「現代日本の貧困」①ひとり親家庭 赤石千衣子 NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長 2014.7.18

Chieko Akaishi
最新の統計では、日本の子どもの貧困率が16.3%と過去最悪を更新した。なかでも、ひとり親家庭の子どもの貧困率は54.6%に達する。『ひとり親家庭』(岩波新書)の著者で、ひとり親支援のNPOを運営する赤石千衣子氏が、シングルマザー、シングルファーザーの苦しい現状を説明、社会保障分野での対策の必要性を訴えた。
司会 軽部謙介 日本記者クラブ企画委員(時事通信)
日本記者クラブのページ
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2014/07/r00027567/

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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2014年8月号に掲載)

日本の子ども6人に1人が貧困 ひとり親家庭の現実を見よ

日本の貧困化が止まらない。相対的貧困率は16・1%と過去最悪を更新。「一億総中流」などと言われた社会は完全に崩壊したようだ。

貧困は社会的弱者を襲う。離婚や死別などさまざまな理由から1人で子どもを育てる「ひとり親」もその範疇に入る。シングルマザーがパートやアルバイトで働く場合の年収は125万円程度。2つも3つも仕事を抱え、睡眠が4時間くらいしかとれない例もあるのだという。「勝手に離婚しておいて」という世間の目にさらされながら、歯を食いしばり、髪ふり乱して必死に働く姿が想像できる。

子どもの貧困率は全体で16・3%に達し、ひとり親家庭では54・6%に跳ね上がる。生活保護の受給資格がありながら申請していない親子も少なくない。「扶養照会されることにより、別れた夫に居場所を知られてしまうのではないかと怖がるケースが目立つ」と赤石さん。

政府の対策は万全ではない。児童扶養手当の給付期間延長に期待が集まるが、厚生労働省はゼロ回答。法人税減税など「サプライサイド」的な政策を前面に押し出す現政権の視野に、こういう人々のことは入っているのかと考えさせられた。

企画委員 時事通信解説委員長
軽部 謙介

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