24日午後1時すぎ、東京電力が福島第一原発の処理水の海洋放出を始めました。漁業関係者などに魚が売れなくなることへの不安が広がるなか、中国政府は日本からの水産品の輸入をすべて禁止すると発表しました。
■地元漁師の不安「本当に勝手」
ついに海への放出が始まりました。午後1時すぎから始まった処理水の海への放出。来月1日から解禁される福島県沖での底引き網漁に出る志賀金三郎さん(76)は納得できないまま24日を迎えました。
第三政丸 志賀金三郎さん:「現場の声を全然聞かないでさ、本当に勝手だなぁと。(処理水を)流したために市民は魚離れするんじゃないかなと。それが一番おっかないです」
漁業関係者から上がる不安や懸念。海洋放出はこれから30年程度、続けられる見通しです。
東京電力HD 小早川智明社長:「何よりも風評対策ならびに損害が発生した場合の迅速かつ適切な賠償について、持続的に全社を挙げて対応にあたって参ります」
原子炉建屋で発生した汚染水からトリチウム以外の大半の放射性物質を取り除いた処理水。これに大量の海水を混ぜてトリチウムの濃度を薄めたうえで、海底トンネルを通して約1キロ先の沖合で放出されます。
■漁業関係者 切実な“直談判”
政府や東京電力の担当者を交えた会合では、現実を受け止めざるを得ない漁業関係者から切実な声が上がりました。
漁業関係者:「トリチウムの処理水の運用に関しては、本当に福島県の漁民の今後何十年というのがかかっていると思うんだ。本当に。緊張感を持って二重三重のチェック体制でやってもらいたいです」
東京電力では放出2時間後の24日午後3時ごろから海水を採取し、海水中のトリチウム濃度のモニタリングを始めます。
東京電力 ALPS処理水対策責任者 松本純一氏:「今回は近場の10地点を採取に行きます」
一方、環境省も福島県沖の11地点で25日朝に海水を採取する予定です。東京電力による分析の結果は夕方、環境省の結果は27日午前中に公表される見通しです。
■中国 日本の水産物“全面禁輸”
24日、海洋放出を受けて中国政府は日本産の水産物の輸入を全面的に停止すると発表。これまでは福島県など10都県のものに限り輸入が停止されていましたが、それが全国に拡大されました。処理水の海洋放出を巡り、国内外で根強く残る反発。その安全性がこれから数十年にわたって求められます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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