大雪で混乱の札幌市「新たな除雪方法」の現場を調査!(HBCもんすけ調査隊)2022年1月20日放送

(金城茉里奈アナウンサー)
 視聴者の疑問や悩み、暮らしの中のハテナを調査する「もんすけ調査隊」です。きょうのテーマはこちら。大雪で、札幌では除雪が追いつかない状況が続いていますが、「もんすけ調査隊」にこんな投稿が届きました。

(視聴者からの投稿)
「四輪駆動でも埋まりそうなくらいに雪がザクザクな道があります。除雪がひどくまともにすれ違えません」 

 投稿が寄せられた場所は、札幌市中央区の住宅街を走る生活道路です。道のいたるところが大きくへこみ、車が通るのも大変です。

(調査員)
「環状通から1本西に入ったところですが…道がガタガタですね。大丈夫ですか?」

 別の日の映像では、雪がとけて、ザクザク路面に…

(札幌市雪対策室計画課 新沼俊司課長)
「ことしは大雪が降ってかつ気温が高い日が続いたので1月のこの時期にいろんなところでザクザク(道路)になっている」

 こうした生活道路のでこぼこや「ザクザク状態」を減らそうと、札幌市は新たな除雪の方法を試みています。

(調査員)
「見えました、札幌市の除雪作業車ですね」

 従来「除雪」といえば、降り積もった雪をかき分ける作業が主体でした。
 新たな方法は、出動する基準を、降雪10センチ以上から20センチ以上に変更。除雪車が道路を往復して作業していたのを片道だけにする、もしくは、積もった雪を専用の装置で踏み固める方法を試験的に行っています。

 除雪を減らす代わりに主に行うのは、圧雪路面をこまめに削り、平らにする作業。日中、計画的に行うことができます。従来、シーズンに2回程度だったこの作業を、7回程度まで増やします。

(調査員)
「大きな作業車が細やかに雪を寄せていきます」

 しかし…

(住民)
「ここ歩けなくなった。雪を置いていかれて」

 札幌市が試験的に始めている「新たな除雪方法」。
 「除雪」の回数を減らす代わりに、計画的に圧雪路面を削って平らにします。

(調査員)
「道路をならす作業が終わりました。路面は平らで車は通りやすそう。ただ道路わきに少し雪が残ってしまい住民が雪かきをしている」

(住民)
「ここもこんなに(雪を)置いていかれたら、硬い雪はどうしようもない、これじゃあ通れないでしょ。年寄りはこれをのけなきゃいけないから大変」

 道路の端に寄せた硬い雪が、こぼれてしまいました。

(住民)
「ちょっとここ見てもらえます?ここ通れなくなっちゃったから、ちょっとここの雪だけ、子どもが通るから」

 札幌市は、削った雪について、住宅の玄関や車庫の前は極力避け、歩道に寄せることがあると市民に理解を求めていますが…

 この試みは2年前から始まり、今年度は市内23地区、生活道路の5パーセントで行われています。

 市が住民に行ったアンケートでは、家の前の雪かきについて、「今までより楽」という意見が「今までより大変」を上回りました。
 しかし、ことしは大雪で、雪かきの負担が増しています。

(住民)
「いつもなら(除雪が)入っているのになあって、朝起きたらブルドーザーで(雪を)かいてくれているのに、少ない。今の時期は(路面の)でこぼこ(整正)よりも除雪してほしい」

 札幌市が新しい除雪方法を試験的に導入した背景には、深刻な人手不足があります。
 「除雪」は夜に行われ、時間も不規則で天候に左右されるため、作業員の負担が大きくなります。
 札幌市は、夜中の「除雪」を減らし除雪作業員の労働環境を改善したい考えです。

(札幌市雪対策室計画課 新沼俊司課長)
「今のうちから除雪従事者が減ったときにも続けていける持続可能な除雪方法を検討していかなければならない」

 市は、今後3年程度かけて、この新しい除雪方法を検証していくということです。

(金城茉里奈アナウンサー)
 この「新たな除雪方法」は、幹線道路では行われておらず、札幌市内の生活道路の5パーセントで試験的に行われています。
 秋元市長は、今回の大雪との関連について、臨時会見で次のように話しました。

(札幌市 秋元克広市長 20日臨時会見)
「今回の大雪の影響と除排雪方法の試行とは全く関係ない。(大雪では)除雪の方法の変更をほとんど検証できないので何年か検証していかないといけない。地域の人の意見を聞きながら(新たな除雪方法を)拡大するかしないか決める」

(金城茉里奈アナウンサー)
 新たな除雪方法を行う背景には、人手不足があります。
 いま、札幌市で除雪作業をしている人は50代以上が多く、将来的に人数が減っていくことが懸念されています。札幌市の推計では、除雪車の操作ができるオペレーターは2017年からの20年間で4割程度減るということです。

(堀啓知アナウンサー)
 近い将来、いまよりも除雪を巡る環境が悪くなる。今年は大雪で困ったが、もっと困る未来が待っている。除雪作業員の待遇面をどうするか、我々が快適に暮らすために何を協力できるか、地域の除雪ボランティアのあり方などいろいろと考えていかないといけない。

(金城茉里奈アナウンサー)
 人数が減って困るだけでなく、除雪作業は、住宅街の細い道路や住宅の形、雪が溜まりやすい場所を見極めて除雪しないといけないので、ベテラン作業員の経験と技術を継承していかなければいけない。

(堀内大輝アナウンサー)
 新たな除雪のやり方だと、新雪除雪の出動基準が降雪10センチから20センチになる。除雪が追いつかなくて車が走りづらくならないか疑問だが。

(金城茉里奈アナウンサー)
 そういった市民の不安な声をくみ取って、札幌市には、今後の除雪方針を決めてほしいですね。

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