます。そして今後は新たなターゲットに移行しているといいます。
Q. 今後ターゲットに変更はある?
(詐欺組織の内情に詳しい人物)「あります。高齢者は振込詐欺、アポ電なり、今回の強盗を含めあまりにも高齢者に対するターゲットを絞りすぎたので広がりすぎた。今集めている情報というのはこの2年間のコロナ禍の中で、実は30代から50代の人のデータがものすごく多いんですよ。だから(今後は)自分は高齢者じゃないから安心だというのは絶対にありえません。」
一方、実行犯はどの様に選ばれているのか…番組は以前、テレグラムを使用し闇バイトを募集している「ガラナ」と名乗る人物に接触。その実態が分かりました。
Q. 闇バイトをやっている人は多い?
(“ガラナ”を名乗り闇バイトを募集する人物)「多いっすね。今うちだったら中学生もやってますよ。」
Q. え?中学生?
「中学生からMAX60歳手前くらいのおばさんもやってますね。調子の良い時は現金1回で3000万円とかのキャッチがある。ただそれに関しては万が一それを(金)を持ってそのまま持ち逃げされては困るので、割とそれなりに続けてもらって信頼関係ができた方にデカい案件が入ったらやってもらう」

▽「フィリピンから電話が」“実行犯”募集の実態
犯行グループ指令役が海外から指示を出していた可能性も浮上した今回の事件…実際、海外に住む日本人の知人から犯罪を指示された人物が取材に答えました。
Q. どこから電話がかかってきた?
(海外から強盗を指示された人物)「上野付近の古物商の店に行って金品奪ってこいっていう。商品を見ているふりをしてガラスを割ってでも時計を持ってこいって話してた」
Q. なぜ海外から指示?
「所在地が分からず、身柄を隠せるから」
実際、古物商への強盗は実行されることはなかったといいます。この犯罪組織の実態については…
Q. 指示してきたのはどういった人物?
「こっちでいうと愚連隊。半グレの人間たちですね」
Q. 年齢は?
「20代、若いですね」
Q. フィリピンから連絡してきた人物も誰かに指示されてやっている?
「そういうこと。上から命令されれば下は動かなくちゃいけないわけで、使いっぱだ使い走り。」

1月29日『サンデーステーション』より
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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