山口・阿武町が先月8日、事務のミスで、4630万円を24歳の男性に送金した問題で、16日、返還を拒否している男性の弁護士が会見を開きました。弁護士によると、男性はこれまでに2度、警察による任意の事情聴取を受けていたといいます。
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先月、人口約3000人の山口・阿武町で“重大なミス”が発生しました。
阿武町 中野貴夫副町長
「銀行から連絡が来ました。それで町として確認して、『それは誤振り込みです』とわかって」
阿武町 花田憲彦町長
「町民の大切な公金であります。それも多額な公金でありますから、なんとかこれを取り戻したい」
事の発端は先月8日、阿武町は、コロナの影響で生活に困窮する世帯を対象に、1世帯あたり10万円を支給する「臨時特別給付金」を463世帯に10万円ずつ振り込みました。その上で、事務のミスで、町内に住む24歳の男性1人の口座に4630万円を振り込んでしまったのです。
24歳の男性は1年半ほど前、町の空き家を活用し定住促進を図る制度を利用し移住してきたといいます。
振り込みミスがあった先月8日、町の職員が男性宅を訪れ、説明をしたことで、初めて自分の口座に4630万円が振り込まれていることを知ったといいます。男性は返還に同意し、手続きをするため、職員と一緒に銀行へ行きました。しかし――
中野副町長
「態度が変わったんですね。(銀行の)玄関の前で『今日は(手続き)しない』と」
その日は返還の手続きはできず、2週間ほどたった先月21日、「お金はすでに動かした。もう戻せない。罪は償う」と話し、返還を拒否しました。誤って振り込んだ先月8日から2週間ほどで、男性の口座からは4630万円のほとんどがなくなっていたといいます。
説得に対し、男性は――
中野副町長
「『(男性は)なんで自分たち(役場)がやったのに僕を責めるんだ』みたいな」
町によると、先月21日を最後に音信不通になっていました。その前に仕事も辞めていたといいます。今月12日、町は返還を求める民事訴訟を起こしました。
そして16日午後、男性(24)の弁護士が会見を開きました。
男性(24)の弁護士
「本人は4月の段階で山口県内の警察署に任意に出頭し、事情をすべて説明しています。連絡が取れず所在が不明になった事実は一切ございません。本人使用のスマートフォンの任意提出を求められたため提出し、返還されておりません」
男性は先月、警察に出頭し、これまでに2度、任意の聴取に応じていたことがわかりました。さらに――
男性(24)の弁護士
「本人、現在、そのお金を所持しておりません。 現実的な問題として、返還が難しくなっています」
4630万円は“返金が難しい状況”だといいます。そのワケは――
男性(24)の弁護士
「財産的価値のあるものが、本人の手元に残っている状態ではないと聞いている。『何か残っているものがあれば返すように』と言っていこうと思っているが、今のところ残っていないと」
――間違ってお金が振り込まれたら返すのが一般的だと思うが、なぜこのようなことが起きた?
男性(24)の弁護士
「一般的なことと言われるのは、私もその通りだと思います。なぜ起きたかについては、いずれ明らかにしていこうと思います」
また、町が起こした民事訴訟について、応じる考えを明らかにしました。
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男性(24)を知る人は――
男性に家を貸していた大家
「いい子よ、男前だし。どうしてこうなったか、わからんけどね」
男性(24)を知る人
「仕事自体はてきぱきしていました。(言葉遣いは)今風の『そっすか』とか。身なりもちゃんとした服装ではなくて」
阿武町の4630万円は、返金される見通しが立っていません。男性が罪に問われる可能性はあるのでしょうか。
(2022年5月16日放送「news zero」より)
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