戦闘が続くスーダンから日本人やその家族、58人が退避しました。一夜明け、過酷な退避作戦の様子が明らかになりました。
■緊迫のスーダン“退避作戦”
各国の“退避作戦”。韓国の作戦名は「プロミス作戦」。“約束”です。
各国が協力してスーダンからの退避が続くなか、退避を希望する日本人らについて、首都ハルツームから58人全員の退避が完了しました。
認定NPO法人「ロシナンテス」スーダン事業部・川原尚行代表:「本当に長距離・長時間にわたって一大オペレーションを組んでくださり、本当にありがとうございました」
しかし、新たにスーダン南部でも退避を求める日本人1人が残されていることが明かされました。
各国が協力しながらの退避が続きます。
■胸中を吐露 「めげそうだった」
24日、紅海を挟んでスーダンの向かいに位置するサウジアラビアはおよそ190人を船で退避させました。ただ、そのうち自国民は10人だけで、他のおよそ180人はアメリカやイギリスなど外国人でした。
日本時間25日未明、戦闘が続くスーダンから日本人ら45人が近隣の国ジブチの空港に到着しました。退避したのは大使館やJICA、国際機関の職員とその家族です。面会した武井外務副大臣によりますと、疲れてはいるものの、医師の診察を受け、健康状態に大きな問題はみられないといいます。現地で医療支援を行っていた認定NPO法人「ロシナンテス」のスタッフも無事、退避できました。
認定NPO法人「ロシナンテス」スーダン事業部・川原尚行代表:「なにより国連。ハルツームからポートスーダンまで本当に長距離、長時間にわたって一大オペレーションを組んでくださり、本当にありがとうございました」
日本政府によりますと、首都ハルツームから北東部の港湾都市ポートスーダンまで陸路で移動し、輸送機でジブチに入りました。これはポートスーダンへと向かう国連など退避の車列の映像です。この中に日本人がいたのかは分かりませんが、何台もの大型バスが連なっています。停戦中も爆発音や銃声が聞こえるという、何が起こるか分からない、そんな状況での強行軍でした。
認定NPO法人「ロシナンテス」スーダン事業部・川原尚行代表:「うちの2人のスタッフも色々と支援してくれたというか、私の心の支えにもなりましたし、私が運転でめげそうになった時も色々と気を使ってもらってコーヒーを入手してくれ、それを途中飲んで復活したということもあり、本当にありがとうございました」
また、この陸路での移動には韓国などの協力があったといいます。その韓国が行った“退避作戦”が「プロミス作戦」です。韓国メディアによりますと、日本人と同じように首都ハルツームから陸路でポートスーダンに移動するというものでした。
韓国、中央日報:「交戦地から800キロをバスで移動。日本人、数人とともに救出」
こうして退避を希望する日本人らについて、首都ハルツームから58人全員の退避が完了しました。各国の間でどのような話し合いがされたのでしょうか。
■自衛隊元トップが語る「退避」
元自衛隊・統合幕僚長、河野克俊氏:「どこの地域、どの空港が比較的平穏で救出のオペレーションができるかという情報交換。飛行機が集中すると混乱するから順番など調整していたと思う」
そんななか、首都ハルツームから離れたスーダンの南部に退避を希望する日本人1人が残されていることが明かされました。
元自衛隊・統合幕僚長、河野克俊氏:「南部の国境にいるということは、ポートスーダンまでさらに距離がある。移動についても時間が掛かる。各国との調整は絶対にいるのでこれから調整していくと思う」
退避は新たに72時間伸びた停戦中に行うべきだといいます。
元自衛隊・統合幕僚長、河野克俊氏:「停戦とはいえ、末端まで統制がきいていない。警戒心をもって臨むべき」
政府はスーダンの日本大使館を閉鎖し、ジブチに新たに設置した臨時事務所を中心に対応にあたる方針です。
認定NPO法人「ロシナンテス」スーダン事業部・川原尚行代表:「本当にスーダンの人たちは皆様方に理解していただきたいですが、本当に悪くない。素晴らしい方たちばかりです。軍の組織がお互い、自分のことだけを考えて衝突したということ。一日も早い停戦が行われて、平和が訪れることを願っています」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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