

埼玉・富士見市立水谷東小学校の教師の女が、給食のカレーに漂白剤を混ぜた疑いで逮捕された。
犯行の動機は「担任を外され悔しかったから」という身勝手なものだった。
事件があった富士見市の教育委員会は、9月16日午後5時過ぎに会見を開いた。
富士見市教育委員会・山口武士教育長「子どもの命・安全を守る責任のある教員が、このような事故を起こし、逮捕されたことは、絶対にあってはならないことであり、教育長として大変深刻に受け止めております。このたびは誠に申し訳ございませんでした」
会見の冒頭、教育長は、教師が児童の安全を大きく損ないかねない行為に及んだとして謝罪した。
給食のカレーに漂白剤を混ぜた疑いで逮捕されたのは、小学校教師の半沢彩奈容疑者(24)。
事件は9月15日、富士見市立水谷東小学校で起きた。
狙われたのは、6年生のクラスだった。
給食当番の児童が、この日の献立にあったカレー、約20人分の鍋のふたを開けた時、異変に気づいた。
「変なにおいがする」。
カレーのスパイスとは異なる、鼻にツーンと来る刺激臭がしたという。
カレーは、市の給食センターが調理したもので、午前11時15分ごろには、給食センターの職員によって、教室前の廊下に置かれた。
半沢容疑者は、鍋が教室に運び込まれる午後0時20分までの約1時間の間に、塩素系漂白剤をカレーに混入した疑いが持たれている。
どのようにして半沢容疑者の犯行と特定されたのだろうか?
まず、学校から連絡を受けた給食センターが調べたところ、ほかの学校からの被害は報告されなかった。
一方、カレーの異臭騒ぎを受け、学校側は教師らに確認作業を行った。
ところが、この作業に半沢容疑者だけが応じないなど、不審な行動があったという。
そこで、学校側が半沢容疑者に聞き取りを行ったところ、「漂白剤を入れました」と混入を認めたという。
警察が学校の中を調べると、普段使われていない教室で、ほぼ空の状態の漂白剤の容器が見つかったという。
今回、半沢容疑者が漂白剤を入れたのは、昨年度まで半沢容疑者が担任として受け持っていたクラスだった。
自分の教え子を狙ったともとれる今回の犯行。
これまでの調べに、半沢容疑者は「担任を外されて悔しかったからやった」と供述し、容疑を認めている。
事件のあった小学校に子どもを通わせている保護者は、半沢容疑者について、次のように話している。
子どもを通わせる保護者「“噂の先生”じゃんって思って。良いうわさは聞かなかった」
一方、教育委員会側は16日の会見で、半沢容疑者の勤務態度について、研究熱心でこれまでに大きな問題なかったという。
また、担任の交代については「通常の人事配置によるものだった」と回答。
そのうえで、半沢容疑者は、担任を外されたことについて、周囲に次のように話していたという。
富士見市教育委員会・山口教育長「不満という言葉が該当するのかどうかは、わたし、そこまで聞き取れてませんが、『担任を続けて持ちたかった』という思いで、相談を何人かの先生や教頭先生にはお話があったようでございます」
日本中毒情報センターの調査によると、仮に漂白剤が混入したものを飲み込んだ場合、のどから胃の辺りまでがただれ、痛みや吐き気、嘔吐などの症状が出る可能性があるという。
今回は誰も口にしておらず、直接的な健康被害はなかったが、別の影響が出た。
この小学校では、6年生の児童が16日から修学旅行の予定だったが、今回の事件を受けて急きょ延期になったという。
小学校では午後7時から、保護者説明会が行われる予定。
警察は学校の人事に対する不満を、なぜ児童にぶつけようとしたのかなど、犯行に至る経緯をくわしく調べている。
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