3年ぶりに行動制限のない「お盆」。空港や駅は帰省ラッシュのピークとなりました。そのお盆休みで心配なのが天気です。今後1週間程度は大雨となる可能性があると気象庁は警戒を呼びかけました。さらに日本の南にある熱帯低気圧は今後台風に発達し土曜日頃に東海・関東に接近する可能性があります。
■3年ぶりの「行動制限」ないお盆と厳しい暑さ 周りを見てマスク着用の判断を
帰省ラッシュが始まった羽田空港。
3年ぶりに「行動制限」のないお盆を迎え、空港のターミナルは多くの観光客などで混雑していました。
全日空と日本航空では下りのピークの予約数は、コロナ禍前の約9割まで回復しているということです。
鉄道も11日が下りのピークとなり、東海道新幹線は「のぞみ」の一部で乗車率100%を超えました。
そして、11日も各地で厳しい暑さとなりました。
東京都心は猛暑日一歩手前の34.3℃を観測。また、▼福井県・小浜で37.9℃、▼長野県・上田で37.8℃など全国120の地点で猛暑日となりました。
涼を求めて、多くの登山客で賑わいをみせていたのは東京にある高尾山。
駅周辺ではほとんどの人がマスクを着用。登山道に入るとマスクを外すなど、周りの混雑状況を見て対応していました。
そして、高尾山の中腹。
都心方向の景色が見渡せるレストランでは感染対策を実施して営業していました。
■大雨が降り続く東北地方 1週間程度は警報級の大雨の可能性
一方、停滞する前線の影響で11日も断続的に大雨が降り続く東北地方。
記録的な大雨に見舞われた青森県・弘前市では今も冠水している地区があります。
住民
「ここ水が抜けないから溜まっちゃうんだよね。家の中は今、ポンプでかきだしてやっている」
青森県内では各地で大きな被害を受けていて、弘前市の道路はえぐられるように崩壊し赤土がむき出しになっていました。
深浦町にある養殖場では近くの山が崩れ、いけすに大量の土砂が流れ込みました。
日本サーモンファーム 岡村大祐 取締役
「被害は甚大。どれくらいの被害か想定できない。最悪、本当に全滅」
今は生きている魚の救助をしているといいます。
同じ深浦町の温泉旅館では、露天風呂に続く道が陥没。2日前から徐々に崩れ10日の朝、陥没したといいます。
水平線へと沈む夕日を眺めながら入る露天風呂が人気で、この時期は大勢の観光客でにぎわうはずでした。
不老ふ死温泉 西崎朋社長
「大体宿泊が1日150人ぐらいなのが、今10人20人の感じなので、本当に稼ぎどきなんですけどね、大変な感じになってます」
旅館の社長は1日も早く露天風呂を再開させたいとしていますが、気象庁は・・・
気象庁 天気相談所 森永裕幸所長
「北日本では12日にかけて雷をともなった非常に激しい雨。その後も、東北日本海側を中心に、向こう1週間程度警報級の大雨の可能性があります」
今後一週間程度は大雨となる可能性があるとして警戒を呼びかけました。
12日夕方までの予想雨量は多いところで▼東北で200ミリ、▼北海道で120ミリとなっています。
なぜこんなに雨が長引くのでしょうか?
森田正光 気象予報士
「今年は季節の変化がおかしくて、梅雨時のような気圧配置になっている。湿った空気がどんどん入り込んでいる。長い時間続いたのが特徴。しかも東北地方だけでなく、朝鮮半島、中国も大雨になっている」
■韓国でも冠水被害 浸水した車は韓国全体で9189台
この前線は韓国にも大きな被害をもたらしています。
8日の豪雨で大きな被害を受けたソウル南部・江南。高級住宅街が冠水し、多くの高級車が立ち往生しました。動けなくなった車は公園に集められましたが、浸水した車は韓国全体で9189台だと言います。破棄される車も多く、推計の被害総額は日本円で約130億円（推計）だといいます。
■週末 関東甲信・東海に台風接近 大雨・暴風に警戒
一方、もう一つ心配なのが現在日本の南にある熱帯低気圧です（11日午後9時時点）。
台風に発達し、13日ごろには東海・関東に接近する可能性があります。
森田正光 気象予報士
「23年前、玄倉川のキャンプ場の事故でキャンプ中に大雨で増水して多くの人が流される悲惨な事故があったが、それと今回気圧配置が似ている。熱帯低気圧も台風も危険。急に天気が変化すると頭においてほしい」
予想される雨量と最大瞬間風速（関東）
▼12日夕方までに60ミリ/25メートル
▼12日夕方～13日夕方までに100～150ミリ/25～35メートル
大雨が予想され、暴風となる見込みで警戒が必要です。
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