山口県阿武町が、24歳の男性に4630万円を誤って振り込んだ問題で、男性の弁護士が会見し、全額を使い切ったとみられることを明らかにしました。
■24歳男性を警察が“任意聴取”
望まぬ形で、全国から注目される山口県阿武町。町は、1人の男性に誤って振り込んだ4630万円のコロナ給付金の返還を求めていますが、男性は拒否。男性の所在は、分からなくなってしまったといいます。
そんななか、16日、男性側の弁護士が会見に応じました。
誤送金を受けた男性の弁護士:「男性の所在についてはですね、警察には、すでに所在を明かしておりますし、私を通じて連絡を取ることが可能となっておりますので。これが、一般社会通年的に見て、所在が分からなくなったという状態ではないと認識しております」
男性は先月と今月の2回、警察に出頭し、任意で事情を聞かれているといいます。
誤送金を受けた男性の弁護士:「本人使用のスマートフォンの任意提出を求められたため提出し、当該スマートフォンは、現在まで返還されておりません。おそらく、これによってですね、町のほうが、連絡が通じなくなったと誤解されたのではないかと」
■弁護士「現状は返せない状態」
会見中、記者からは4630万円の行方について、質問が集中しました。
まずは、「返還の意思」についてです。
誤送金を受けた男性の弁護士:「(Q.返還の意思はあるのか)本人、現在、そのお金を所持しておりません。現実的な問題として、返還が難しい状態」「(Q.本人としては、返さないのか、返せないのか)現状では、返せない状態」
「返還できない理由」については、次のように話しました。
誤送金を受けた男性の弁護士:「(Q.男性は、すでにお金を使ってしまっている理解でいいか)おおむね、その理解で正しいと思います」「(Q.何かものを購入する財産的なもの)何か財産的価値のあるものが、本人の手元に残っている状態ではないと聞いています。私も、皆さまと感覚的にそんなに離れているものではないので。何か残っているものがあれば、返すようにというように言っていこうかとは思っておりますけども。今のところ、残ってないというふうに聞いております」
■使い道は?「正確に覚えてない」
わずか2週間あまりで、4630万円もの大金を「何に使った」のでしょうか?
誤送金を受けた男性の弁護士:「(Q.いつごろ、どういうふうに使っていった?)それついては、私のほうに資料がないです。本人も、あまり正確には覚えてないということになっております。本人からは、スマートフォンの操作で送金してると聞いております」
弁護士は、「把握している限り、第三者の関与はない」と説明しています。
誤送金を受けた男性の弁護士:「今後の返還につきましては、訴状を確認したうえで、訴訟の中で相手方代理人と協議をして、何らかの解決が図れるように検討していきたい」
弁護士が男性と初めて会ったのは、13日のこと。24歳の男性の様子について、次のように話します。
誤送金を受けた男性の弁護士:「こういう状態ですので、本人は、だいぶ堪(こた)えてはいるとは思う。それも、一回会っただけですので。すみません。その程度しか、分からないです」
男性側の会見を受け、阿武町の花田町長は次のように話しました。
山口・阿武町 花田憲彦町長:「先ほど聞いて驚いているが、まだ全然中身が分かっておりませんので。今、何とも言いようがない。中身をしっかりと見たなかで、お答えすべきものはお答えしていきたい」
■専門家「早く刑事告訴の検討を」
今後、阿武町は4630万円を取り戻すことができるのでしょうか?
阿武町はこれまで取材に対し、「4630万円が戻ってくれば、刑事事件化は求めない」としてきました。
山口・阿武町 中野貴夫副町長:「罪を償ってほしいとか、そういう気持ちは一切ない。お金さえ戻れば、私たちはそれでいいと思って」
しかし、専門家は、次のように話します。
弁護士法人プロテクトスタンス・湯山亮介弁護士:「早く刑事告訴を検討して、対応したほうがいいんじゃないかと思う。刑事告訴した場合、詐欺罪や、銀行に対する窃盗で起訴される可能性があるので。そうすると、初犯の場合でも、執行猶予なしで実刑になる可能性がある」
(「グッド!モーニング」2022年5月17日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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