

ウクライナ軍がハルキウ州でロシア軍を押し戻す一方、ロシア軍が民間人をターゲットにするケースが相次いでいます。こうしたなか、NATO(北大西洋条約機構)加盟へ準備を進めているのがフィンランドです。欧州最大規模の軍を持つフィンランドの加盟に、ロシアは報復措置をちらつかせています。
焼け焦げた建物の壁に残されているのはバスケットボール用のゴールでしょうか。
ウクライナの非常事態省は北部のチェルニヒウ州の学校が12日午前0時すぎ、ロシア軍の攻撃を受けて炎上したと発表しました。
攻撃によって3人が死亡し、12人が負傷したといいます。
東部でも7日、市民が避難する学校が攻撃され、約60人が死亡しました。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「昨晩、ロシア軍はチェルニヒウ州で学校などを攻撃した。ロシアは教育を邪魔だと思う国家なのだろう。だが、ウクライナの学校を破壊して何が得られると言うのか。このような命令を下すロシア軍の司令官は病的で救いようがない」
チェルニヒウ州には一時、ロシア軍が侵攻していましたが、先月の初頭に撤退しています。
ロシアの最新鋭戦車「T90」の残骸が残されていたのは国境から約14キロの場所。北東部のハルキウ州でもウクライナ軍はロシア軍から地域の奪還を進めています。
CNN特派員・ウォルシュ記者:「村々を解放しロシア軍を国境に追いやるなか、次々と明らかになる残虐行為の一つです」
ここでは今月初め、車に乗っていた13歳の少女と3人の大人が砲撃を受け、殺されたと言います。
CNN特派員・ウォルシュ記者:「運転席側と後ろのドアが集中的に撃たれていることから、『分かっていて撃ったはずだ』とウクライナ軍は言っています」
地下鉄の車両が生活の場となり、駅の構内が子どもたちの教室になっているのが州都ハルキウの光景です。子どもたちはこの日、歴史を学んでいました。
教師:「子どもたちは歴史に興味を持ち始めています。学校では好きではなかったのですが、今は戦争中なので授業は精神的な支えにもなります。多くが家を失いました」
いつ終わるとも知れないロシアの侵攻は歴史的な転換も引き起こしています。
フィンランドのNATO(北大西洋条約機構)への加盟に向けた動きです。
フィンランドは長年、ロシアを刺激しないよう軍事的中立を保ってきましたが、ウクライナ侵攻後の世論調査では76%が加盟に賛成しています。
12日に発表された大統領と首相の共同声明です。
ニーニスト大統領とマリン首相の共同声明:「NATO加盟はフィンランドを強化し、フィンランドはNATOを強化する」
ロシアと1300キロにわたって国境を接するフィンランド。NATOに加われば北方の防衛力が大幅に強化されます。
CNN(国際外交担当)・ロバートソン編集者:「フィンランドは数多くNATOや国際的作戦に加わり、長年にわたり準備ができています。イラクやアフガニスタン、コソボ、ボスニア、レバノンなどでです」
つい最近もフィンランドはイギリスやアメリカなどと共同で訓練を行っています。
また、徴兵制を敷くフィンランドでは予備役は約90万人。ヨーロッパ最大級の規模です。
当然、ロシアは反発し、報復措置をちらつかせています。
与党・社会民主党、ヘイナルオマ元党首:「ロシアがやったことに対する反応であり、ロシアの支配層が責めるべきは自分自身だ」
一方、西側諸国からは加盟を歓迎する声が上がっています。
ホワイトハウス、サキ報道官:「アメリカはフィンランドやスウェーデンが加盟を申請するなら支持します」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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