赤と白のボーダーがトレードマークの漫画家・楳図かずおさんが、10月28日に亡くなっていたことが分かりました。
88歳でした。
楳図さんといえば、ヒット作「まことちゃん」の決めぜりふ「グワシ!」です。
また、「へび少女」や「おろち」などの作品により、“ホラー漫画の神様”とも呼ばれる存在に。
1972年から連載が始まった「漂流教室」では、荒廃した未来にワープした子どもたちが生き抜く姿を描き、漫画家としての評価を不動のものとしました。
さらに、ギャグマンガでも才能を発揮。
幼稚園児を主役に、1976年に連載がスタートした「まことちゃん」では、中指と小指だけを曲げる「グワシ!」という決めポーズが社会現象にもなりました。
楳図かずおさん(2011年):
(Q.「グワシ」ってどんな意味?)言葉の勢いだけなんですけど、意味は本当に元気って。元気だぞーって、そういうポーズ。グワーシ!
楳図さんの大ファンとして知られるタレントの中川翔子さんは、SNSに楳図さんとの思い出の写真を投稿し、「楳図かずお先生の美しくて怖い漫画があったから、絵を描く事が大好きになりました。楳図かずお先生の紡ぎ出す世界に救われた人が世界中に居ます。素晴らしい作品たちは永遠に、これからもたくさんの人たちに届き続けます」と追悼しました。
赤と白のボーダー柄をいつも身に付け、ユニークなキャラクターでも人気だった楳図さん。
2007年には、東京都内にある自宅のデザインを巡って騒動になりました。
外壁を赤と白のボーダー柄にしたところ、「景観を損ねる」などとして、周辺住民から建築工事差し止めの訴訟を起こされたのです。
その後、請求は棄却され、通称『まことちゃんハウス』が完成しました。
当時、その自宅を楳図さんが案内してくれた際の様子。
入ってすぐ玄関にずらりと並んでいたのは、全て赤と白のボーダースリッパでした。
楳図かずおさん(2011年):
(Q.しましまにこだわり?)そうですね。しましまを着ると元気になれるイメージがあって。
衣装部屋にあったのも、ほぼ全て赤と白のボーダー。
こだわりのルーツは、自身の漫画体験にありました。
楳図かずおさん(2011年):
小学4年生のころから漫画読んでたら、海賊が出てきて、みんな赤白のしましま着ている。洋服といったら、その頃から赤と白のしましまって。漫画の影響めちゃめちゃあります。
その自宅には5日、楳図さんの訃報を受けて訪れた近隣住民の姿がありました。
近隣住民に話を聞くと、「やっぱり悲しい。お散歩しているのはいつも見てて」「最近お会いしていないと思っていた。さっきテレビでニュースを見て、ちょっと手だけ合わさせてもらおうかな」などと話し、手を合わせる人もいました。
楳図さんは2022年から、27年ぶりの新作を展示するイベントを各地で開催。
2023年、手塚治虫文化賞の特別賞を受賞しました。
そして10月2日には、最新作となる「連作絵画」を制作中であることを公表。
まさに生涯現役の巨匠でした。
一般財団法人UMEZZ:
生前、楳図は自分の作品が世界中の人々に届いて欲しい、永遠に読み継がれて欲しいと願っていました。また、自分の作品の芸術的価値を信じておりました。その志がこれからも皆さまの心にとどまり続けることを願っております。
楳図さんの葬儀は関係者により、すでに執り行われたということです。
FNNプライムオンライン
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