カンヌ国際映画祭で最高賞「パルム・ドール」が競われる一方で、最高の演技を見せた犬に贈られる「パルム・ドッグ」の授賞式が行われ、注目されている。知られざる映画界のタレント犬事情を取材した。
■今や大注目 今年は…ボーダーコリー犬「メッシ」
フランスの第76回・カンヌ国際映画祭。日本の2作品がコンペティション部門で主要賞を同時に受賞するという、初の快挙を成し遂げた。
そのカンヌでは、もう一つの授賞式が注目されていた。
それは、最高の演技を見せた犬に贈られるもので、カンヌ国際映画祭の最高賞「パルム・ドール」にちなんで名付けられた「パルム・ドッグ」と呼ばれている賞だ。
この賞は、イギリス人の映画ジャーナリストによって2001年に設立され、以降22年間にわたり開催されてきた。
2019年に受賞したのは、タレント犬の「ブランディ」だ。
ブラッド・ピットとレオナルド・ディカプリオがダブル主演した映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」で、「ブランディ」はブラッド・ピットの愛犬を演じた。
非公式の賞となっているが、授賞式には大物監督や俳優が参加するなど、今や大注目の賞となっているのだ。
ただ、動物福祉の観点から犬を飛行機に乗せて移動させることなどをしていないため、授賞式には代わりの犬が登壇している。
そして今年、「パルム・ドッグ」に輝いたのは映画「アナトミー・オブ・ア・フォール」で重要な役を演じたボーダーコリー犬の「メッシ」だった。
■“タレント犬”育成の苦労「サイレントキュー」
そんなタレント犬を育てるトレーナーがいる。
世界的オーディション番組にも出場経験のある“タレント犬”トレーナーのクリッシー・ジョイさん(35)に話を聞いた。
クリッシーさん:「どの犬もユニーク。性格やモチベーションでそれぞれ違うし、体格、年齢、健康面も考えないといけません。だからこそ、トレーナーの私たちに最も大事なのは、犬にとって心地良い環境であることです」
これまで50以上の犬を映画に出演させてきたクリッシーさんだが、そんな彼女でも苦労するトレーニングがあるという。
クリッシーさん:「必ずしも声を掛けられるわけではないので、俳優がセリフを言う時であれば、声で犬に指示が出せないから、サイレントキュー(無音の指示)を出さないといけません。この訓練が、映画に出演するためには重要です」
クリッシーさんが指した方向に向くように指示する「サイレントキュー」。こういった訓練は、生後10週ほどから始めているという。
そして今、このタレント犬の需要が増えているという。
クリッシーさん:「大きな要因の一つが、コロナです。皆家にいるから、犬を新たに迎えて、犬の人気が爆発したのです。犬の出演依頼は、どんどん増えています。私は、皆が感じている幸せを実際に目にすることができます。最高の経験です」
(「大下容子ワイド!スクランブル」2023年5月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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