”新型コロナ”消毒作業の実態…映像入手「消毒の会社に免許・資格必要なし」明確な基準求める声も (20/04/29 20:00)

消毒作業の実態です。新型コロナウイルスの集団感染が確認されたグループホーム。その消毒作業の映像を入手しました。

 防護服に身を包んで行われる作業の様子が明らかに…一方、専門業者の少なさなど課題も見えてきました。

 北海道千歳市のグループホーム「ぬくもりの里」です。

 防護服姿の作業員が壁や床に消毒液を吹きかけます。引き出しの中や取っ手まで念入りに行っています。

 こちらでは、入所していた高齢者と職員、あわせて10人が集団感染、うち、1人が死亡しました。

 引き続き暮らす高齢者がいるため、施設内の消毒を行ったのです。

 道内には専門業者が少ないため、東京の業者「コロナウイルス消毒センター」に依頼しました。

 2020年2月、関東地方の施設清掃を行っているおよそ20社により設立、感染拡大に伴い1日500件を超える問い合わせが寄せられるといいます。

 コロナウイルス消毒センター 春日さん:「宿泊施設の清掃会社も参加していて、この方たちは完全に仕事がゼロになっている」「こういう仕事をすることで、雇用の創出にもつながるという意味合いがある」

 元々は清掃業が中心で、消毒を専門的に行っていたわけではありません。作業員は研修を受けた上で現場に赴いているといいます。

 コロナウイルス消毒センター 春日さん:「基本、皆清掃の経験があるスタッフではあるが、消毒に関してはまだそこまで知識のないスタッフもいる」「新型コロナはほとんどの人が初めて経験することなので、そこに初心者、経験者という考えはない」

 こちらの会社では、現場で消毒作業の経験を積んだ人を監督者として、マニュアルに沿った作業を行っています。その作業の様子を専門家に見てもらいました。

 病院内で感染者が確認された後、拡大を防いだ札幌の斗南病院で感染管理を担当する看護師の三宅隆仁さんです。

 斗南病院 三宅隆仁さん:「やっていること自体は、当院もだが、こういった形でやるのでは」

 作業方法について評価する一方で、気になったことがあるといいます。

 斗南病院 三宅隆仁さん:「ここまで人数が多いのに驚き。多いと他の人がどこまでやっているのか把握しづらく、拭き残しが」

 広範囲を多人数で消毒すると、受け持つ範囲があいまいになり、消毒し残した部分ができることがあるというのです。これに対して会社側は…

 コロナウイルス消毒センター 春日さん:「接触箇所は人間が行動する上で無限大にある」「それを一個一個丁寧に消毒すること考えると、1つの部屋を 1人でやったら無限にかかる」

 新形コロナウイルスの感染者が出た場合、関係する場所の消毒について定められた基準はありません。また、消毒を行う会社に特別な資格や免許は必要ありません。

 このような現状に、感染症対策に詳しい北海道医療大学の石角鈴花講師は…

 北海道医療大学 石角鈴花講師:「グループホームを管理している人など、どこまでやったらいいのか、何がどういう消毒が必要か、知識を持っている人が少ないので、混乱しているんだなと思う」

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、消毒についての明確なルールや基準が求められています。

powered by Auto Youtube Summarize

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事